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第1章 (元)魔王と勇者は日本にて(説明欄でも告げたとおり小説版キャラ紹介的な章です)
2話2Part 元魔王の所にショタっ子が尋ねてきたみたいですね!厄介事持ってきたみたいだけど、可愛いならよしなのです!
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バイト先の推し(望桜の中では)から、望桜達の住む神戸市本町に望桜達を尋ねて回っている少年が居たと聞き、定時ぴったり帰宅で帰っていた望桜。その最中で少年を探してみることにした。
......否、そもそも探す目的で本町までダッシュで帰ってきたのだ。
「......あ」
「あっ......」
俺と的李について尋ねてきたという"黒髪の子"を探して本町を歩いていた時、ふと聞いていた特徴通りの見た目の少年を見つけた。目が合って、互いに声を上げる。そして双方の頭に瞬間的に、よぎったこと......
......こいつ、だいぶ見た目変わるんだなあ。
「緑丘望桜!!」
「ベルゼブブ!?」
「ちょ、その名前で呼ばないで!」
そう......俺と的李を探してまわっていた黒髪の子とは──
──魔王軍元幹部、世界7代悪魔"7罪"の一角、"暴食"のベルゼブブ。高い火力と防御力を誇る、能力(パラメータ)がバランス型の大悪魔だ。11代目の時から魔王軍に属していたなかなか新参の方の悪魔だ。ちなみに余談だが、魔王軍最古参の悪魔は7罪の"憤怒"、"傲慢"、"強欲"、"色欲"、そして"嫉妬"の肩書きを持つ者たちらしい。魔王城書斎でちょっとかじっただけの知識だ。あそこの書籍の多くは、名前まで明記されてないのがちょっと不便極まりなかった。
......とりあえず、この状況をどうにかしよう。
「っと、とりあえずうち来いよ、道路上でなにかするのもあれだしな」
「そうだね......」
「ここからうちは1分くらいで着く、その間にお前がわざわざこっちにでてきた理由を教えてくれよ。」
「......1分じゃ説明できない」
2人で並んで歩きながら、聞きたいことを一つ一つ消化していく。そもそも、どうして向こうの世界とこちらの世界に文化の差があるのか。こちらの方がかなり進んでいるのに、人間が知能を持ち、活動し始めた時期は向こうの方がかなり前......役17900年前と明記してあった。
「......まあ、理由の末端くらいは教えるよ。お前ってたしか悪魔と人のハーフになったんだよね?」
「ああ、まあな」
「だから、こっちの世界の人間とは寿命が違う。」
「......お、おお......?」
マンションに着き、階段を上る。目指すは自宅である331号室、そろそろだ。
「......つまり、迎えに来た」
「うん......って、は?」
「だから、迎えに来た」
「はあ?なんでだよ」
オートロック式の鍵を解錠し、ドアを開けてベルゼブブを招き入れる。普通の人間に化けているベルゼブブの頭に角は無いし、背中に翼も生えていない、ほんとにただの人間に見える。それなのに威圧感だけは大悪魔であることをひしひしと伝えてくる。その隠しきれない威圧感を自覚しているのかいないのか、望桜の立場としては断りたいであろう事例を、あくまで断ることは悪事である事のように思わせる術を巧みに活用する悪魔なりの交渉術。
「こっちの人間とは寿命も身体能力も何もかも違う悪魔が、こっちの世界で生きていけるわけないよね......!」
「......そうとは限らないだろ。第一、魔界の悪魔にもこっちの世界で生きていく術を知っている者はいたんだぞ!?つまりこっちの世界は向こうの人にとって既知の世界で、頑張れば生きていけるってことだろ!?」
「だって、こっちの世界の人間は、ほんの100年で死んでしまう!!でも、魔界の悪魔、ひいては元魔王が、10000年は余裕で生きるといわれている大悪魔が、こっちの世界で生きてるわけないだろ!!」
