山神様と身代わりの花嫁

村井 彰

文字の大きさ
上 下
7 / 12

7話 変わり者の家

しおりを挟む
  十年という時の流れが、どれほど重いものなのか。なんとなく想像することは出来るが、十八年しか生きた実感がない汐季にとっては、肌身をもって理解するのは難しい時間でもあった。
「……それじゃあ、あの山のお社は、ずっとお嬢さんが手入れしてくださっていたんですね」
「そんなに大したことはしてないよ。時々草を抜いて、お社の掃除をして……本当はきちんと修理したかったんだけど、下手に釘でも打ったらそこから崩れそうだったから」
  慣れた足取りで山道を下りながら、沙恵はそう言って肩をすくめた。だが、こんなにも山深い道を女の足で歩くだけでも、ずいぶん大変だったはずだ。それでも沙恵がここに通い続けた理由は、汐季にも想像がつく。
  十年前、汐季が最後に姿を消した場所だから……汐季が、沙恵の代わりに嫁いだ“山神様”がまつられている場所だから。だから沙恵は、十年経った今も、こうして欠かさずに通い続けてくれたのだろう。
  汐季が螢花の元で過ごした半月と、沙恵が生きた十年。すっかり大人びて、どこか疲れたような彼女の横顔に、取り戻せない時間の重みを感じて、ひどく苦しくなった。沙恵は確かに隣を歩いているのに、遠い所へ行ってしまったような……いや、遠い所へ行ったのは、きっと自分の方なのだ。
「……自分でも、夢を見ていたような気がするんです。あのお社は、こことは全然違う場所へ繋がっていて、いろんな人がそこで暮らしていて……みんな、優しい人ばかりでした。山神様も……」
  温かくて、優しくて、本当に夢のような世界だった。けれど夢ではなかった証拠は、確かにある。螢花から貰った蝶の簪が、今も汐季の髪を彩っているのだから。
「……だけど、いろいろあって、ここへ戻ってくることになって……俺が無事に帰ってこられたのは、きっとお嬢さんのおかげですね。お嬢さんが、ずっとお社を守っていてくれたからです」
「……あのさ、その“お嬢さん”ってのは、もうやめてくれない? 見ての通り、私はもうおばさんだし、なんでか分からないけどあんたは若いままだし……なのに、そんなあんたにお嬢さんなんて呼ばれるのは、居心地が悪いわ」
「そんな……お嬢さんは今でも、綺麗なお嬢さんのままですよ」
  心の底からの言葉のつもりだったが、沙恵は寂しそうに笑っただけだった。
「ほんとに何も変わってない、あの頃の優しい汐季のままだね。……私の方は、この十年で随分変わっちゃったよ。五年くらい前に、旦那様から離縁を言い渡されて、村に帰ってきたは良いけど、その次の年に父さんも亡くなって、家族って言える人は誰一人いなくなっちゃった」
「離縁? どうして……」
「子供が出来なかったの。お店の若女将としてがんばったつもりだったけど、跡取りが産めない女はいらないってさ」
「そんな……」
  それ以上、うまく言葉が出なかった。沙恵のことだから、きっと向こうの家の人たちにも、愛されて大切にされているだろうと、そう信じて疑っていなかった。汐季が螢花のお屋敷で、優しくされてぬくぬくと暮らしている間に、沙恵はどんな思いで生き抜いてきたのだろう。
「あんたがそんな顔することないでしょ。別に悪いことばっかりでもないよ。産まれた村で、自分が食べる分の野菜だけ作って暮らすのも、気楽で良いものだし……それに、完全にひとりっきりって訳でもないからさ」
  沙恵がそう言った時、ちょうどふもとに辿り着いた二人の前に、見知らぬ人影が現れた。
「沙恵さん! 誰ですかその人は!」
  肩を怒らせてやって来たのは、一人の若い女だった。年は二十歳はたち過ぎくらいだろうか。すらりと背が高くて、手足も長い。化粧っ気はないが、綺麗にまとめた髪は艶やかで、決して見た目に気を使わない人では無いことが分かる。
  そんな少々気が強そうな女性の姿を見た途端、沙恵は嬉しそうに顔を綻ばせた。
結子ゆいこ! 聞いてよ、汐季が帰ってきたのよ!」
「汐季……? 沙恵さんがいつもおっしゃってる、神隠しにあったという幼なじみの方のことですか? だとしたらおかしいでしょう。その方、どう見ても沙恵さんと同い年には見えませんわ」
「それは、なんでか私にも分からないけど……とにかく、どれだけ時間が経っても、忘れたり間違えたりする訳ない。汐季が帰ってきたの。あの頃の姿のままで」
「そんな、まさか……」
  ありえない、と言いたげに首を振って、結子と呼ばれたその女性は汐季を厳しく睨みつける。明らかに敵意のこもった眼差しに萎縮して、汐季は無意識のうちに沙恵の後ろに下がった。
「あの、お嬢……沙恵さん、こちらの方は……」
「ああ、この子は結子って言って、私の嫁ぎ先の女中だった子だよ。それなのに、私が離縁を言い渡された時、わざわざ自分も家を出て着いてきた、とんでもない物好きなの」
  そう言って沙恵が肩をすくめたので、結子は少しムッとしたようだった。
「だってあんまりじゃありませんか。お店のために誰よりも尽くしてきたのは沙恵さんなのに、子どもが出来なかったからと言って放り出すなんて……」
「はいはい、だから心配してここまで着いてきてくれたんでしょ。ありがとうね」
  適当な調子であしらってはいるが、結子と話す沙恵の表情はとても優しい。汐季が知らない人と親しげに話す沙恵の姿に少し寂しさを覚えたが、同時に安心もした。優しくしてくれる人との出会いが、沙恵にもちゃんとあったのだ。
「まあそういう訳で、今は結子と二人でのんびり暮らしてるの。嫁入り前の女の子が、こんな田舎に好き好んで住むことないって、何回も止めたんだけどね」
「……私は、結婚なんて興味ありませんから」
「そうそう。ずっとこの調子なんだから困っちゃうわ。こんな美人さんがもったいないったら。……そうだ。ねえ汐季、今日からあんたもまた、うちに住めば良いよ。結子と二人っきりで、部屋はたくさん余ってるから」
「ちょっと待ってください沙恵さん! いくら沙恵さんの幼なじみだからって、男の人とひとつ屋根の下で暮らすだなんて……」
「大丈夫よ。汐季は兄弟みたいなもんなんだから。ねえ」
  そう問いかける沙恵は、汐季の返事を待たずに手を取って、そのまま楽しげに駆け出した。
「あっ、ちょっと沙恵さん!」
  後ろから結子の焦った声が聞こえるが、沙恵が足を止める気配はない。なんだか、子供の頃に戻ったみたいだ。
  沙恵に手を引かれながら視線を上げてみれば、そこに広がっているのは、汐季が育ってきた、変わらない村の風景だった。汐季にとっては、ほんの半月離れただけの事なのに、なぜか泣きたくなるくらいに懐かしい。
  良い思い出ばかりの場所じゃない。それでも、ここへ帰ってきたんだと、そう思えた。


