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第5章 堕天使は聖教徒教会の
29話5Part 年明け早々の悪魔達⑤
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「......なーんか人いねーなー」
「やっぱり、中途半端な時間だからじゃないかい?」
「かもな」
神戸の夜の道は、人もまばらで明るいけれどもどこか寂しさを感じさせるような、そんな雰囲気だった。
港の方に行けば潮風が漂う、海とは切っても切れぬ関係があるこの街。
大陸といえど島国であるウィズオート皇国や魔界の海だと、鼻にツンとくる酸が蒸発したような刺激臭がするので、下界の生命体にとってこの潮の香りは日本でしか感じる事のできない貴重な物なのである。
そんな潮の香りに浸って、たまにすれ違う通行人に気をつけながら、望桜はふと的李に昔の事を聞いてみる事にした。
「......なあ、的李」
「ん、なんだい?」
「お前って、どこ出身なんだっけ?北?南?」
魔王時代を最初から最後まで共にしたとはいえ、思えば上司部下以上の会話をした事など殆どなかった。
仲が悪かっただとか薄っぺらい関係だった訳でもなく、単純に的李が公私をしっかり分けて必要以上の物事を言わないタイプだったので、出自はおろか細かい年齢や家族構成等1つも聞いた事がない。
なので、今みたいに寝食を共にして、同じ部屋で暮らす公私もへったくれもない関係になった今こそ聞くべき時なのではないか、そう望桜は思ったのだ。
「あーと......ウィズオート西方の、メロウフォレストなのだよ」
「え......?」
しかし、ここでもまた望桜は的李に驚かされる事となった。
ウィズオートの......西......?望桜は的李は悪魔だし、魔界大陸の〇〇~と言われると思っていたのだ。
だが、的李はウィズオート皇国西方にある、メロウフォレストと呼ばれる比較的弱い魔獣が住んでいる森だと答えた。
「メロウフォレストの奥に小さな村があって、その村には禍牛族と呼ばれる悪魔の中でもかなり弱い部族が住んでいる。私は、その村の族長の、娘の所の1人息子なのだよ」
「ほえぇ、そうだったのか。......でも、ならなんでお前だけこっちに......っていうかそもそも、なんでその禍牛族の奴らはウィズオートにいるんだ?言っちゃ悪いが、弱い部族なら滅ぼされるのが魔界じゃ......」
望桜の脳裏に過ぎったのは、何時ぞやの日に見た、強い悪魔によって滅ぼされた弱小部族の亡骸と村の残骸だ。
対抗しようとしたのか、大人の遺体の傍には必ずと言っていいほど錆び付いた剣や、描きかけの魔法陣の跡があって、子供は......納屋の奥や地下室、部屋の隅などで亡くなっていた。
望桜は最初こそ吐き気やフラッシュバックする惨い光景に悩まされもしたが、直ぐに慣れた。
何故なら......魔界ではこれが当たり前の光景だと、周囲の悪魔達の反応で思い知らされたからだ。
魔界大陸中央にある大都会·エインヘリアル近郊まではそういう光景は殆ど無いが、一歩田舎の方に入ればそういった、悪魔達の築いてきた今までの血塗られた、荒れた歴史が垣間見えるエリアがずっと続いている。
......そんな魔界だからこそ、望桜は不思議に思ったのだ。
弱い部族が滅ぼされるのが当たり前でありセオリーと化している魔界から、何故、的李達禍牛族の悪魔達は生きて脱出してこられたのか。
「下界の海って、強酸性じゃん。陸の生き物が入ればすぐ跡形もなく溶けちまうし、鋼鉄製の船とか浮かべたってすぐ壊れるから空を飛ぶか、ゲートとか使って移動するしかないわけだろ?」
「その通り。私達は族長が開いたゲートを通って、ウィズオート皇国西方のメロウフォレストの最深部に逃げ出した」
「その前だその前!いや、その後も関係あるが......何でお前ら禍牛族は、他の弱小部族みたいに滅ぼされなかったんだ?」
「そりゃあ、私達には特異点があって、襲ってくる他の部族達に立ち向かうための度胸がなかったから」
