8 / 38
仲良くなれるのか?
5★
しおりを挟む
服装を千聖さんがおもうハワイな格好にさせられて呆然とする碧だった。
しかし、追い打ちをかけるように、眠っていたはずの鳴まで参加してきた。
焦りながらも、「鳴…、大丈夫か? そう声をかけるが何やら目が輝いている。
あぁ、やっぱり親子だからなのか……と思い黙る碧。
「お兄さん。アロハシャツ似合う!」
満面の笑みを浮かべる鳴に、俺がいなくても、こいつは大丈夫だったのでは…、という思いもよぎる。
「鳴さん? 気分は治ったのかな?」
碧が、顔を引きつらせたまま聞く。
「あんまし悩んでるの趣味じゃないし。しばらく泣いて寝たら落ち着いたかな…」
さいですか…、そう答えてしまいそうな碧だったが、いじめられる限り、完全には心の傷は癒えはしないだろう。
「そうか…。なら良かったな」とだけ答えた。
「で、確か文鳥のお兄さんだよね…。ウクレレ弾けるの?? 聴きたい!」
「弾けねぇよ。千聖さんが、面白半分に持たしただけで…」
そう答えると「お母さんが? やりそう……」
そう首を傾げ、笑みをこぼすと鳴はいった。
まだ少し目元が赤い気はするが、一生懸命に隠そうとして、明るく振る舞う鳴を見て、碧は何も言えなくなる。
「何が聴きたいのか、弾けるのかわからんが、練習はしてみる…」
碧がぶっきらぼうにそう言うと、鳴は嬉しそうに言う。
「どうせお母さんが、お洋服とかそういうの渡したなら、お兄さんずっとお家にいてくれるのよね! やった!」
先程見た泣き顔が嘘みたいに、鳴が笑うものだから、碧は軽く髪を掻くようにして言った。
「仕方ないな。ずっといてやるけど俺、妖なんだぞ。わかってんの?」
「うーん。口は悪そうだけど、優しいのなんかわかるから……。嬉しいな、これからもお兄さんって呼んでいい?」
「文鳥姿の時は、碧って呼べよ。それ守れるならいーや…」
「こっちの人のルールなんて知らねぇから。鳴、教えてくれな?」
「うん! わかった。ウクレレの弾き方の本、一緒に買いに行こうね!」
「話は纏まったみたいね。碧くん、宜しく」
近くで様子を見ていた千聖さんが、そう言って笑う。
この人達には敵わないなぁ。そんな事を感じながら、碧は渡された大量のシャツを見る。
「夏場にでも使って頂戴ね。あと、部屋は2階の鳴の隣がいいかしら。知ってるだろうけど、案内してあげて? 鳴ちゃん」
「はぁい。お母さん! お兄さんこっち! はやくはやく!」
ウクレレと大量のアロハシャツを手渡され、今後自室になるであろう部屋へと、案内されていく碧だった。
しかし、追い打ちをかけるように、眠っていたはずの鳴まで参加してきた。
焦りながらも、「鳴…、大丈夫か? そう声をかけるが何やら目が輝いている。
あぁ、やっぱり親子だからなのか……と思い黙る碧。
「お兄さん。アロハシャツ似合う!」
満面の笑みを浮かべる鳴に、俺がいなくても、こいつは大丈夫だったのでは…、という思いもよぎる。
「鳴さん? 気分は治ったのかな?」
碧が、顔を引きつらせたまま聞く。
「あんまし悩んでるの趣味じゃないし。しばらく泣いて寝たら落ち着いたかな…」
さいですか…、そう答えてしまいそうな碧だったが、いじめられる限り、完全には心の傷は癒えはしないだろう。
「そうか…。なら良かったな」とだけ答えた。
「で、確か文鳥のお兄さんだよね…。ウクレレ弾けるの?? 聴きたい!」
「弾けねぇよ。千聖さんが、面白半分に持たしただけで…」
そう答えると「お母さんが? やりそう……」
そう首を傾げ、笑みをこぼすと鳴はいった。
まだ少し目元が赤い気はするが、一生懸命に隠そうとして、明るく振る舞う鳴を見て、碧は何も言えなくなる。
「何が聴きたいのか、弾けるのかわからんが、練習はしてみる…」
碧がぶっきらぼうにそう言うと、鳴は嬉しそうに言う。
「どうせお母さんが、お洋服とかそういうの渡したなら、お兄さんずっとお家にいてくれるのよね! やった!」
先程見た泣き顔が嘘みたいに、鳴が笑うものだから、碧は軽く髪を掻くようにして言った。
「仕方ないな。ずっといてやるけど俺、妖なんだぞ。わかってんの?」
「うーん。口は悪そうだけど、優しいのなんかわかるから……。嬉しいな、これからもお兄さんって呼んでいい?」
「文鳥姿の時は、碧って呼べよ。それ守れるならいーや…」
「こっちの人のルールなんて知らねぇから。鳴、教えてくれな?」
「うん! わかった。ウクレレの弾き方の本、一緒に買いに行こうね!」
「話は纏まったみたいね。碧くん、宜しく」
近くで様子を見ていた千聖さんが、そう言って笑う。
この人達には敵わないなぁ。そんな事を感じながら、碧は渡された大量のシャツを見る。
「夏場にでも使って頂戴ね。あと、部屋は2階の鳴の隣がいいかしら。知ってるだろうけど、案内してあげて? 鳴ちゃん」
「はぁい。お母さん! お兄さんこっち! はやくはやく!」
ウクレレと大量のアロハシャツを手渡され、今後自室になるであろう部屋へと、案内されていく碧だった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる