迷宮入り片想い

村井 彰

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迷宮入り片想い

3話 真実はいつもひとつだけ?

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  藤堂の依頼を受けた怒涛のような一日を終えて、それから三日が過ぎた昼下がり。花峰は事務所の奥にある自室でひとり、椅子の上で膝を抱えていた。今日は美亜も休みなので、事務所には花峰以外誰もいない。しかし、ヘッドホンを着けた花峰の耳には、底抜けに明るい女性の声が賑やかに響いていた。
「やーほんま、黒くんと喋るん久しぶりやわぁ。なあビデオ通話にせえへん? どうせやったらイケメンの顔見て喋りたいわ」
「勘弁してよ、今僕寝起きだし」
  勢い良く捲し立てる女性の声に、花峰は少し苦笑する。『黒くん』というのは、花峰がネット上で使用している名前だ。学生時代にハマっていたオンラインゲームで、花峰が使用していたキャラクターが黒ずくめだったために付いたあだ名が、そのまま定着したものだった。
「それよりごめんね、さん。久しぶりなのに面倒なこと頼んじゃって」
  そして花峰が現在通話している『めめ』という女性は、ネット上で知り合った、花峰にとっては貴重なオタク友達だった。三十代の女性で、結婚して子供がひとりいて、大阪のどこかに住んでいる。もう五年以上の付き合いになるが、彼女について花峰が知っている事はそれだけ。住所も本名も知らないし、実際に会ったこともない。けれど、友達になるのにそんな情報は何一つ必要ないのだと言うことを、花峰はめめとの付き合いで学んだ。
「いややわぁ、そんな改まって。あたしと黒くんの仲やん。別に面倒でもなかったし」
  そう言って、めめがケラケラと笑う。気分が落ち込みがちな時、彼女のこの陽気な笑い声に、何度も元気を貰ってきた。
「ありがとね、めめさん。……それで、どうだった? 例の“しおりん。”さんのこと」
  少しだけ声のトーンを下げて、めめにそう訊ねる。そう。今回めめに通話をかけたのは、旧交を温めるためだけじゃない。彼女には、先日藤堂に依頼された杉浦の捜索を手伝って貰っていたのだ。
「そのことな……結論から言うと、黒くんが探してる『杉浦さん』で間違いなかったわ。聞いてた特徴と全部一致したし、なによりカフェの予約確認の時、こっそり名前見たから確実」
「そっか……!」
  めめに告げられた報告に、思わずヘッドホンのコードを握りしめる。“しおりん。”こと杉浦が、現在大阪で行われているアイプリのコンセプトカフェへ一緒に参加してくれる人……いわゆる『同行者』を募集していたのに目をつけて、それを利用して探りを入れてくれるよう、めめに頼んでいたのだった。その手のカフェイベントは大抵が完全予約制で、入店時に身分証の提示を求められる事が多いため、もしやと思っていたのだが、やはりめめは上手くやってくれたようだ。
「それでなぁ……前もっていろいろやり取りしてたから、結構打ち解けてくれててな。当日もだいぶプライベートな事まで教えてくれてんけど」
「ほんと?! 相変わらずコミュ力すごいね、めめさん……」
  花峰が感心してため息を洩らすと、めめが愉快そうに笑った。
「そらもう、これだけが取り柄やからね。……それでな、しおりんちゃん言うてたんやけど、『十日くらい前までフリーターしてたんだけど、その時に働いてたバイト先の店長がなんかヤバげな感じで、慌てて地元に逃げて来た。こっちでちゃんと就職して、これからは真面目に働く』って」
「ヤバげ……って、どういう感じで……?」
  マスターが杉浦さんのストーカーで、それに気づいて逃げ出した杉浦さんを探してる。美亜の推察が脳裏を過ぎって、急速に喉が乾いてきた。けれど、続くめめの言葉は、花峰の予想とはまるで違っていた。