「特異点、って......」
「......私達の族長は、ユグドラシルの"果実"を食べた人で、その血族である私は、前にオセが言っていた"異才"を持っている能力者なのだよ。それで、どんな手段で、どこに行けば自分達が永遠に安全に暮らせるかを判断して私達は生き延びた」
話の流れで、さらっと打ち明けられた"的李が異才持ち"という事実に、望桜は目を見開いた。
「は......?異才......?」
「異才は、天界にある宇宙樹の果実......正確には種子を何らかの方法で体内に取り込んだ人物本人、あるいはその血族のうちの1人に引き継がれる固有能力。行使するのに神気も魔力もいらないけれど、代わりに行使するための条件や代償がつくのだよ。オセは言ってなかった気がするけれど......」
「条件、って......」
「代償の例を上げるとすれば、私は生まれた時から他の禍牛族の悪魔達よりも運動能力がかなり高くて、おまけに、剣術や体術に対してのセンスとポテンシャルが桁外れで優れていた」
「なるほど......え、でもそれって......代償なくね?ってかむしろ、いい物貰ってるじゃねえか」
「君、分からないのかい?」
「え?」
きょとん、そんな表現が相応しいような表情を浮かべる望桜に、的李は呆れたようにため息を1つ返す。
「元々持っている身体能力が高くて、伸び代も充分ある。それは、弱い部族である禍牛族の悪魔達にとって、万が一があった時に自分達を守ってくれる存在......用心棒ができたってことなのだよ」
「用心、棒......」
「想像つくかい?周りには自分達を狙っている敵ばかりで、そんな中で生き抜くために朝から晩までずっと鍛錬漬けで疲労困憊、心も体も限界......そんな時に、ある赤子が生まれた。その赤子は、自分達の中で1番鍛えていて1番強い悪魔ですら傷1つつけられない岩を容易く斬り捨てて、しかも、歳を重ねる毎にその力が強くなっていく......」
「......お前の代償って、まさか、」
「......私の異才は、数千、数万年先の未来まで見通すことができる能力。発動条件は1人で部屋にいる時で、代償は......幼い頃に過ごすはずだった両親との時間、友達との時間、本来なら得ていたであろう戦闘以外の知識、常識、思い出......」
昔の事を語る的李の目に、溢れんばかりの涙が膜を張る。
そんな的李の瞳の奥にある感情は、悲しみでも後悔でもなく......自身の両親を想う純粋な優しさであった。
「......村人達が今まで行ってきた鍛錬すら準備運動レベルのトレーニングを毎日毎日......悪魔は睡眠も食事も魔力さえあれば必要ないから、睡眠も食事も休憩も取らずに1週間連続で動き続けて、その後に10分程休憩してからまたすぐにトレーニングして......」
「......的李、」
「今考えればよく死ななかったなって、本気で思うのだよ。そんな生活をずっとしてきたせいで、家族や友達と過ごす時間なんて無かった。声も顔も温もりも何もかも......名前すら、覚えていないのだよ......?」
「......的李、大丈夫か......?」
「っ、大丈夫......ん、ずっ......」
望桜の顔がいつの間にか目の前にある事に気づいて、的李は顔を見られないように片手で顔を覆って鼻を啜っている。
......ここまで女々しい的李は、初めて見たかもしれない。
軽く泣き腫らした目を伏せて、的李は弱々しく言葉を返してきた。......よく見ると、体が小刻みに震えている。
「......あー......ほら、これ貸すぜ」
「......?うわっ、と......」
顔を伏せたままの的李に向かって、望桜は自身が着ていたジャンバーを大袈裟に音を立てながら脱いで差し出す。
そのままそれに気づいた的李の不思議そうな表情は気にせずに、ジャンバーで的李の体を包んでやる。
「寒いのか恥ずかしいのか俺にはちょっとよく分からんけど、どっちでもいいから好きなように使えよ」
