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自殺死願者〜ラクガキ編〜
ラクガキ
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「ママ!!テストで100点とったよ!!麻之亜兄ちゃんも一緒なの!」
「あら、そうなの?凄いじゃない。次も頑張りなさいね。あの人の子に負けないように」
「……うん!!」
「父さん、今日テストで100点だったんだ。炎華も一緒だよ。」
「そうかそうか!!次も頑張るんだぞ~あんな娘に負けないように」
「……うん。わかってる…」
「マノア兄ちゃん…パパとママ喧嘩してるの?」
「……ホノカは俺が守るから心配しなくていいよ。」
「マノア兄ちゃん?」
「……ずっと一緒だ。俺たち双子は離れたりしない。絶対に」
「約束だよマノア兄ちゃん」
なぁんて…叶わぬ約束なんかして早くも9年が経った。
小3の時に親が離婚した。
原因はまぁ、家系とか、不仲とか色々。
正直ありがた迷惑でしか無かった。
子供巻き込むなよ、お前らだけで何とかしろよ…とか
まぁ愚痴ってもなにも変わんねぇけど。
俺が父さんに着いて行かされたため、もうホノカとはネットとかチャット
とか最低限のネットツールでしかやり取りしてない。
会うことが許されてないからだ。
会いたいが会えない。
こんなこときっとどっかの貧しい国とか紛争がある国とかでは当たり前とか
そんな感じだと思うけど俺らとは縁もないこと。
だがそれがいまは身をもって感じるんだ。
寂しい、と。
おかしいと思わないか?
双子だから2人でひとつのはずなのに、今では1人だ。
夜遅くに父さんはいつも帰ってくる。
今日は既に10:30を迎えた頃だった。
晩御飯が冷めてしまっているので温めて待っていると父さんは話を振ってきた。
「マノア、最近学校ではどうだ?」
なんて突然そんなこと言われてしまえば答えるのなんてひとつしかない。
「……別に……普通だよ。退屈もしてない。」
なんてことを口にする。
もう眠気MAXで眠くて俺の機嫌が悪いのにも
全くと言っていいほど気づかない父さんは話を続ける。
「そうか…勉強に励みなさい。お前はできる子なんだから。」
あぁ、そんな期待かけんなよ。
困るのはお前であって俺はそんなのに答える気は無い。
「わかってるっての……いい加減心配するの辞めたら?親父の方がやばいだろ」
「何を言っているんだ。もう皇家に帰ってきたんだから大丈夫だ。アイツのとこには戻らない」
母さんをアイツ呼ばわりするのが頭にきた。
お前のせいで家庭がめちゃくちゃだ。
なぜ普通に生きられない。
なぜ普通に生活できない。
……あれ、普通って何…?
「あのなぁ…」
「とにかくだ。お前ももうすぐ高校生になるんだからちゃんと勉強しなさい。和紅華全学校に入っているんだ。しっかり成績をとっていい大人にならなければ.......」
ブチッと何かが切れる音をした。
あぁ、堪忍袋か。
こればかりはしょうがないよな。
わなわなと込み上げる怒りのままぶつけた。
「うるっさいな!!!わかってるよ!!」
驚く程声が出た。
それに父さんも怯んで固まったのを見たすきに、
俺は慌てて、急いで逃げた。
閉まり終わった音が聞こえるがそれすら無視して居間を飛び出して自分の部屋の襖を開ける。
勢いよく開けたからバンッ!!って襖が壁にぶつかった音と
昔の家みたいな少し落ち着く。畳の匂いがふわっと香る。
部屋に逃げ込んで座って、頭をめぐらす。
少し冷静になってから再び怒りがふつふつと湧いてくる。
だいたいあの男…父さんが母さんにDVなんて
バカみてぇなことをするからからこんなことになったんだ。
俺は何も悪くない。ホノカも何も悪くない。
いい加減死ねよ。
これ以上俺達双子を巻き込むのはやめろ。
そもそも生まれてきた時点で間違ってたし狂ってた。
だったらもっといい家庭で産ませろよ神様。
なぁ。
はは、こんなことしても意味ねぇのに…
「寝よ…もう起きてても意味ないだろ…」
独り言を呟いて敷布団の上に乗って眠った。
布団からは仄かに花の香りがした。
「もう朝か…」
眩しい光が窓から差し込む。
うわぁ…快晴じゃん。
暑いのやだな。
もう9月だって言うのに猛暑が続く。
早く秋が来ないかな。
今日ゲームのイベント追加日じゃん…ホノカと通話しながらやろ…
くだらないことを考えながら体を起こす。
今日は休日だから学校はないけど勉強はせられるだろうから、
家から出てネットカフェでも行くか。
着替えをして顔を洗ってからカバンの中にスマホと財布を入れた。
朝ごはんはコンビニかなんかで買えばいいでしょ。
家のやつあんまり食いたくないし、俺和食より洋食の方が好きだしな……
まだ少し朝の早い時間となってるから父さんも起きてないはず。
家に委託がないために俺は出かけることにした。
年季の入った軋む床を歩きながら家を出た。
まぁもう家も歳だろう。
そのまま崩れろと皮肉なことを思いながら家を後にし、街へ向かう。
まだ朝早いから涼しいがどうせ今日も35℃は超えるだろう。
半袖のパーカーにしてよかった。
駅に向かうサラリーマンは暑そうなスーツをみにつけていた。
会社員…まぁなるなら自営業がいいな。
YouTubeとか面白そうじゃん。
社畜にはなりたくないな…
そうこうしてるうちにコンビニに着いたのでサンドイッチとカフェオレ、
あとフルーツワッフルを買った。甘党なので許してください。
辛いの無理なんだよ。
店員さんがチラチラと俺のことを見ていた。
なんだよ、なにかついてるの??
そう思いながら会計を済ませてネットカフェに向かう。
日差しが出てきて暑くなってきた。
日焼け止めめんどくさくて塗ってないや。
どうせ焼けるしいいか。
ネットカフェについて利用時間を選んで部屋も決めた。
早速WiFiを借りてスマホの電源を入れた。
「マーノーアーさーん???」
「うわぁ!???」
突然名前を呼ばれ変な声が出た。
やめろ、脅かすんじゃないよ。
脅迫罪で訴えてやる…
冗談はさておきこいつは愛華のところの自立型アンドロイドAI搭載電子回遊機器。
通称アロと呼んでいる。
こいつが来たということは…
「うわっ.......ってアロか。なんだよ、マナカがまたなんか伝言をしに来たのか?」
貸し出し無料のヘッドホンを耳につけながら、
話を聞くことにした。
「そうですヨ!!ん''ん''『俺もその音ゲーやってるからイベント一緒にやろうぜ』……だそうです!」
「いや、それならLINEでも良くね…まぁありがと。9:00からだから開始時刻に集まるように言っといてくれ」
「了解です!!!!じゃあボクはこれで失礼しますね~」
「おう.......はぁ、朝から脅かすなよ…」
ゲームを開いてチームメンバーの編成をイベント用に変えた。
早速リハビリを開始する。
昨日もやったけど毎日やらないと指が鈍るからな。
ちなみにスマホは人差し指じゃあむずかしいので
何とか継続して親指勢として生きている(音ゲー界を)
全く、大きな画面で譜面を叩いたら一体どれだけの快感が
味わえるのだろうか。
まるで変態のように考えていれば既に譜面は動き出していて俺は出遅れたことに気がつく。
大慌ててリトライボタンを押して最初っからやり直す。
これはよくある音ゲーあるあるだ。
実際になっている回数も多い。
あーあまたライブボーナス用のスタミナ減ったよ。
優しい世界じゃないなぁ…
今日はイベがあるのでそっち優先でやってた。
ホノカ達が来るまではネッ友と一緒に通話しながらやってた。
通話しながらゲームするのはめちゃくちゃ楽しい。
これに至っては、最高としか思わない。
こんなゲーム廃人に構ってくれるやつもゲーム廃人だ。
それがありがたいんだけどさ。
リハビリが終わったあとにメッセージが来てたのに気が付いた。
マナカからだ。
何やら面倒臭い予感しかしない。