つまりは、悪魔がこっちの世界で生きていけるわけがないと言いたいらしい。でも、
「それでも、俺はこっちの世界で生きたい!!丞も、零央さんも、瑠凪もだってこっちの人間だ。俺はあの人たちと仲良くしてたいし、この世界が好きだ!!」
「っ......!」
「だから、俺は帰らな「緑丘望桜!!」
「っ、なんだよ!!」
「いい加減、旧魔王として、魔界に帰ってきて!!」
「はあ!?お前いい加減にしろよ!?」
「何が??」
「魔界に帰ってこいもなにも、もともと俺はこっちの世界の人間だったんだぞ!?それをいきなり魔界に連れて行って13代目魔王にしたのはお前らだろ!」
胸ぐらを掴まれて揺さぶられる、頭が痛くなってきた。可愛らしい見た目に反して力が強いベルゼブブは、俺より頭一つ低い身長ながら必死に手を伸ばし俺の足が浮くように上へ上へと揺らしながら高さをあげる。
元はと言えば、くだらない選考理由で向こうに連れていかれて、半強制的に魔王として推薦したのはお前らの方だ。まあ、呼び出し係が可愛かったから調子に乗った俺も悪いけど。
「っつ、それは......」
「てかお前、確かゲートもポータルも使えなかったよな!?ひょっとして......」
「え、あっ......!」
「もしかして、誰かゲート開ける、もしくはポータル使えるやつに俺を連れ戻すまで魔界には帰さないとか言われてるんじゃねえのか!?見たところ何も持ってないみたいだし!!すぐ帰ってくる予定だったんじゃねえの!?」
「うっ......そーだよ!!そう言われてる!だから帰ってきて!じゃないと僕が帰れないからっ......!!」
「俺は帰るつもりないから、お前は帰れないな」
「えっ......」
あ、ちょっと今悲しそうな顔した......
とりあえずこのまま放置は可哀想だし、ベルゼブブも的李同様、こっちの世界で悪魔体になる訳にはいかないだろう。となると、食事+睡眠=住処が必要だ。
......てか、ベルゼブブは一体誰に俺を連れ戻してこいと頼まれて、こっちの世界に放り込まれたんだ?
「俺が戻らないとお前は帰れないんだな?」
「うん......なら力ずくでも......!」
手に魔力を溜める体制に入ろうとしたベルゼブブ。だが、その手どころか体中どこからも魔力反応が感知できない。つまり、
「お前魔力今微塵も残ってないだろ。でも俺は帰るつもりは無い。となるとお前がこっちで生きていくしかなくなるが、悪魔体はこっちでは基本厳禁だし、そもそも悪魔体になるのに必要な魔力はここにないから無理だ。ということで食事と睡眠が必要になる」
「......え」
「だから、俺がお前をここで匿ってやろうと思う。異論は認めません」
「......え、ええええええ!?」
「だって帰れないんだろ?お前何も持ってないみたいだし、こっちで暮らすには金がいるから」
「......うん」
「今のとこ金に余裕があって(咄嗟にでた大嘘)、且つ事情を知ってる俺が匿ってやるよ、それでいいな?まあ、向こうの奴らには俺に帰るつもりがなくて、断固拒否したから帰れないとでも言っておけ」
「えっ......いいの?」
いつの間にか赤くなりはじめた空。それと並行して部屋にも夕日がさしてきた、そろそろ的李も帰ってくる。この場を丸く収めておいて、とりあえず夕食の支度でもしといてやるか。
「ああ」
「......まあ、帰ってきてもらうことを諦めたわけじゃないけど、魔力が溜まるか帰るあてができるまで、匿って貰えるならありがたいかな..どうせ僕帰るとこないし」
「ってことで、よろしくな!」
「うん、よろしく」
また調子にのって厄介事をとりこんでしまったっ......けどベルゼブブ可愛いからいいよね!
こうして望桜にとって2人目の同居人が出来たのであった。
(ってか、これ中性男子コンの俺にとってハーレム的な現象が起こり始めてるんじゃね!?これからが楽しみだな!)