「なんかなぁ、しおりんちゃんが休みの日に忘れ物取りに店に行ったらな? 店長がヤバそうな人らと喋ってるとこ見てしまったんやって。明らかにカタギと違うやろっていう雰囲気の男が二人、店長に詰め寄る感じで『アニキ!』『助けてください!』言うて。あ、ここヤクザの店なんやって思ったら、もう出勤するの怖なってもうて、そのまま逃げたんやって」
「え……」
  嫌な色のピースが、次々に揃っていくのを感じる。藤堂のことを知っているふうだった柄の悪い男。藤堂が持ち帰ったアタッシュケースの中身。そして藤堂が入っていった場所……ラブホテルといえば、施設自体の機密性の高さから、フィクションの世界において、恋人同士が愛し合うのと同じくらいよく目にする用途がある。
  すなわち、裏社会の人間による、闇取引だ。
「……っ」
  知らず、唇を噛み締めていた。自分は知るべきではないような事を探り出そうとしているんじゃないだろうか。もしかしたら、不倫野郎だと思われているままの方がマシなのかもしれない。
「黒くん? 大丈夫?」
  めめの心配そうな声に、ハッと我に返る。
「あ、ごめんね、大丈夫。……めめさん、今回はほんとにありがとう。何かお礼しなきゃだけど……アイプリの舞台のチケットとかどうかな? 大阪公演のSS席で」
  誤魔化すように早口で言葉を重ねる。めめは何か言いたげだったが、特に何も聞かずに軽く笑った。
「んー……それも嬉しいけど、黒くん久々にコスプレやってくれへん? アイプリの槇人とか。黒くんスタイル良いし、絶対似合うと思うねんなあ。イケメンのコスプレ見たいわあ」
  おどけた調子の声に、元気づけられているのだと分かった。だから花峰も、できる限り明るい声で答える。
「もう顔出しはやらないって言ったでしょ。前やってた時、実家にバレて大変な事になったんだから」
「あー、黒くん良いとこのお坊ちゃんやもんなあ……大企業の社長令息が人気コスプレイヤーって、話題性あっていいと思うんやけど」
「まあウチの両親は、あんまそういうの理解ない人たちだから……」
  いい歳をした大人がアニメやゲームのキャラクターを真似て喜んでいる光景は、花峰の両親からすれば、到底理解し難い恥ずかしいものだったらしい。コスプレの件がバレて以来、実家には一度も帰っていないが、どうせ会社の方は、いずれ妹が継ぐのだろう。だから花峰は花峰で、ひとりで好きなことをして生きると決意したのだ。
「残念やけどしゃあないなぁ……気が向いたら、あたしにだけこっそり見せてな?」
「……うん、わかった」
  いたずらっぽく言うめめに、少し微笑んで答えた花峰は、それからいくつか言葉を交わして通話を切った。
  小さく息を吐いて、外したヘッドホンを机の上に置く。めめと話したおかげで元気は出たけれど、気がかりな事もたくさんある。
  もう、藤堂には関わらない方がいいのかもしれない。依頼された通り、杉浦の行方について分かったことだけを伝えて、それで二度とあの店に寄り付かなければ全てが終わる。職場が同じ建物の中にあると言っても、もともと引きこもりのような生活をしている花峰と、忙しく働いている藤堂では、顔をあわせることすらほぼ無くなるだろう。そうだ。だから、そうやって全部忘れてしまえば……
「……なんて、そんなの無理だよなぁ」
  俯いていた顔をあげて、花峰は背もたれに体を預けた。忘れる? そんなこと出来るわけが無い。
  だって、あの人のこと、まだこんなに好きなのに。
  花峰は椅子から降りて、パジャマ代わりにしているTシャツを脱ぎ捨てた。そして大股にクローゼットへ向かい、いつものスーツを取り出す。
  どんなに不穏な噂を聞いたって、どんなに危ない目にあったって、この気持ちは全く色褪せないままでいる。このまま知らんぷりなんて出来るはずがない。……だったら、自分の目で確かめるだけだ。藤堂が何者なのか、何をしようとしているのか。
「……よし」
  クローゼットの鏡に映した自分の顔を睨みつけて、頬を軽く叩いた。まずは出来ることから始めよう。

