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ウィル、覚醒
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ババア二人と共に、ウィルは大迷宮へと侵入する。
ハンターギルドは閑古鳥であることが多いものの、大迷宮はいつだって盛況だ。入り口近くでゴブリンを相手にしている新人ハンターだったり、奥へ向かうために蹴散らして進む熟練パーティだったり、その種類は様々だが。
そしてウィルは、ヒルデガルトの先導に従って、大迷宮の奥へと進んでいた。
「さて、このあたりでいいかね」
「ここ、すか?」
「ああ。このあたりは、暫定的に第四地点って呼ばれてる。お前さんがオーガーに襲われて死にそうになっていたのは、この向こうにある第五地点だ」
「うす……」
思い出したくない記憶が、蘇ってくる。
入り口のゴブリンやコボルトなどを相手にしながら、「大迷宮なんて余裕だぜっ!」と調子に乗って奥へ進んだウィルを待っていた、オーガーの群れ。故郷では、警備隊の全員でどうにか一匹を相手にすることができる強さを持つオーガーが、まさか群れで襲ってくるとは思っていなかった。
死にそうになりながら這々の体で逃げ、どうにかヒルデガルトに救われた――その記憶は、まだ新しい。
「ま、この辺なら他にハンターもいないだろ。んじゃまず、シャロン」
「はい?」
「ちょいと、周りを警戒しといてくれ。一応脅しはかけてるが、中には向こう見ずな奴もいるからね」
「ええ」
ヒルデガルトの言葉に、特に突っ込むこともなく頷くシャロン。
脅しをかけてるとか、正直意味が分からないのだが。恐らく以前に第一階層をひたすらに進んだとき、闘気を放って魔物を寄せ付けないとかそう言っていたことだろうか。
そして何をすればいいのか分からず、立ち尽くすウィル――その正面に、ヒルデガルトが立った。
「そんじゃ、馬鹿弟子。ちょいと力を抜きな」
「は、はぁ……」
ヒルデガルトの、皺だらけの右手がウィルの胸に触れる。
これから何が起こるのか、どことなく心臓が跳ねるのが分かった。少なくともヒルデガルトは、「二、三回は死ぬ覚悟をしとけ」と言っていたのだ。何をされるやらさっぱり分からない。
ぽうっ、とヒルデガルトの右手――そこから放たれる、黄金の闘気。
そこに若干の熱さを感じながらも、ウィルは至近距離で見たヒルデガルトの顔立ちに対して、「鷲鼻ってマジで鷲みたいだなぁ」とか失礼なことを考えていると。
「ふごっ!?」
どんっ、とまるで胸の中で何かが暴れているかのような衝撃が走る。
心臓が爆発したような、肺の腑が震えたような、そんな衝撃だ。体の内側から走ったそんな痛みに、膝をつきたくなる気持ちを堪える。そっと離されたヒルデガルトの右手――その場所に重ねるように、ウィルは両手で胸を押さえた。
「がっ……! はっ……!」
「はっきり言っとくが、こいつは危険な方法だ」
「あ、ああっ……! ぐあああああっ!!」
「本来修行の果てに見つけるモンを、すっ飛ばして外側から叩き起こす邪法だよ。まともなやり方はしねぇって、そう言ったろう?」
「あ、あああああああっ!!」
聞いてねぇ。そう激しく叫びたい。
だが、まるで自分の内部に暴走する魔物が存在するかのようなこの感覚は、耐えがたいものだった。悲鳴と嗚咽以外に喉を震わせることができず、ただ胸を押さえて蹲ることしかできない。
痛みと共に、理性が吹き飛びそうにすらなる。このまま意識を失うことができれば、どれだけ楽なことか――そんな、まるで死を受け入れたくなるような思考にすら持っていかれる。
その胸の熱さが、全身に広がってゆく。
炎を纏っているかのように、指先がちりちりと熱い。例えるなら、内側から漏れだそうとしている火を体の中で抑えているような感覚だろうか。
「あ、ああ、あああああああっ!!」
「受け入れろ。制御しろ。それがお前さんの本来持ち得る力だ」
「回復」
ウィルの体に、シャロンの杖から放たれた暖かな光が満ちる。
