新たな世界へ導かれた俺と、迎え入れてくれたきみ。

皇ひびき

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仲良くなれるのか?

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 服装を千聖ちさとさんがおもうハワイな格好にさせられて呆然とするあおだった。

 しかし、追い打ちをかけるように、眠っていたはずのめいまで参加してきた。

 焦りながらも、「めい…、大丈夫か? そう声をかけるが何やら目が輝いている。

 あぁ、やっぱり親子だからなのか……と思い黙るあお

「お兄さん。アロハシャツ似合う!」

 満面の笑みを浮かべるめいに、俺がいなくても、こいつは大丈夫だったのでは…、という思いもよぎる。

めいさん? 気分は治ったのかな?」

 あおが、顔を引きつらせたまま聞く。

「あんまし悩んでるの趣味じゃないし。しばらく泣いて寝たら落ち着いたかな…」

 さいですか…、そう答えてしまいそうなあおだったが、いじめられる限り、完全には心の傷は癒えはしないだろう。

「そうか…。なら良かったな」とだけ答えた。

「で、確か文鳥のお兄さんだよね…。ウクレレ弾けるの?? 聴きたい!」

「弾けねぇよ。千聖ちさとさんが、面白半分に持たしただけで…」

 そう答えると「お母さんが? やりそう……」

 そう首を傾げ、笑みをこぼすとめいはいった。

 まだ少し目元が赤い気はするが、一生懸命に隠そうとして、明るく振る舞うめいを見て、あおは何も言えなくなる。

「何が聴きたいのか、弾けるのかわからんが、練習はしてみる…」

 あおがぶっきらぼうにそう言うと、めいは嬉しそうに言う。

「どうせお母さんが、お洋服とかそういうの渡したなら、お兄さんずっとお家にいてくれるのよね! やった!」

 先程見た泣き顔が嘘みたいに、めいが笑うものだから、あおは軽く髪を掻くようにして言った。

「仕方ないな。ずっといてやるけど俺、あやかしなんだぞ。わかってんの?」

「うーん。口は悪そうだけど、優しいのなんかわかるから……。嬉しいな、これからもお兄さんって呼んでいい?」

「文鳥姿の時は、あおって呼べよ。それ守れるならいーや…」

「こっちの人のルールなんて知らねぇから。めい、教えてくれな?」

「うん! わかった。ウクレレの弾き方の本、一緒に買いに行こうね!」

「話はまとまったみたいね。あおくん、宜しく」

 近くで様子を見ていた千聖ちさとさんが、そう言って笑う。

 この人達には敵わないなぁ。そんな事を感じながら、あおは渡された大量のシャツを見る。

「夏場にでも使って頂戴ね。あと、部屋は2階のめいの隣がいいかしら。知ってるだろうけど、案内してあげて? めいちゃん」

「はぁい。お母さん! お兄さんこっち! はやくはやく!」

 ウクレレと大量のアロハシャツを手渡され、今後自室になるであろう部屋へと、案内されていくあおだった。
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