  *

  翌日の午前九時。花峰はいつものスーツをいつも以上にきっちり着こなして、朝の街を歩いていた。
  藤堂からの依頼の件は、昨日のうちに本人に調査結果を伝えておいた。木下からの浮気調査依頼の方も、美亜が報告書を送っておいてくれたので、今現在抱えている仕事はない。だから花峰がこうして出歩いているのは、全て自分のためだった。
「ここが藤堂さんのお家かぁ……」
  小さく呟いて、花峰は目の前に建つ古いアパートを見上げた。静かな住宅街の中にある、小さな神社。そのすぐ隣で、鎮守の森の影に潜むようにして、そのアパートは建っていた。
  『禄命荘ろくめいそう』という表札が出ている建物の、二階の一番奥。そこが藤堂の暮らす場所だ。なぜ花峰がそんなことを知っているのかと言えば、昨晩店を閉めて帰宅する藤堂の後をつけて確認したからである。いろいろな事に必死になるあまり、自分自身が完全なストーカーへと成り果てていることに、花峰はまるで気づいていない。
「……さて」
  花峰は悪びれもせずに、首を捻って周囲を見回した。藤堂は今頃店で開店準備をしているはずだから、夜まで鉢合わせる心配はない。時間にはまだ余裕があった。
  藤堂が住むアパートに一旦背を向けて、花峰は閑静な住宅街の中を歩き始めた。花峰が知っている藤堂は、喫茶店のマスターである藤堂だけ。だから今は、プライベートな藤堂について知っている人に話を聞く必要があった。できればなるべく話し好きそうな人がいい。ご近所の噂話に詳しくて、暇を持て余していそうな……
  アパートから数分歩いた場所にある民家のそばで、花峰は少し歩みをゆるめた。同じような形の建売住宅が並ぶ脇道で、立ち話をしている年配のご婦人が二人。一人は玄関前に並べた植木鉢の手入れを、もう一人は飼い犬を散歩させている途中のようだ。ちょうどいい。まずはあの二人に声をかけてみよう。
「あのー、すみません。ちょっとお訊ねしたいんですが」
  不安げな表情を浮かべ、いかにも道に迷っていますというふうを装って、ご婦人方に声をかける。二人は同時にこちらを振り返って、少し首を傾げた。足元の白いマルチーズまで同じ表情をしている。
「あの、この辺りに藤堂さんというお宅はありませんか? 道に迷ってしまって……」
  花峰が途方に暮れたような吐息を洩らすと、ご婦人たちは「あらあら」「それは大変ね」などと言いながら、花峰の方に自ら寄って来てくれる。こういう時だけは、人に警戒されにくい見た目に産まれて良かったなと思う。
「とうどうさん……どこのお家だったかしら」
「植物の藤に、御堂の堂と書く藤堂さんなんですけど……」
「ああ、あそこじゃないの? ほら神社の横の」
  親切なご婦人たちは、花峰が取り出したスマホの地図を指さしながら、代わる代わる丁寧に道順を説明してくれる。
「……で、そこのアパートのはずよ」
「ああ……ありがとうございます。助かりました」
  ホッと息を吐いて、それから花峰は少し声を潜めた。
「あの、藤堂さんって、どんな方なのかご存知ですか?」
  唐突とも言える花峰の問いに、ご婦人方がやや怪訝な顔をする。それを見た花峰は、相手に疑問を口にさせないうちに、さらに言葉を重ねた。
「じ、実は僕、食品の販売員をしてるんですけど、以前藤堂さんにご購入いただいた商品に不備があって、そのお詫びに向かわないといけないんです。……けど、その、怖そうな人だったらどうしよう、と思ってしまって……」
  いかにも頼りなさげで気の弱そうな、若手社員の雰囲気を装って言う。装うというより、かつて会社員をやっていた頃の花峰そのままだった。
  実感のこもった演技のおかげか、ご婦人方に花峰を疑う様子はなく、それどころか「あら可哀想に」「そういえば、藤堂さんって喫茶店やってたわね」などと勝手に納得してくれている。
「うーん……脅かす訳じゃないんだけど、藤堂さんって、ちょっと良くない噂あるわよね」
「そうねぇ、藤堂さんご自身は良い方なんだけどねぇ。……ほら、奥さんの件がね」
「…………奥さん?」
  一瞬何を言われているのか理解できず、素の花峰がオウム返しに訊ねた。奥さん? 奥さんってなんだ。誰の奥さんだ。
  固まる花峰にも気づかず、ご婦人方は声を潜めてなんだか楽しそうだ。
「五年くらい前まで、藤堂さんあそこにご夫婦で住んでたのよ」
「そうそう、おっとりして上品そうな奥さんでね。すごく仲良さそうだったわ」
  そう言うご婦人たちの会話も、花峰の耳にはほとんど入ってこない。ご夫婦だって……? 藤堂さん、結婚してたのか。ここに来て突然知らされる推しの結婚。あまりにも辛すぎる。
「……あれ? でも五年前って」
  ご婦人のひとりが言った言葉に引っ掛かりを覚えて首を傾げる。その呟きにすかさず反応して、犬を連れている方のご婦人がさらに声のトーンを落とした。
「そうよ。五年前、藤堂さんがご夫婦でここに越してきた少し後くらいにね、この辺りを柄のよくないお兄さん達がしょっちゅうウロウロしてた時があってね。その人達、どうやらご主人の知り合いだったみたいなのよ」
「そうそう、アパートに頻繁に出入りしてたみたいで、大家さん困ってたものね」
  ご婦人たちが目を合わせて頷き合う。
  まただ。もう何度も耳にした、素行の良くない男たちと藤堂の関係。……もう、認めざるを得ないのかもしれない。
「……それで、どうなったんですか?」
  掠れた声で花峰が訊ねる。
「どうっていうか……そうやって悪そうな男たちが出入りするようになったしばらく後に、いなくなっちゃったのよ、奥さん」
「い、なくなっちゃったって」
「そのまんまの意味よ。いつの間にか姿が見えなくなってて、それからの藤堂さんのご主人、かなり荒れてる様子だったわ。例の男たちと何か揉めてる雰囲気もあって、その男たちが来なくなった後も、『奥さんどうしたんですか』なんて、到底聞ける感じじゃなかったの」
  次々に明かされていく藤堂の過去に、花峰は息が詰まるような思いだった。結婚していたことがあって、でもその相手は、今はもういなくて。……その事に、裏社会の人間が関わってるかもしれない。もしかしたら、藤堂自身が……
「ちょっとお兄さん、大丈夫?」
  心配そうに顔を覗き込んでくるご婦人の言葉に、花峰はハッと我に返った。よほど酷い顔をしていたのだろう。ご婦人が連れているマルチーズが、花峰を慰めるように足元へ擦り寄ってきた。
「す、すみません。大丈夫です」
  気恥ずかしくなった花峰が、慌てて表情を取り繕うと、ご婦人たちがお互いの顔を見合わせた。
「いえ……こちらこそ、ごめんなさいね? なんだか脅かすような事ばかり言っちゃって」
「いろいろ言ったけれど、全部昔の話だからね? 今の藤堂さんはちゃんとした人よ。すれ違ったら、いつもきちんと挨拶してくれるし」
「そうそう、お店も評判良いみたいだし」
  口々に言い合いながら、必死にフォローしてくれる。そうだ。これはあくまで昔の藤堂の話だ。大事なのは、今の彼が、何を考えどう行動しているのかということだ。
「すみません、大丈夫です。いろいろ教えていただいて、ありがとうございました」
  心の底からの感謝を込めて、花峰が頭を下げると、ご婦人たちは「いいのよ」「変な話しちゃってごめんね」と明るく言ってくれる。親切なご婦人たちにもう一度頭を下げて、花峰はその場を後にした。ここを訪れた時よりも、気持ちはずっとずっと急いている。
  知りたい。もっと、今の藤堂さんのこと。