それにより痛みは少しましになったが、それでも全身の熱さは消えない。制御しろと言われたところで、まるで暴れ馬のようなこれを、どうやって制御すればいいのか。
ぷつっ、と何かが切れるような感覚。
それと共に、まるで自分の背中が斬られて、そこから生命力が漏れているかのような――そんな、錯覚を覚える何かが、全身を包んでいた。
「は、ぁっ……ぜぇっ……こ、これ、は……」
「ああ、ようやく喋ることができたかい」
「まったく……無茶をしますね、ヒルダ」
「最初から、まともな方法で強くするつもりなんざないよ。地道な修行でこいつを強くしようと思えば、あたしの寿命の方が先に来るさ」
「しかし、良い闘気です。赤ですか」
ウィルの全身を包むのは、まるで炎のような赤い気。
それが薄皮一枚、全身を包んでいるかのような感覚だ。そして解放された闘気が内側から出てきたと共に、胸の痛みも同じく消えた。
一体何が起こっているのか、さっぱり分からない。
だが、これは間違いなく。
ヒルデガルトがその全身を包んでいた、黄金色のそれと、よく似ているもの。
「これが……闘気……?」
「ああ。本来、地道な修行の末に己の中にあるそれを見つけるのが、まぁ一般的だ。だが、お前さんのそれを待つ暇はないからね。外側からあたしの闘気をあんたの闘気にぶつけて、無理矢理覚醒させた。まぁ、やると二人に一人は死ぬ荒技だよ」
「先言ってくださいよ!?」
知らないうちに、そんな五割の確率で死ぬ方法をされたとか。
結果的に死なずに済んだから良かったものの、あまりに横暴ではなかろうか。
「死ななかったからいいだろうよ。それに、何かあってもいいようにシャロンを連れてきたんだ。お前さんが一度や二度死んだところで、問題はないさ」
「そういう問題すか!?」
「そういう問題だよ。さて、次のステップだ。お前さんは闘気を手に入れた。体の感覚はどうだい?」
「感覚……すか?」
とりあえず両手をぶらぶらと動かしてみる。
だが、自分の中に変わったことは、特に見受けられない。
ヒルデガルトはそんな風に不思議がるウィルを見て、にやりと唇を歪めて。
「ほれ」
「へ……?」
ひゅんっ、とウィルへ放たれたそれは――投石。
ただ、そこに転がっていた石を投げられただけだ。それがまっすぐに、ウィルの顔面目がけて襲いかかってくる。
それを視覚で判断して、反射的に腕が動き――。
ウィルが右手で石を叩き落とすと共に、石は粉々に砕け散った。
「……え」
「筋力は二倍ってとこか。速度もそこそこ。まぁ、悪くない闘気だね」
「はぁっ!? 何なんすかこれ!?」
「だから闘気だよ。闘気を纏うだけで、身体能力は倍加する。もっと研鑽すれば、何倍にもなるよ」
「……っ!」
突然の覚醒した強さに、思わず愕然としてしまう。
ウィルが生まれてから今までに得てきた力を、そのまま倍にしたようなものだ。まるで、自分の体が自分のものでないように感じてしまう。
これなら、オーガーの群れが相手でも戦える――そう思ってしまうほど。
「んで次に、研鑽の方法だ」
「は、はいっ!」
「分かりやすく言うなら、体を慣らすしかない。自分の思う強さと、実際の強さに齟齬を出さないことが大事なのさ。つまり分かりやすく言うとだね」
うん、とヒルデガルトは頷いて。
それから、にたり、と笑みを浮かべた。
「一番強いお前さんで戦い続けていれば、その『一番強いお前さん』が普通になる。それが通常の状態にするんだ。そして闘気で戦闘力を倍加すれば、そのまま強さが乗算される」
「……」
「研鑽を続ければ、それだけ強さは青天井だ。もっとも、慣らすまで時間はかかるがね」
「……あのお師匠。よく意味が分からないんですけど」
「お前さんが馬鹿だってことは分かったよ」
ヒルデガルトの言葉は、よく分からない。
だがとりあえず、ヒルデガルトに従ってさえいれば、ウィルはもっと強くなれる。それが分かっただけで良しとしよう。
「ってわけで、客だ」
「は……?」
グオォォォォ、と大地を鳴らすような響く声。
べとべとと、歩む道に滴る涎。それなのに、足音は全く響かせることなく。
鋭い牙の生えた口元を歪めたそれが、暗がりの中から現れた。
「ま、小手調べには丁度いいだろうよ。お前さん、一人であれを倒してみな」