目をやるとどうやら今日は出かけることになってしまったから出来ないらしい。
マジか。何となく予想はついてた。
はいフラグ回収~
まぁホノカとやるからいいんだけど。
まもなく9時。約束の時間なのにホノカから何も連絡が来ない。
おかしい。
いつもなら何かしらよこすはずだ。
というか9時より前に来るはず。
何かあったのだろうか。
慌ててスマホのLINEを開きメッセを送るが
既読がつかない。
これ、なんかあったな。
そう思い立って通話を試みるも返信なし。
前にも同じようなことがあったから心当たりはある。
恐らくだが病院に連れてかれてるのだろう。
不安で不安でしょうがなかった。
マナカと知り合ったのも2人が入院してる時だったから
ホノカもそれなりに体が弱い。
長い間運動は出来ないし、よく熱を出す。
その度に俺もマナカも寂しかった。
病院に連れてかれたのなら暫くはかえってこないだろう。
スマホもきっと取られてるし今日はもう無理だろうな。
諦めた俺はLINEを閉じて、ゲームの画面を再び開く。
ネッ友も勉強があるからと言って落ちてしまった。
ノーツが動き出す。
指を動かす。
クリアしてまたそれを繰り返す。
いつもは楽しいはずのゲームが、1人虚しく続けるのは何故か悲しくはなかった。
「ホノカ、体大丈夫?平気?どこか悪いとこは…」
念入りに質問をするお母さん。
その優しさが今は少し鬱陶しかった。
「お母さん、私は大丈夫だから休んでてよ」
嘘でもないし、本当でもない。
「で、でも…」
いつまでも過保護だからお父さんにあんなこと言われちゃうんだよ。
もっと厳しくした方がいいのに。
「いいから、ほら行った行った!!」
「な、何かあったら言うのよ!?」
いい加減出て言って欲しくて手でしっしっ…ってやった。
ごめん、後で何でもするから許してねお母さん。
「はーい……はぁ…」
病院のベッドに横たわってる私はまるで包帯ぐるぐる巻きのミイラのようだ。
薬を投与されて少しだけ眠い目を擦る。
白い箱のような病室に来たのは二ヶ月ぶりだった。
周りには誰もいない、私だけの治療室。
薬品の匂いが充満してて少し苦手だ。
手首にぶっ刺された針から伝わる輸血パックから流れ込む血液が気持ち悪い。
今回は貧血が酷かったため輸血を勧められた。
いつもはそんなことないんだけどなぁ…
やることも無くスマホをもらって画面を開くとマノア兄ちゃんから
大量の連絡が来てるのが分かった。
やばい、約束忘れてた。
慌ててLINEを開くがそれが来てたのはもう2時間も前の事だった。
まずい、普通に忘れてたし、すっぽかしてしまった。
兄ちゃんだから大丈夫だと思うけどそれでも謝らなければと思って
電話をする。
「……あ、ホノカ?大丈夫?」
「マノア兄ちゃんごめん!!ちょっと病院いってて…」
「あーwやっぱりか、大丈夫大丈夫w」
「うぅ……あ、ありがとう…後で一緒にやろうね」
「おう、あ、今度いつ会えそう??やっぱり休日は難しいよな…」
「うん、やっぱり学校でしか会えないかな…」
「……そっか、じゃあまた後で。しっかり体調治せよ」
「うん、兄ちゃんまたね。」
久しぶりに聞く声が頭から離れなくなってしまった。
途端に寂しいと感じてしまう。
2人でひとつの双子なのにお母さんとお父さんが離婚したせいで
ばらばらになってしまったのだ。
辛いけど我慢しなくては。
学校でまた会える。
それまでの辛抱だ。
私は誰のものかも分からない血液を見るのは嫌で
目を逸らし、スマホの画面をひたすら見ることとした。
ふと昔の約束を思い出した。
なぜ今なのかは分からない。
あぁ、その時も病院にいた頃だったなぁ。
不安で怖くて仕方が無い時兄ちゃんがいつも支えてくれた。
いつ私のそばにいてくれた。
それが今ではありえないことが起きてしまった。
お母さん、お父さんいつになたっら仲直りしますか?
私兄ちゃんと一緒にいたい。
もしそれが叶わないならあの約束がどうなる?
