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チャプター2 千本木しほり

1項 さくら、隠れる ~3P&オナニー

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 『稲城ポートランド』でのイベントからひと月が経過した──

 ワタシはこれまでに貯めた資金で都内のアパートを借りることが出来た。
 ホントは事務所の居心地が良くて引っ越ししなくてもイイくらいに感じていたのだけど、これ以上会社の厚意に甘えるワケにもいかなかった。

 引っ越し先のアパートは結構事務所から近く、駅近ではないので割と格安な家賃だった。

 事務所の近くを選んだ理由は、やっぱりそこが好きだから。好きなその場所にすぐに出勤出来るから。

 そして今日は、引っ越しをしてから最初の出勤日。
 なるべく時間に余裕をもって家を出たのだけど、逆に早く来すぎてSGIプロダクションのビルに到着したのは予定の30分も前だった。

 ──まあ、いっか。プロデューサーさんとお話しでもして時間潰せば。

 ワタシは入構証をセキュリティに通してビル内へと入る。
 つい最近までこのビル内で寝泊まりしていたから出勤するという感覚があまり無く、まるで今日が初出勤かと思うくらいスゴく新鮮な気分だ。

 そしてエレベーターで3階へと上がり、事務所のセキュリティも通過する。

 入室すると、奥から微かな声が聞こえる。

 ──プロデューサーさん、もう来てるのかな?

 ワタシは軽い足取りで先へと進む。

「おは──」

 あいさつを向けようとしたその瞬間だった。

 ワタシは女性の艶めかしい声を耳にし、慌てて口を噤んだ。
 それはたしかに喘ぎ声だった。

 ──ど、どういうこと!?

 ワタシは忍び足で壁際に体を寄せ、そろりと顔を覗かせる。

 そこから見えたのは、ソファーの上ではだけた服からこぼれ出た豊満なバストを自ら揉みしだき、恍惚の表情で嬌声を上げる社長さんの姿だった。

 ──しゃ、社長さん、こんな朝早くからオナニー? しかも会社内で??

 ワタシは思わず生唾を呑みこんだ。

 他人の自慰行為を生で見るのは初めてだし、またその社長さんの姿があまりにも艶かしくてこっちまでドキドキしてしまう。

「ああ……いいよ、マサオミ。もっと……もっとかき回して!」

 ──え? プロデューサーさん!?

 社長がその名を呼ぶけど、こちらの位置からはプロデューサーさんの姿を確認することができない。
 ホントに彼がいるのか、彼女がプロデューサーさんのことを想像しながらしているのかわからない。

 ──ここからじゃ良く見えないな……。

 ワタシは意を決し、身を屈めて腹這いになり、匍匐前進ほふくぜんしんでゆっくりと奥へと侵入する。

 だんだんと声がハッキリと聞こえてくる。

「どうですか、プロデューサー? 私の胸、気持ちイイですか?」

 その時、聞いたことのない女性の艶やかな声が聞こえる。

 ワタシはデスクまで移動すると、そこから再び顔を覗かせる。

 するとソファーの上にもうひとり、緑がかった黒い長髪を三つ編みに結い、どたぷん、という効果音が聞こえてきそうな大ボリュームのバストを寄せ上げている女性の姿が見えた。

 ──だ、誰ッ!?

 柔和な面持ちのその女性は、自らの巨乳を盛んに上下させたり波打ったりさせて恍惚に浸っている。

 ──でも、プロデューサーさんの姿なんて……。

 見えない、と思ったその時、ソファーに横たわるもうひとりの姿を視界に捉える。目を凝らしてよく見ると、その人物は社長さんの股ぐらに顔を埋め、ペニスを見知らぬ女性のバストに埋められていた。

 ──ぷ、プロデューサーさんッ!?

 顔が見えないから断言はできないけど、社長さんの言葉からそれはプロデューサーさんらしく、さらにどういうワケか彼は両手を後ろ手に縛られていた。

 ──こ、これって……3Pッ!?

 何で彼女たちが朝っぱらからこんなことしているのかわからないけど、ワタシが来ることを知っているのだから控えてくれればイイのに……。

「ほらほら、マサオミ。早くアタシたちをイかせないとさくらくんが来てしまうぞ?」

 社長さんがそう言って挑発する。

 ──いえ、もう来ちゃってるんですけど……。

 ワタシは早く来すぎたことを後悔した。

「ああン、イイよ、もっと……もっと強く吸って!!」
「プロデューサーさんのたくましいおチ○ポが、私の胸の中ですごく熱くなってます……」

 女性陣はそれぞれ顔面騎乗で腰と、パイズリで胸を盛んに律動させてさらなる悦に浸っている。

 まったく、ヒトの気も知らないでのんきなものだ。

 ──でも……。

 2人の気持ち良さそうな顔を見ている内に、ワタシの胸の鼓動がさらに速度を増してゆく。

 じゅく……

 その時、ワタシのアソコがうずく。

 ──こんな時に、ワタシってば……。

 ヘンだと思った。だけど、興奮はやがて全身を包みこみ、ワタシの腕は自然と下半身へ伸びてゆく。
 そして両手をパンツの下へと潜りこませる。

 膣壁そこはすでに潤いを帯びていた。
 ワタシは陰唇を押し広げて指を膣口へと挿入する。

 ──ワタシ、スゴくHだ……。

 他人の情事を盗み見ながら自慰にふけるなんて、我ながらどうかと思う。

 ──そもそも社長さんたちがあんなことしてるのがいけないんだ!

 ワタシはそう理由づけてこの行為を続けることにした。

「はぁン、気持ちイイよぉ、マサオミぃ! もっとかき回してえぇぇぇッッッ!!」

 社長さんは自分のおっぱいを激しくもみしだいて愛撫しながら、絶頂フィニッシュに向けて腰の動きをより一層早め、

「私の方が攻めてるはずなのに……私のおっぱい、プロデューサーのおチ○ポに犯されてる……。すごく感じちゃってますうぅぅぅッッッ!!」

 謎の巨乳女性もその立派なバストをより一層激しく揉みしだく。

「あン、あン、あぅンッッッ!!」
「はぁ、はぁ、はぁンッッッ!!」

 嬌声のハーモニーはより淫らに、高らかに室内に響き渡る。

 ──ああ、スゴい……気持ちイイッッッ!!

 ワタシも膣内に埋めた2本の指をさらに早く、より深く動かしてゆく。

 そして──

「アタシ、もうイきそう……イク……イクうぅぅぅぅぅぅぅぅッッッ!!!!」
「私も、ダメ……イっちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅッッッ!!!!」

 2人は同時に絶頂を迎える。

 ──ああ……い、イクうぅぅぅぅぅぅぅぅッッッ!!!!

 ワタシも少し遅れて絶頂に達する。

 膣からあふれ出した粘性の分泌液がワタシの手にべっとりとまとわりつく。

 スゴく気持ち良くて、ワタシはそのまま余韻に浸っていた。

「ああ、気持ち良かった……。さて、さくらくんが来る前に体を軽く洗っておくか」
「そうですね。こんなところ見たらきっとびっくりして──」

 びっくりしたのは彼女たちの方だった──

 おそらくシャワー室に向かうところだったのだろう。
 そこに、デスクの陰で恥ずかしい姿を晒して放心しているワタシがいたのだから……。

「……イヤあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!」

 ワタシは顔を真っ赤に染めて絶叫したのだった。
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