「は、はいっ!」
買ったばかりの、真新しい剣を握りしめて。
ウィルは、そこに現れた闖入者。
剣牙虎と、対峙した。
ハンターギルドは閑古鳥であることが多いものの、大迷宮はいつだって盛況だ。入り口近くでゴブリンを相手にしている新人ハンターだったり、奥へ向かうために蹴散らして進む熟練パーティだったり、その種類は様々だが。
そしてウィルは、ヒルデガルトの先導に従って、大迷宮の奥へと進んでいた。
「さて、このあたりでいいかね」
「ここ、すか?」
「ああ。このあたりは、暫定的に第四地点って呼ばれてる。お前さんがオーガーに襲われて死にそうになっていたのは、この向こうにある第五地点だ」
「うす……」
思い出したくない記憶が、蘇ってくる。
入り口のゴブリンやコボルトなどを相手にしながら、「大迷宮なんて余裕だぜっ!」と調子に乗って奥へ進んだウィルを待っていた、オーガーの群れ。故郷では、警備隊の全員でどうにか一匹を相手にすることができる強さを持つオーガーが、まさか群れで襲ってくるとは思っていなかった。
死にそうになりながら這々の体で逃げ、どうにかヒルデガルトに救われた――その記憶は、まだ新しい。
「ま、この辺なら他にハンターもいないだろ。んじゃまず、シャロン」
「はい?」
「ちょいと、周りを警戒しといてくれ。一応脅しはかけてるが、中には向こう見ずな奴もいるからね」
「ええ」
ヒルデガルトの言葉に、特に突っ込むこともなく頷くシャロン。
脅しをかけてるとか、正直意味が分からないのだが。恐らく以前に第一階層をひたすらに進んだとき、闘気を放って魔物を寄せ付けないとかそう言っていたことだろうか。
そして何をすればいいのか分からず、立ち尽くすウィル――その正面に、ヒルデガルトが立った。
「そんじゃ、馬鹿弟子。ちょいと力を抜きな」
「は、はぁ……」
ヒルデガルトの、皺だらけの右手がウィルの胸に触れる。
これから何が起こるのか、どことなく心臓が跳ねるのが分かった。少なくともヒルデガルトは、「二、三回は死ぬ覚悟をしとけ」と言っていたのだ。何をされるやらさっぱり分からない。
ぽうっ、とヒルデガルトの右手――そこから放たれる、黄金の闘気。
そこに若干の熱さを感じながらも、ウィルは至近距離で見たヒルデガルトの顔立ちに対して、「鷲鼻ってマジで鷲みたいだなぁ」とか失礼なことを考えていると。
「ふごっ!?」
どんっ、とまるで胸の中で何かが暴れているかのような衝撃が走る。
心臓が爆発したような、肺の腑が震えたような、そんな衝撃だ。体の内側から走ったそんな痛みに、膝をつきたくなる気持ちを堪える。そっと離されたヒルデガルトの右手――その場所に重ねるように、ウィルは両手で胸を押さえた。
「がっ……! はっ……!」
「はっきり言っとくが、こいつは危険な方法だ」
「あ、ああっ……! ぐあああああっ!!」
「本来修行の果てに見つけるモンを、すっ飛ばして外側から叩き起こす邪法だよ。まともなやり方はしねぇって、そう言ったろう?」
「あ、あああああああっ!!」
聞いてねぇ。そう激しく叫びたい。
だが、まるで自分の内部に暴走する魔物が存在するかのようなこの感覚は、耐えがたいものだった。悲鳴と嗚咽以外に喉を震わせることができず、ただ胸を押さえて蹲ることしかできない。
痛みと共に、理性が吹き飛びそうにすらなる。このまま意識を失うことができれば、どれだけ楽なことか――そんな、まるで死を受け入れたくなるような思考にすら持っていかれる。
その胸の熱さが、全身に広がってゆく。
炎を纏っているかのように、指先がちりちりと熱い。例えるなら、内側から漏れだそうとしている火を体の中で抑えているような感覚だろうか。
「あ、ああ、あああああああっ!!」
「受け入れろ。制御しろ。それがお前さんの本来持ち得る力だ」
「回復」
ウィルの体に、シャロンの杖から放たれた暖かな光が満ちる。
それにより痛みは少しましになったが、それでも全身の熱さは消えない。制御しろと言われたところで、まるで暴れ馬のようなこれを、どうやって制御すればいいのか。
ぷつっ、と何かが切れるような感覚。