それはあまりにも悲しい。
寂しい。
……兄ちゃん、私達本当にこれからもずっと一緒なんだよね…?
ホノカから連絡もあってほっと一息する。
どうやら病院にいるらしい。
憶測が当たった。良かった。
いや、良くはないか…
妹が病院で辛い思いをしているのに兄がこんな呑気に
ゲームをしていていいわけが無い。
俺はスマホを閉じてネットカフェから出て家に戻ることにした。
しかし忘れていたことがある。
外は真夏日。
太陽が眩しいほど輝いててあまりにも
引きこもり体質には向いていないのだ。
まずい、日傘を持っていない。
それにもう部屋を返してしまった。
今更戻ってもまた来たのかと迷惑扱いを受けるに決まってる。
コミュ障にそれはきつい。
どうしたものかと焦っていると桜華と出会った。
「あれ…マノア?」
「お、オウカ!!!お前、日傘とか持ってない!?」
「え、えぇ…もしかして貸した方がいいの?」
「頼む!!さすがに暑くて耐えられない!!」
「わかったから落ち着いて…私もそろそろ日焼け止めが切れるから使わないといけないのよ。早くこっちに来て入って。」
「は…はぁ!???」
これは俗に言う相合傘だ。
まずい秋桜にこんな場面を見せる訳には…
いけないいけない、フラグが立ってるじゃないか。
深くは考えないでおこう。
俺は大人しくオウカの隣で傘に入った。
あぁ、嫌われたら困るな。
友達誰もいなくなっちゃうなぁ…
良くないな、このネガティブが…
無言のまま歩いてるのが元気のないように見えたのかオウカが話しかける。
「マノア、もしかして具合悪いの?」
「へあ!?ち、ちげぇーよ!!」
「じゃあなんで喋らないの?何時もならうるさいぐらい話すじゃない。あ、ホノカと一緒の時だけだったわね。」
「もういいでしょそれは!!シスコンなんだから」
「何開き直ってるのよ…まぁいいわ。アキラとこれから待ち合わせだからその場所より少し離れたとことでお別れね。」
「やっぱきてんのかよアイツ…」
フラグ回収の達人だな俺。
どうせアキラの感は鋭いから匂いとかで
誰といたかわかってしまうだろうな。
あいつ犬かよ…あ、イタチか…
イタチって鼻きくのか…?
暑さと思考と両方と格闘しながら日陰のある所まで
連れてってくれたオウカと別れた。
やっぱ隣で見ると美人だと思った。
モデルとかやってるだけあって体のラインとか綺麗だし、
肌も白いし、なんかほんとに高嶺の花みたいな存在。
まぁ俺にはホノカという天使のようが
存在がいるから別にいいんだけど。
結局午後までカフェとか行って時間を潰したけど
昼からは家に帰った。
当然父にはド叱られた。
まぁ家にいたくないから逃げてきたんだけど。
口を聞かずに相も変わらず部屋に引こもる。
どうしたものか。
どうせ居間に行ってもまた色々文句言われて勉強させられ、
俺は再び病み闇ストレス製造機になるだけだ。
病み闇ってなんだよ()
ギシッと椅子が音を立ててもたれかかったり机に伏せていると
スマホから通知音がした。
あぁ、どうせアキラだと思ってみたら驚きを隠せない。
まさかホノカからだったとは。
慌てて開いてLINEを見る。
どうやらさっきのことをまだ気にしているらしい。
そんなに気にしなくても俺困らないんだけどなぁ…
とは言っても不安に思ってるのはしょうがない
大丈夫だよとか打っとけばいいと思ってしまうが
ホノカはデリケートだからちゃんと返信しよう。
メッセージを送って布団にダイブすることにした。
ぼふんと音を立てて俺をゆっくり沈める毛布が心地よい。
周りに響いたかもしれないがそれすら気にしない。
課題しなくちゃ、でも眠い。やる気ない。
とっくに前から諦めてる。
とにかく現実逃避をしたくてスマホを眺めてるうちに
眠気がMAXに達してねおちしてしまった。
確かその日見た夢はあまりいものじゃなかったような気がするな。
ホノカ、大丈夫だ。
俺らは絶対に離れ離れなんかならない。ずっと一緒だ。
2人でひとつの双子なのだから。
俺らが別々になるなんてありえないだろ…?