  *


  そうして、沙恵と手を繋いだまま村の中に足を踏み入れた汐季だったが、やはり間近で目にすると、細かな変化を肌で感じた。
  ついこの間まで畑があった場所はただの草むらになり、家があった場所は更地になっている。そして何より、以前と比べると、明らかに人の気配が減っていた。皆どこかへ行ってしまったのか。あるいは、汐季がいた頃からこの村は年寄りばかりだったから、もう……
「ここもずいぶん寂れたでしょ。私と結子以外はもう年寄りしかいないから、仕方ないね」
  汐季の心を読んだかのように言った沙恵の口調は、ひどくあっけらかんとしていた。
「……寂しくないんですか。産まれ育った村なのに」
「関係ないよ、そんなこと。確かにここは産まれた場所だけど、私はこの村のこと、あんまり好きじゃないし」
  少しだけその横顔を曇らせて、沙恵は汐季の顔を見上げた。
「あのね、汐季。私、あんたに謝らないといけないことが、たくさんあるの」
「沙恵さんが、俺に……?」
「そう。あんたが私の身代わりにさせられた事はもちろんだけど、そもそもあんたが父さんに拾われた事も……」
「う、うわああああっ!!」
  沙恵の言葉を遮るような老人の悲鳴が響き、二人はぎくりと身を強ばらせた。叫び声の方に目を向けてみれば、見覚えのある、しかし記憶の中よりも更に年をとった老人が、腰を抜かして地面に尻もちをついていた。
「あ、あの、大丈夫ですか」
「ひぃっ! く、来るな!」
  汐季が差し伸べようとした手を振り払って、老人はなおもガタガタと震えている。
「な、なんで今になって……わしらを恨んでいるのか? あれは村長が勝手にやったことだ。村長はもう死んだんだ。儂は何も知らん……何も悪くない……頼む、成仏してくれ……」
「あ……」
  そうだ、汐季はここでは死んだと思われていたはずだ。それが十年前と全く変わらない姿のままで突然現れたとなれば、幽霊だと思われても仕方がない。
「……汐季、行きましょ」
  震える老人の前で立ち尽くす汐季の手を取り、少し離れた場所で気まずそうに立っていた結子の背中を押して、沙恵は足早に村の高台へと向かった。そこに、かつての村長の家がある。
「あの……俺と一緒にいたら、沙恵さん達まで変なふうに見られてしまうんじゃ」
「そんなの今さらですよ。血の繋がりもない女が二人きりで暮らしてるというだけで、既におかしな目で見られています」
「嫁ぎ先から出戻って来たってだけでも、腫れ物扱いだからね。良いじゃない、変わり者の女の家に、幽霊が加わったって」
  汐季の弱気な態度を吹き飛ばすような強気な調子で、沙恵は笑ったのだった。