「ただいまなのだよ~」
「あ、的李今日早いな!おかえり!!飯はまだだ!」
「そーなのかい?ところで、この靴誰のなんだい~?」
「あ!聞いてくれよー!ベルゼブブがうちで一緒に住むことになってよ!んで......痛た!!なんで叩くんだよ!?」
「君ね......うちの家計のことを考えてから決め給え!!」
互いに向かってぎゃあぎゃあ叫ぶ2人を後目に、ベルゼブブは1つ心に決めた。
「......魔力溜まったら意地でもゲート術式会得してすぐ帰ろ。てか僕がいた事に関してはベルフェゴールはスルーしてくれるんだ」
そして、望桜は的李が寝るまで怒られ続けました。めっさ叩かれて痛かった。
──────────────To Be Continued
......否、そもそも探す目的で本町までダッシュで帰ってきたのだ。
「......あ」
「あっ......」
俺と的李について尋ねてきたという"黒髪の子"を探して本町を歩いていた時、ふと聞いていた特徴通りの見た目の少年を見つけた。目が合って、互いに声を上げる。そして双方の頭に瞬間的に、よぎったこと......
......こいつ、だいぶ見た目変わるんだなあ。
「緑丘望桜!!」
「ベルゼブブ!?」
「ちょ、その名前で呼ばないで!」
そう......俺と的李を探してまわっていた黒髪の子とは──
──魔王軍元幹部、世界7代悪魔"7罪"の一角、"暴食"のベルゼブブ。高い火力と防御力を誇る、能力(パラメータ)がバランス型の大悪魔だ。11代目の時から魔王軍に属していたなかなか新参の方の悪魔だ。ちなみに余談だが、魔王軍最古参の悪魔は7罪の"憤怒"、"傲慢"、"強欲"、"色欲"、そして"嫉妬"の肩書きを持つ者たちらしい。魔王城書斎でちょっとかじっただけの知識だ。あそこの書籍の多くは、名前まで明記されてないのがちょっと不便極まりなかった。
......とりあえず、この状況をどうにかしよう。
「っと、とりあえずうち来いよ、道路上でなにかするのもあれだしな」
「そうだね......」
「ここからうちは1分くらいで着く、その間にお前がわざわざこっちにでてきた理由を教えてくれよ。」
「......1分じゃ説明できない」
2人で並んで歩きながら、聞きたいことを一つ一つ消化していく。そもそも、どうして向こうの世界とこちらの世界に文化の差があるのか。こちらの方がかなり進んでいるのに、人間が知能を持ち、活動し始めた時期は向こうの方がかなり前......役17900年前と明記してあった。
「......まあ、理由の末端くらいは教えるよ。お前ってたしか悪魔と人のハーフになったんだよね?」
「ああ、まあな」
「だから、こっちの世界の人間とは寿命が違う。」
「......お、おお......?」
マンションに着き、階段を上る。目指すは自宅である331号室、そろそろだ。
「......つまり、迎えに来た」
「うん......って、は?」
「だから、迎えに来た」
「はあ?なんでだよ」
オートロック式の鍵を解錠し、ドアを開けてベルゼブブを招き入れる。普通の人間に化けているベルゼブブの頭に角は無いし、背中に翼も生えていない、ほんとにただの人間に見える。それなのに威圧感だけは大悪魔であることをひしひしと伝えてくる。その隠しきれない威圧感を自覚しているのかいないのか、望桜の立場としては断りたいであろう事例を、あくまで断ることは悪事である事のように思わせる術を巧みに活用する悪魔なりの交渉術。
「こっちの人間とは寿命も身体能力も何もかも違う悪魔が、こっちの世界で生きていけるわけないよね......!」
「......そうとは限らないだろ。第一、魔界の悪魔にもこっちの世界で生きていく術を知っている者はいたんだぞ!?つまりこっちの世界は向こうの人にとって既知の世界で、頑張れば生きていけるってことだろ!?」
「だって、こっちの世界の人間は、ほんの100年で死んでしまう!!でも、魔界の悪魔、ひいては元魔王が、10000年は余裕で生きるといわれている大悪魔が、こっちの世界で生きてるわけないだろ!!」
つまりは、悪魔がこっちの世界で生きていけるわけがないと言いたいらしい。でも、
「それでも、俺はこっちの世界で生きたい!!丞も、零央さんも、瑠凪もだってこっちの人間だ。俺はあの人たちと仲良くしてたいし、この世界が好きだ!!」
「っ......!」