ジャンバーを取り敢えず手で押さえている的李から、望桜に対して返ってきたのは、
「......ぐすっ、」
お礼でも何でもなく、ただの鼻をすする音であった。
────────────To Be Continued──────────────
「やっぱり、中途半端な時間だからじゃないかい?」
「かもな」
神戸の夜の道は、人もまばらで明るいけれどもどこか寂しさを感じさせるような、そんな雰囲気だった。
港の方に行けば潮風が漂う、海とは切っても切れぬ関係があるこの街。
大陸といえど島国であるウィズオート皇国や魔界の海だと、鼻にツンとくる酸が蒸発したような刺激臭がするので、下界の生命体にとってこの潮の香りは日本でしか感じる事のできない貴重な物なのである。
そんな潮の香りに浸って、たまにすれ違う通行人に気をつけながら、望桜はふと的李に昔の事を聞いてみる事にした。
「......なあ、的李」
「ん、なんだい?」
「お前って、どこ出身なんだっけ?北?南?」
魔王時代を最初から最後まで共にしたとはいえ、思えば上司部下以上の会話をした事など殆どなかった。
仲が悪かっただとか薄っぺらい関係だった訳でもなく、単純に的李が公私をしっかり分けて必要以上の物事を言わないタイプだったので、出自はおろか細かい年齢や家族構成等1つも聞いた事がない。
なので、今みたいに寝食を共にして、同じ部屋で暮らす公私もへったくれもない関係になった今こそ聞くべき時なのではないか、そう望桜は思ったのだ。
「あーと......ウィズオート西方の、メロウフォレストなのだよ」
「え......?」
しかし、ここでもまた望桜は的李に驚かされる事となった。
ウィズオートの......西......?望桜は的李は悪魔だし、魔界大陸の〇〇~と言われると思っていたのだ。
だが、的李はウィズオート皇国西方にある、メロウフォレストと呼ばれる比較的弱い魔獣が住んでいる森だと答えた。
「メロウフォレストの奥に小さな村があって、その村には禍牛族と呼ばれる悪魔の中でもかなり弱い部族が住んでいる。私は、その村の族長の、娘の所の1人息子なのだよ」
「ほえぇ、そうだったのか。......でも、ならなんでお前だけこっちに......っていうかそもそも、なんでその禍牛族の奴らはウィズオートにいるんだ?言っちゃ悪いが、弱い部族なら滅ぼされるのが魔界じゃ......」
望桜の脳裏に過ぎったのは、何時ぞやの日に見た、強い悪魔によって滅ぼされた弱小部族の亡骸と村の残骸だ。
対抗しようとしたのか、大人の遺体の傍には必ずと言っていいほど錆び付いた剣や、描きかけの魔法陣の跡があって、子供は......納屋の奥や地下室、部屋の隅などで亡くなっていた。
望桜は最初こそ吐き気やフラッシュバックする惨い光景に悩まされもしたが、直ぐに慣れた。
何故なら......魔界ではこれが当たり前の光景だと、周囲の悪魔達の反応で思い知らされたからだ。
魔界大陸中央にある大都会·エインヘリアル近郊まではそういう光景は殆ど無いが、一歩田舎の方に入ればそういった、悪魔達の築いてきた今までの血塗られた、荒れた歴史が垣間見えるエリアがずっと続いている。
......そんな魔界だからこそ、望桜は不思議に思ったのだ。
弱い部族が滅ぼされるのが当たり前でありセオリーと化している魔界から、何故、的李達禍牛族の悪魔達は生きて脱出してこられたのか。
「下界の海って、強酸性じゃん。陸の生き物が入ればすぐ跡形もなく溶けちまうし、鋼鉄製の船とか浮かべたってすぐ壊れるから空を飛ぶか、ゲートとか使って移動するしかないわけだろ?」
「その通り。私達は族長が開いたゲートを通って、ウィズオート皇国西方のメロウフォレストの最深部に逃げ出した」
「その前だその前!いや、その後も関係あるが......何でお前ら禍牛族は、他の弱小部族みたいに滅ぼされなかったんだ?」
「そりゃあ、私達には特異点があって、襲ってくる他の部族達に立ち向かうための度胸がなかったから」
「特異点、って......」