「あら、そうなの?凄いじゃない。次も頑張りなさいね。あの人の子に負けないように」
「……うん!!」
「父さん、今日テストで100点だったんだ。炎華も一緒だよ。」
「そうかそうか!!次も頑張るんだぞ~あんな娘に負けないように」
「……うん。わかってる…」
「マノア兄ちゃん…パパとママ喧嘩してるの?」
「……ホノカは俺が守るから心配しなくていいよ。」
「マノア兄ちゃん?」
「……ずっと一緒だ。俺たち双子は離れたりしない。絶対に」
「約束だよマノア兄ちゃん」
なぁんて…叶わぬ約束なんかして早くも9年が経った。
小3の時に親が離婚した。
原因はまぁ、家系とか、不仲とか色々。
正直ありがた迷惑でしか無かった。
子供巻き込むなよ、お前らだけで何とかしろよ…とか
まぁ愚痴ってもなにも変わんねぇけど。
俺が父さんに着いて行かされたため、もうホノカとはネットとかチャット
とか最低限のネットツールでしかやり取りしてない。
会うことが許されてないからだ。
会いたいが会えない。
こんなこときっとどっかの貧しい国とか紛争がある国とかでは当たり前とか
そんな感じだと思うけど俺らとは縁もないこと。
だがそれがいまは身をもって感じるんだ。
寂しい、と。
おかしいと思わないか?
双子だから2人でひとつのはずなのに、今では1人だ。
夜遅くに父さんはいつも帰ってくる。
今日は既に10:30を迎えた頃だった。
晩御飯が冷めてしまっているので温めて待っていると父さんは話を振ってきた。
「マノア、最近学校ではどうだ?」
なんて突然そんなこと言われてしまえば答えるのなんてひとつしかない。
「……別に……普通だよ。退屈もしてない。」
なんてことを口にする。
もう眠気MAXで眠くて俺の機嫌が悪いのにも
全くと言っていいほど気づかない父さんは話を続ける。
「そうか…勉強に励みなさい。お前はできる子なんだから。」
あぁ、そんな期待かけんなよ。
困るのはお前であって俺はそんなのに答える気は無い。
「わかってるっての……いい加減心配するの辞めたら?親父の方がやばいだろ」
「何を言っているんだ。もう皇家に帰ってきたんだから大丈夫だ。アイツのとこには戻らない」
母さんをアイツ呼ばわりするのが頭にきた。
お前のせいで家庭がめちゃくちゃだ。
なぜ普通に生きられない。
なぜ普通に生活できない。
……あれ、普通って何…?
「あのなぁ…」
「とにかくだ。お前ももうすぐ高校生になるんだからちゃんと勉強しなさい。和紅華全学校に入っているんだ。しっかり成績をとっていい大人にならなければ.......」
ブチッと何かが切れる音をした。
あぁ、堪忍袋か。
こればかりはしょうがないよな。
わなわなと込み上げる怒りのままぶつけた。
「うるっさいな!!!わかってるよ!!」
驚く程声が出た。
それに父さんも怯んで固まったのを見たすきに、
俺は慌てて、急いで逃げた。
閉まり終わった音が聞こえるがそれすら無視して居間を飛び出して自分の部屋の襖を開ける。
勢いよく開けたからバンッ!!って襖が壁にぶつかった音と
昔の家みたいな少し落ち着く。畳の匂いがふわっと香る。
部屋に逃げ込んで座って、頭をめぐらす。
少し冷静になってから再び怒りがふつふつと湧いてくる。
だいたいあの男…父さんが母さんにDVなんて
バカみてぇなことをするからからこんなことになったんだ。
俺は何も悪くない。ホノカも何も悪くない。
いい加減死ねよ。
これ以上俺達双子を巻き込むのはやめろ。
そもそも生まれてきた時点で間違ってたし狂ってた。
だったらもっといい家庭で産ませろよ神様。
なぁ。
はは、こんなことしても意味ねぇのに…
「寝よ…もう起きてても意味ないだろ…」
独り言を呟いて敷布団の上に乗って眠った。
布団からは仄かに花の香りがした。
「もう朝か…」
眩しい光が窓から差し込む。
うわぁ…快晴じゃん。
暑いのやだな。