  村長の家は、汐季の記憶にあるままの形をしていた。とはいえ、螢花の屋敷で暮らしてきた今の汐季にとっては、ずいぶん小さく感じられたのもまた事実だった。幼い汐季にとっては御殿のような場所だったけれど、所詮は貧しい村の中のこと。その長の家と言ってもたかが知れている。
「いろいろあって疲れたでしょ。今お茶淹れてくるから、ちょっと待っててね」
  汐季の手を引いたまま客間に向かった沙恵は、ぺったりした座布団に二人を座らせ、自分は立ったままでそう言った。
「沙恵さん、俺がやりますから」
「いいからいいから。久々なんだから、このくらいやらせてよ」
  腰を浮かそうとする汐季を制止して、沙恵はスタスタと部屋を出ていってしまった。後に残されたのは、どことなく尖った空気を放つ結子と、ちゃぶ台を挟んだ向かい側で、所在なく身を縮める汐季の二人だけだ。
「……あなた、汐季さん? ひとつお訊ねしてもよろしいかしら」
「は、はい」
  不機嫌な態度を隠そうともしない結子に、刺々しい口調で訊ねられて、汐季はこくこくと頷いた。そんな汐季をじろりと睨んで、結子は「フン」と鼻を鳴らした。
「ねえあなた、どうして今になって戻ってきたんですか? ……沙恵さんは、私が初めてお会いした日から、ずっとあなたに捕われているようでした。自分のせいで死なせてしまった幼なじみがいると言って、悩んで、苦しんで……だけど、長い時間が経って、ようやく吹っ切れてきたようだったんです。それなのに、今さらになって何食わぬ顔で帰ってくるなんて……それに、そもそも、あなた本当に“汐季さん”なんですか? だとしたらその姿はなんなんですか。人形の肉でも召し上がったの?」
  息を吐く暇もないほど、次々に厳しい言葉をぶつけられて、汐季は何も言い返すことが出来なかった。強い言葉は苦手だ。向けられた言葉が形を持って喉の奥を塞いでいくようで、話すどころか呼吸をすることさえ上手く出来なくなる。
  何も言えずに俯くことしか出来ない汐季を軽蔑するように見つめて、結子は苛立たしげにちゃぶ台に手をついた。
「さっきから見ていれば、男のくせにうじうじしてみっともない……だいたい何ですか、その簪。堂々と女物を身につけるなんて、恥ずかしいと思いませんの」
  早口でまくし立てながら、結子は身を乗り出して汐季の髪に触れ、止める間もなく、螢花にもらった簪を抜き取ってしまった。
  その瞬間。結っていた髪がほどけ、ばさりと肩の上に落ちた時、汐季の中で何かが爆発した。
「……してください」
「え?」
「返してください! それは大切な方にいただいた物です!」
  汐季がいきなり大声を上げたことに驚いたのか、結子がぎょっとして動きを止める。するとちょうどその時、三人分の湯呑みを盆に乗せた沙恵が帰ってきて、二人の尋常ではない様子に目を丸くした。
「何してるのあんたたち……ちょっと、結子! それ汐季が着けてた物でしょう?! 返しなさい!」
「……っ、別に盗ろうなんて思ってませんわ」
  沙恵に叱られたことが堪えたのか、結子は気まずそうな顔で汐季の手に簪を押し付け、沙恵と入れ替わるように部屋を飛び出していってしまった。
「あ、ちょっと結子! …………はあ、ごめんね汐季。悪い子じゃないんだけど、今日は虫の居所が良くないみたい。あとで叱っておくから」
「いえ……大丈夫です」
  簪を握ったまま、汐季はまた俯いた。そんな汐季を見つめて、沙恵は優しく笑う。
「あんたが怒ってるところなんて初めて見たわ。子供の頃から一緒にいたのにね」
「す、すみません」
「責めてる訳じゃないよ。よっぽど大切な物なんだね」
「……はい」
  こくりと頷いた汐季を見て、沙恵はまた笑った。けれど今度は、なぜか少し寂しそうな笑顔だった。
「それ、貸して。結い直してあげる」
  行き場のなくなった三つ目の湯呑みをちゃぶ台に置いて、沙恵が手を差し伸べてくる。指先にひびやあかぎれの痕が残るその手は、懸命に働く女性の手だった。
「……お願いします」
  お嬢さんに髪を結わせるなんて、本来なら断るべきなのだろう。だけど今は、沙恵の気持ちを素直に受け取りたいと思った。
「よし、任せなさい」
  おどけたように笑って簪を受け取ると、沙恵は汐季の背後に回って、下ろした髪にそっと触れた。
「あんた髪きれいねえ……嫉妬しちゃうわ」
「向こうでずいぶん良い暮らしをさせていただいたので、そのおかげです」
「向こう、か。……ねえ、山神様って本当にいたの?」
「はい……信じてもらえないかも知れませんが」
「信じるよ。そうじゃなきゃ、あんたが年も取らずに帰ってきたことに説明がつかないもの」
  汐季の髪を手櫛てぐしきながら、沙恵は静かに笑う。
「この簪も、山神様にもらったの?」
「ええ……俺に似合うだろうと言って、わざわざ選んでくださったんです」
  螢花が簪を差し出してくれた時のことを思い出して、胸がぎゅっと苦しくなる。今さっき、汐季はこの簪を「大切な方にいただいた物」だと言った。考える前に、自然と口をついて出た言葉だった。いつもいつも、大切な思いに気づくのは、もう会えなくなった後だ。
「あの山にはちゃんと、優しい神様がいたんだね。私はてっきり、あんたはあの化け物に食べられてしまったんだと思ってたから……本当に、良かった」
「……待ってください。お嬢さんは、山神様のことを覚えているんですか?」
  沙恵の父親と螢花が約束を交わした日、沙恵はまだ幼い赤ん坊だったはずだ。驚いて問いかけた汐季の背後で、髪に触れる沙恵の手が、わずかに強ばったのを感じた。
「そうだった、さっき話しそびれたことを、きちんと話さないといけないね。と言っても、私自身も父さんが亡くなる直前に聞かされるまで知らなかった話ばかりだけど……どこから話せばいいのか……」
  逡巡するように手を止めたかと思うと、少しの間をおいて、沙恵は何かを決意するように、短く息を吸った。
「あのね汐季、よく聞いて。……あんたは、本当は捨て子なんかじゃないの。村長が……私の父親が、よそから盗んできた子なのよ」
  その言葉を聞いた瞬間、己の鼓動さえもが止まってしまったような錯覚に陥った。何も言えない汐季の耳に、遥か遠くを飛んで行く鳶の声だけが、どこまでも、高く高く響く。
  幼かった頃の記憶と、日に焼けてせた畳の色が交錯して、酷い眩暈めまいがした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】