それと共に、まるで自分の背中が斬られて、そこから生命力が漏れているかのような――そんな、錯覚を覚える何かが、全身を包んでいた。
「は、ぁっ……ぜぇっ……こ、これ、は……」
「ああ、ようやく喋ることができたかい」
「まったく……無茶をしますね、ヒルダ」
「最初から、まともな方法で強くするつもりなんざないよ。地道な修行でこいつを強くしようと思えば、あたしの寿命の方が先に来るさ」
「しかし、良い闘気です。赤ですか」
ウィルの全身を包むのは、まるで炎のような赤い気。
それが薄皮一枚、全身を包んでいるかのような感覚だ。そして解放された闘気が内側から出てきたと共に、胸の痛みも同じく消えた。
一体何が起こっているのか、さっぱり分からない。
だが、これは間違いなく。
ヒルデガルトがその全身を包んでいた、黄金色のそれと、よく似ているもの。
「これが……闘気……?」
「ああ。本来、地道な修行の末に己の中にあるそれを見つけるのが、まぁ一般的だ。だが、お前さんのそれを待つ暇はないからね。外側からあたしの闘気をあんたの闘気にぶつけて、無理矢理覚醒させた。まぁ、やると二人に一人は死ぬ荒技だよ」
「先言ってくださいよ!?」
知らないうちに、そんな五割の確率で死ぬ方法をされたとか。
結果的に死なずに済んだから良かったものの、あまりに横暴ではなかろうか。
「死ななかったからいいだろうよ。それに、何かあってもいいようにシャロンを連れてきたんだ。お前さんが一度や二度死んだところで、問題はないさ」
「そういう問題すか!?」
「そういう問題だよ。さて、次のステップだ。お前さんは闘気を手に入れた。体の感覚はどうだい?」
「感覚……すか?」
とりあえず両手をぶらぶらと動かしてみる。
だが、自分の中に変わったことは、特に見受けられない。
ヒルデガルトはそんな風に不思議がるウィルを見て、にやりと唇を歪めて。
「ほれ」
「へ……?」
ひゅんっ、とウィルへ放たれたそれは――投石。
ただ、そこに転がっていた石を投げられただけだ。それがまっすぐに、ウィルの顔面目がけて襲いかかってくる。
それを視覚で判断して、反射的に腕が動き――。
ウィルが右手で石を叩き落とすと共に、石は粉々に砕け散った。
「……え」
「筋力は二倍ってとこか。速度もそこそこ。まぁ、悪くない闘気だね」
「はぁっ!? 何なんすかこれ!?」
「だから闘気だよ。闘気を纏うだけで、身体能力は倍加する。もっと研鑽すれば、何倍にもなるよ」
「……っ!」
突然の覚醒した強さに、思わず愕然としてしまう。
ウィルが生まれてから今までに得てきた力を、そのまま倍にしたようなものだ。まるで、自分の体が自分のものでないように感じてしまう。
これなら、オーガーの群れが相手でも戦える――そう思ってしまうほど。
「んで次に、研鑽の方法だ」
「は、はいっ!」
「分かりやすく言うなら、体を慣らすしかない。自分の思う強さと、実際の強さに齟齬を出さないことが大事なのさ。つまり分かりやすく言うとだね」
うん、とヒルデガルトは頷いて。
それから、にたり、と笑みを浮かべた。
「一番強いお前さんで戦い続けていれば、その『一番強いお前さん』が普通になる。それが通常の状態にするんだ。そして闘気で戦闘力を倍加すれば、そのまま強さが乗算される」
「……」
「研鑽を続ければ、それだけ強さは青天井だ。もっとも、慣らすまで時間はかかるがね」
「……あのお師匠。よく意味が分からないんですけど」
「お前さんが馬鹿だってことは分かったよ」
ヒルデガルトの言葉は、よく分からない。
だがとりあえず、ヒルデガルトに従ってさえいれば、ウィルはもっと強くなれる。それが分かっただけで良しとしよう。
「ってわけで、客だ」
「は……?」
グオォォォォ、と大地を鳴らすような響く声。
べとべとと、歩む道に滴る涎。それなのに、足音は全く響かせることなく。
鋭い牙の生えた口元を歪めたそれが、暗がりの中から現れた。
「ま、小手調べには丁度いいだろうよ。お前さん、一人であれを倒してみな」
「は、はいっ!」
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