もう9月だって言うのに猛暑が続く。
早く秋が来ないかな。
今日ゲームのイベント追加日じゃん…ホノカと通話しながらやろ…
くだらないことを考えながら体を起こす。
今日は休日だから学校はないけど勉強はせられるだろうから、
家から出てネットカフェでも行くか。
着替えをして顔を洗ってからカバンの中にスマホと財布を入れた。
朝ごはんはコンビニかなんかで買えばいいでしょ。
家のやつあんまり食いたくないし、俺和食より洋食の方が好きだしな……
まだ少し朝の早い時間となってるから父さんも起きてないはず。
家に委託がないために俺は出かけることにした。
年季の入った軋む床を歩きながら家を出た。
まぁもう家も歳だろう。
そのまま崩れろと皮肉なことを思いながら家を後にし、街へ向かう。
まだ朝早いから涼しいがどうせ今日も35℃は超えるだろう。
半袖のパーカーにしてよかった。
駅に向かうサラリーマンは暑そうなスーツをみにつけていた。
会社員…まぁなるなら自営業がいいな。
YouTubeとか面白そうじゃん。
社畜にはなりたくないな…
そうこうしてるうちにコンビニに着いたのでサンドイッチとカフェオレ、
あとフルーツワッフルを買った。甘党なので許してください。
辛いの無理なんだよ。
店員さんがチラチラと俺のことを見ていた。
なんだよ、なにかついてるの??
そう思いながら会計を済ませてネットカフェに向かう。
日差しが出てきて暑くなってきた。
日焼け止めめんどくさくて塗ってないや。
どうせ焼けるしいいか。
ネットカフェについて利用時間を選んで部屋も決めた。
早速WiFiを借りてスマホの電源を入れた。
「マーノーアーさーん???」
「うわぁ!???」
突然名前を呼ばれ変な声が出た。
やめろ、脅かすんじゃないよ。
脅迫罪で訴えてやる…
冗談はさておきこいつは愛華のところの自立型アンドロイドAI搭載電子回遊機器。
通称アロと呼んでいる。
こいつが来たということは…
「うわっ.......ってアロか。なんだよ、マナカがまたなんか伝言をしに来たのか?」
貸し出し無料のヘッドホンを耳につけながら、
話を聞くことにした。
「そうですヨ!!ん''ん''『俺もその音ゲーやってるからイベント一緒にやろうぜ』……だそうです!」
「いや、それならLINEでも良くね…まぁありがと。9:00からだから開始時刻に集まるように言っといてくれ」
「了解です!!!!じゃあボクはこれで失礼しますね~」
「おう.......はぁ、朝から脅かすなよ…」
ゲームを開いてチームメンバーの編成をイベント用に変えた。
早速リハビリを開始する。
昨日もやったけど毎日やらないと指が鈍るからな。
ちなみにスマホは人差し指じゃあむずかしいので
何とか継続して親指勢として生きている(音ゲー界を)
全く、大きな画面で譜面を叩いたら一体どれだけの快感が
味わえるのだろうか。
まるで変態のように考えていれば既に譜面は動き出していて俺は出遅れたことに気がつく。
大慌ててリトライボタンを押して最初っからやり直す。
これはよくある音ゲーあるあるだ。
実際になっている回数も多い。
あーあまたライブボーナス用のスタミナ減ったよ。
優しい世界じゃないなぁ…
今日はイベがあるのでそっち優先でやってた。
ホノカ達が来るまではネッ友と一緒に通話しながらやってた。
通話しながらゲームするのはめちゃくちゃ楽しい。
これに至っては、最高としか思わない。
こんなゲーム廃人に構ってくれるやつもゲーム廃人だ。
それがありがたいんだけどさ。
リハビリが終わったあとにメッセージが来てたのに気が付いた。
マナカからだ。
何やら面倒臭い予感しかしない。
目をやるとどうやら今日は出かけることになってしまったから出来ないらしい。
マジか。何となく予想はついてた。
はいフラグ回収~
まぁホノカとやるからいいんだけど。