「......私達の族長は、ユグドラシルの"果実"を食べた人で、その血族である私は、前にオセが言っていた"異才"を持っている能力者なのだよ。それで、どんな手段で、どこに行けば自分達が永遠に安全に暮らせるかを判断して私達は生き延びた」
話の流れで、さらっと打ち明けられた"的李が異才持ち"という事実に、望桜は目を見開いた。
「は......?異才......?」
「異才は、天界にある宇宙樹の果実......正確には種子を何らかの方法で体内に取り込んだ人物本人、あるいはその血族のうちの1人に引き継がれる固有能力。行使するのに神気も魔力もいらないけれど、代わりに行使するための条件や代償がつくのだよ。オセは言ってなかった気がするけれど......」
「条件、って......」
「代償の例を上げるとすれば、私は生まれた時から他の禍牛族の悪魔達よりも運動能力がかなり高くて、おまけに、剣術や体術に対してのセンスとポテンシャルが桁外れで優れていた」
「なるほど......え、でもそれって......代償なくね?ってかむしろ、いい物貰ってるじゃねえか」
「君、分からないのかい?」
「え?」
きょとん、そんな表現が相応しいような表情を浮かべる望桜に、的李は呆れたようにため息を1つ返す。
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「用心、棒......」
「想像つくかい?周りには自分達を狙っている敵ばかりで、そんな中で生き抜くために朝から晩までずっと鍛錬漬けで疲労困憊、心も体も限界......そんな時に、ある赤子が生まれた。その赤子は、自分達の中で1番鍛えていて1番強い悪魔ですら傷1つつけられない岩を容易く斬り捨てて、しかも、歳を重ねる毎にその力が強くなっていく......」
「......お前の代償って、まさか、」
「......私の異才は、数千、数万年先の未来まで見通すことができる能力。発動条件は1人で部屋にいる時で、代償は......幼い頃に過ごすはずだった両親との時間、友達との時間、本来なら得ていたであろう戦闘以外の知識、常識、思い出......」
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そんな的李の瞳の奥にある感情は、悲しみでも後悔でもなく......自身の両親を想う純粋な優しさであった。
「......村人達が今まで行ってきた鍛錬すら準備運動レベルのトレーニングを毎日毎日......悪魔は睡眠も食事も魔力さえあれば必要ないから、睡眠も食事も休憩も取らずに1週間連続で動き続けて、その後に10分程休憩してからまたすぐにトレーニングして......」
「......的李、」
「今考えればよく死ななかったなって、本気で思うのだよ。そんな生活をずっとしてきたせいで、家族や友達と過ごす時間なんて無かった。声も顔も温もりも何もかも......名前すら、覚えていないのだよ......?」
「......的李、大丈夫か......?」
「っ、大丈夫......ん、ずっ......」
望桜の顔がいつの間にか目の前にある事に気づいて、的李は顔を見られないように片手で顔を覆って鼻を啜っている。
......ここまで女々しい的李は、初めて見たかもしれない。
軽く泣き腫らした目を伏せて、的李は弱々しく言葉を返してきた。......よく見ると、体が小刻みに震えている。
「......あー......ほら、これ貸すぜ」
「......?うわっ、と......」
顔を伏せたままの的李に向かって、望桜は自身が着ていたジャンバーを大袈裟に音を立てながら脱いで差し出す。
そのままそれに気づいた的李の不思議そうな表情は気にせずに、ジャンバーで的李の体を包んでやる。
「寒いのか恥ずかしいのか俺にはちょっとよく分からんけど、どっちでもいいから好きなように使えよ」
ジャンバーを取り敢えず手で押さえている的李から、望桜に対して返ってきたのは、
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