「だから、俺は帰らな「緑丘望桜!!」
「っ、なんだよ!!」
「いい加減、旧魔王として、魔界に帰ってきて!!」
「はあ!?お前いい加減にしろよ!?」
「何が??」
「魔界に帰ってこいもなにも、もともと俺はこっちの世界の人間だったんだぞ!?それをいきなり魔界に連れて行って13代目魔王にしたのはお前らだろ!」
胸ぐらを掴まれて揺さぶられる、頭が痛くなってきた。可愛らしい見た目に反して力が強いベルゼブブは、俺より頭一つ低い身長ながら必死に手を伸ばし俺の足が浮くように上へ上へと揺らしながら高さをあげる。
元はと言えば、くだらない選考理由で向こうに連れていかれて、半強制的に魔王として推薦したのはお前らの方だ。まあ、呼び出し係が可愛かったから調子に乗った俺も悪いけど。
「っつ、それは......」
「てかお前、確かゲートもポータルも使えなかったよな!?ひょっとして......」
「え、あっ......!」
「もしかして、誰かゲート開ける、もしくはポータル使えるやつに俺を連れ戻すまで魔界には帰さないとか言われてるんじゃねえのか!?見たところ何も持ってないみたいだし!!すぐ帰ってくる予定だったんじゃねえの!?」
「うっ......そーだよ!!そう言われてる!だから帰ってきて!じゃないと僕が帰れないからっ......!!」
「俺は帰るつもりないから、お前は帰れないな」
「えっ......」
あ、ちょっと今悲しそうな顔した......
とりあえずこのまま放置は可哀想だし、ベルゼブブも的李同様、こっちの世界で悪魔体になる訳にはいかないだろう。となると、食事+睡眠=住処が必要だ。
......てか、ベルゼブブは一体誰に俺を連れ戻してこいと頼まれて、こっちの世界に放り込まれたんだ?
「俺が戻らないとお前は帰れないんだな?」
「うん......なら力ずくでも......!」
手に魔力を溜める体制に入ろうとしたベルゼブブ。だが、その手どころか体中どこからも魔力反応が感知できない。つまり、
「お前魔力今微塵も残ってないだろ。でも俺は帰るつもりは無い。となるとお前がこっちで生きていくしかなくなるが、悪魔体はこっちでは基本厳禁だし、そもそも悪魔体になるのに必要な魔力はここにないから無理だ。ということで食事と睡眠が必要になる」
「......え」
「だから、俺がお前をここで匿ってやろうと思う。異論は認めません」
「......え、ええええええ!?」
「だって帰れないんだろ?お前何も持ってないみたいだし、こっちで暮らすには金がいるから」
「......うん」
「今のとこ金に余裕があって(咄嗟にでた大嘘)、且つ事情を知ってる俺が匿ってやるよ、それでいいな?まあ、向こうの奴らには俺に帰るつもりがなくて、断固拒否したから帰れないとでも言っておけ」
「えっ......いいの?」
いつの間にか赤くなりはじめた空。それと並行して部屋にも夕日がさしてきた、そろそろ的李も帰ってくる。この場を丸く収めておいて、とりあえず夕食の支度でもしといてやるか。
「ああ」
「......まあ、帰ってきてもらうことを諦めたわけじゃないけど、魔力が溜まるか帰るあてができるまで、匿って貰えるならありがたいかな..どうせ僕帰るとこないし」
「ってことで、よろしくな!」
「うん、よろしく」
また調子にのって厄介事をとりこんでしまったっ......けどベルゼブブ可愛いからいいよね!
こうして望桜にとって2人目の同居人が出来たのであった。
(ってか、これ中性男子コンの俺にとってハーレム的な現象が起こり始めてるんじゃね!?これからが楽しみだな!)
「ただいまなのだよ~」
「あ、的李今日早いな!おかえり!!飯はまだだ!」
「そーなのかい?ところで、この靴誰のなんだい~?」
「あ!聞いてくれよー!ベルゼブブがうちで一緒に住むことになってよ!んで......痛た!!なんで叩くんだよ!?」
「君ね......うちの家計のことを考えてから決め給え!!」
互いに向かってぎゃあぎゃあ叫ぶ2人を後目に、ベルゼブブは1つ心に決めた。
「......魔力溜まったら意地でもゲート術式会得してすぐ帰ろ。てか僕がいた事に関してはベルフェゴールはスルーしてくれるんだ」
そして、望桜は的李が寝るまで怒られ続けました。めっさ叩かれて痛かった。
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