まもなく9時。約束の時間なのにホノカから何も連絡が来ない。
おかしい。
いつもなら何かしらよこすはずだ。
というか9時より前に来るはず。
何かあったのだろうか。
慌ててスマホのLINEを開きメッセを送るが
既読がつかない。
これ、なんかあったな。
そう思い立って通話を試みるも返信なし。
前にも同じようなことがあったから心当たりはある。
恐らくだが病院に連れてかれてるのだろう。
不安で不安でしょうがなかった。
マナカと知り合ったのも2人が入院してる時だったから
ホノカもそれなりに体が弱い。
長い間運動は出来ないし、よく熱を出す。
その度に俺もマナカも寂しかった。
病院に連れてかれたのなら暫くはかえってこないだろう。
スマホもきっと取られてるし今日はもう無理だろうな。
諦めた俺はLINEを閉じて、ゲームの画面を再び開く。
ネッ友も勉強があるからと言って落ちてしまった。
ノーツが動き出す。
指を動かす。
クリアしてまたそれを繰り返す。
いつもは楽しいはずのゲームが、1人虚しく続けるのは何故か悲しくはなかった。
「ホノカ、体大丈夫?平気?どこか悪いとこは…」
念入りに質問をするお母さん。
その優しさが今は少し鬱陶しかった。
「お母さん、私は大丈夫だから休んでてよ」
嘘でもないし、本当でもない。
「で、でも…」
いつまでも過保護だからお父さんにあんなこと言われちゃうんだよ。
もっと厳しくした方がいいのに。
「いいから、ほら行った行った!!」
「な、何かあったら言うのよ!?」
いい加減出て言って欲しくて手でしっしっ…ってやった。
ごめん、後で何でもするから許してねお母さん。
「はーい……はぁ…」
病院のベッドに横たわってる私はまるで包帯ぐるぐる巻きのミイラのようだ。
薬を投与されて少しだけ眠い目を擦る。
白い箱のような病室に来たのは二ヶ月ぶりだった。
周りには誰もいない、私だけの治療室。
薬品の匂いが充満してて少し苦手だ。
手首にぶっ刺された針から伝わる輸血パックから流れ込む血液が気持ち悪い。
今回は貧血が酷かったため輸血を勧められた。
いつもはそんなことないんだけどなぁ…
やることも無くスマホをもらって画面を開くとマノア兄ちゃんから
大量の連絡が来てるのが分かった。
やばい、約束忘れてた。
慌ててLINEを開くがそれが来てたのはもう2時間も前の事だった。
まずい、普通に忘れてたし、すっぽかしてしまった。
兄ちゃんだから大丈夫だと思うけどそれでも謝らなければと思って
電話をする。
「……あ、ホノカ?大丈夫?」
「マノア兄ちゃんごめん!!ちょっと病院いってて…」
「あーwやっぱりか、大丈夫大丈夫w」
「うぅ……あ、ありがとう…後で一緒にやろうね」
「おう、あ、今度いつ会えそう??やっぱり休日は難しいよな…」
「うん、やっぱり学校でしか会えないかな…」
「……そっか、じゃあまた後で。しっかり体調治せよ」
「うん、兄ちゃんまたね。」
久しぶりに聞く声が頭から離れなくなってしまった。
途端に寂しいと感じてしまう。
2人でひとつの双子なのにお母さんとお父さんが離婚したせいで
ばらばらになってしまったのだ。
辛いけど我慢しなくては。
学校でまた会える。
それまでの辛抱だ。
私は誰のものかも分からない血液を見るのは嫌で
目を逸らし、スマホの画面をひたすら見ることとした。
ふと昔の約束を思い出した。
なぜ今なのかは分からない。
あぁ、その時も病院にいた頃だったなぁ。
不安で怖くて仕方が無い時兄ちゃんがいつも支えてくれた。
いつ私のそばにいてくれた。
それが今ではありえないことが起きてしまった。
お母さん、お父さんいつになたっら仲直りしますか?
私兄ちゃんと一緒にいたい。
もしそれが叶わないならあの約束がどうなる?
それはあまりにも悲しい。
寂しい。
……兄ちゃん、私達本当にこれからもずっと一緒なんだよね…?