リトルグラス
BL
 人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。  転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。  しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。  ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す── ***  第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20) **

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 俺の死亡フラグは完全に回避された! ・・・と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ラブコメが描きたかったので書きました。

大好きな幼馴染は僕の親友が欲しい

月夜の晩に
BL
平凡なオメガ、飛鳥。 ずっと片想いしてきたアルファの幼馴染・慶太は、飛鳥の親友・咲也が好きで・・。 それぞれの片想いの行方は? ◆メルマガ https://tsukiyo-novel.com/2022/02/26/magazine/

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

同室の奴が俺好みだったので喰おうと思ったら逆に俺が喰われた…泣

彩ノ華
BL
高校から寮生活をすることになった主人公(チャラ男)が同室の子(めちゃ美人)を喰べようとしたら逆に喰われた話。 主人公は見た目チャラ男で中身陰キャ童貞。 とにかくはやく童貞卒業したい ゲイではないけどこいつなら余裕で抱ける♡…ってなって手を出そうとします。 美人攻め×偽チャラ男受け *←エロいのにはこれをつけます

悪役令息なのでBLはしたくないんですけど!?

餅粉
BL
大学生だった天城陵は飲み会で酔い潰れ、気がついたら妹がプレイしていたBLゲームの悪役令息ルーカスになっていた。悪役令息なのでBL展開はないなと油断しているうちに攻略対象であり婚約者であったロシェスにいつの間にか溺愛されていた!? 「あれ,俺確かロシェスに婚約破棄され殺されるのではなかったか?」 ※攻略対象はロシェス含め四人の予定 学生ですので投稿が不定期です。 色々と書き直し中で7〜32非公開にしています。

楽な片恋

藍川 東
BL
 蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。  ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。  それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……  早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。  ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。  平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。  高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。  優一朗のひとことさえなければ…………

処理中です...