  それからも花峰は地道に聞き取りを続けたが、噂話程度に聞けるのは、似たり寄ったりな情報だけだった。藤堂双樹そうじゅ、三十三歳。五年前に結婚していたことがあって、今現在はひとり暮らし。あの喫茶店は、元々奥さんの店だったらしい。今日一日で分かったのはそれだけだ。
  藤堂が帰宅する頃合いに捜査を切り上げ、花峰は事務所に帰った。しかし、自室のベッドに横になりながらも、頭の中は今日得た情報を整理するのに必死だった。
  藤堂の店が、元々は奥さんの物だったなんて。それを受け継いで今も経営を続けているのだから、きっと藤堂にとってとても大切な人だったのだろう。そしてその人がいなくなったのには、何度も話題に出てくる『柄の悪い男たち』が関わっているとみて間違いなさそうだ。だとしたら、先日のラブホテルの件で、藤堂と男たちが対立している様子だったことにも納得がいってしまう。
  復讐、なのだろうか。大切な人を亡くした事への。
  もちろん、真実がどうなのかは分からない。けれど、集まったそれらのピースが描く形は、あまりにも残酷な色をしていた。
「藤堂さん……」
  ベッドの中で寝返りを打って、小さく呟く。
  藤堂の事を、もっと知りたいと思った。だけど、これ以上調べ続けていいのだろうか。何をしたって、彼の大切な物はきっと戻ってこないし、その隙間に自分が立ち入ることだって、きっと出来やしないのに。
  自らの吐き出したため息が、夜の空気に混じりあっていく音を聴きながら、花峰はいつしか眠りに落ちていた。
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