ホノカから連絡もあってほっと一息する。
どうやら病院にいるらしい。
憶測が当たった。良かった。
いや、良くはないか…
妹が病院で辛い思いをしているのに兄がこんな呑気に
ゲームをしていていいわけが無い。
俺はスマホを閉じてネットカフェから出て家に戻ることにした。
しかし忘れていたことがある。
外は真夏日。
太陽が眩しいほど輝いててあまりにも
引きこもり体質には向いていないのだ。
まずい、日傘を持っていない。
それにもう部屋を返してしまった。
今更戻ってもまた来たのかと迷惑扱いを受けるに決まってる。
コミュ障にそれはきつい。
どうしたものかと焦っていると桜華と出会った。
「あれ…マノア?」
「お、オウカ!!!お前、日傘とか持ってない!?」
「え、えぇ…もしかして貸した方がいいの?」
「頼む!!さすがに暑くて耐えられない!!」
「わかったから落ち着いて…私もそろそろ日焼け止めが切れるから使わないといけないのよ。早くこっちに来て入って。」
「は…はぁ!???」
これは俗に言う相合傘だ。
まずい秋桜にこんな場面を見せる訳には…
いけないいけない、フラグが立ってるじゃないか。
深くは考えないでおこう。
俺は大人しくオウカの隣で傘に入った。
あぁ、嫌われたら困るな。
友達誰もいなくなっちゃうなぁ…
良くないな、このネガティブが…
無言のまま歩いてるのが元気のないように見えたのかオウカが話しかける。
「マノア、もしかして具合悪いの?」
「へあ!?ち、ちげぇーよ!!」
「じゃあなんで喋らないの?何時もならうるさいぐらい話すじゃない。あ、ホノカと一緒の時だけだったわね。」
「もういいでしょそれは!!シスコンなんだから」
「何開き直ってるのよ…まぁいいわ。アキラとこれから待ち合わせだからその場所より少し離れたとことでお別れね。」
「やっぱきてんのかよアイツ…」
フラグ回収の達人だな俺。
どうせアキラの感は鋭いから匂いとかで
誰といたかわかってしまうだろうな。
あいつ犬かよ…あ、イタチか…
イタチって鼻きくのか…?
暑さと思考と両方と格闘しながら日陰のある所まで
連れてってくれたオウカと別れた。
やっぱ隣で見ると美人だと思った。
モデルとかやってるだけあって体のラインとか綺麗だし、
肌も白いし、なんかほんとに高嶺の花みたいな存在。
まぁ俺にはホノカという天使のようが
存在がいるから別にいいんだけど。
結局午後までカフェとか行って時間を潰したけど
昼からは家に帰った。
当然父にはド叱られた。
まぁ家にいたくないから逃げてきたんだけど。
口を聞かずに相も変わらず部屋に引こもる。
どうしたものか。
どうせ居間に行ってもまた色々文句言われて勉強させられ、
俺は再び病み闇ストレス製造機になるだけだ。
病み闇ってなんだよ()
ギシッと椅子が音を立ててもたれかかったり机に伏せていると
スマホから通知音がした。
あぁ、どうせアキラだと思ってみたら驚きを隠せない。
まさかホノカからだったとは。
慌てて開いてLINEを見る。
どうやらさっきのことをまだ気にしているらしい。
そんなに気にしなくても俺困らないんだけどなぁ…
とは言っても不安に思ってるのはしょうがない
大丈夫だよとか打っとけばいいと思ってしまうが
ホノカはデリケートだからちゃんと返信しよう。
メッセージを送って布団にダイブすることにした。
ぼふんと音を立てて俺をゆっくり沈める毛布が心地よい。
周りに響いたかもしれないがそれすら気にしない。
課題しなくちゃ、でも眠い。やる気ない。
とっくに前から諦めてる。
とにかく現実逃避をしたくてスマホを眺めてるうちに
眠気がMAXに達してねおちしてしまった。
確かその日見た夢はあまりいものじゃなかったような気がするな。
ホノカ、大丈夫だ。
俺らは絶対に離れ離れなんかならない。ずっと一緒だ。
2人でひとつの双子なのだから。
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