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番外編

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 元いた国と関わりを絶ち、2ヶ月ほどが過ぎた。

 やっと最近になって、少しずつレイス様から、レイスと少しはスムーズに呼べる様になってきた。

 けれどレイシアとしての記憶も少しずつ戻って来ている影響か、たまに無意識にお兄様と呼んでしまい、レイスを困惑させている。

 公国となった公爵領の名産とお父様お母様達を慕う方々が、領地を持ち配下に下る、そんな中前世の記憶を活用して色々なものを作る、そういう日々を過ごしていた。


「レイス、今日は何が食べたいですか?」

「うーん。この間話ていたラザニア? 食べてみたいな」

「わかりました! ポテトサラダとグリーンサラダはどっちが良いですか?」

「ポテトサラダかな…?」

 レイスが私を見つめている中、いつも通り料理をする。

「まさかツナまで作るとは思わなかったな…」

 そう言いながらポテトサラダ用のツナを小さく崩していく。

 じゃがいもと洗った卵を火にかけて、茹でる。


 ゆで卵を小さく切り、じゃがいもを丁寧に潰し、軽く煮たコーンの水煮とツナを混ぜ合わせる。薄い櫛切りにし水につけ、辛味を取り去った玉ねぎとマヨネーズに塩、胡椒、オリーブオイルをたらし、彩りよく飾ればポテトサラダの完成。

 ラザニア用に作ってもらってた生パスタを茹でてもらう。

 料理長であるラフェルは、「前に教えもらったホワイトソースを作れば良いのですよね?」と、手早くバターで小麦粉を炒め、少しずつ牛乳で伸ばしていく。そして塩と胡椒で味を整えていく。

 ミランはトマトソースの為に、皮を湯剥きしたトマトを煮詰めて行く。

 クレイは「私はスープを作りますね。コンソメで宜しいですか?」

「そうですね。多分ラザニアがこってりしているので、さっぱりしていて口直し出来て美味しいかも…」

 私はファルトに頼んでいた玉ねぎのみじん切りをしんなりとなるまで炒め、ひき肉、ミランが作ってくれたトマトピューレを使い、ミートソースを作っていく。

 トマトの爽やかな香りが立ち、美味しそうな香りがしてくる。これらも塩と胡椒で味を整える。

 バターを塗った完成したての耐熱容器にホワイトソースを塗る。パスタ生地を乗せ、ホワイトソース、ミートソース、パスタ生地そういった作業を繰り返し、最後にホワイトソースをかけて、ピザやグラタン用に作ってもらった伸びるチーズを乗せ、竈の様なオーブンで綺麗に焼き色が付きチーズがトロトロに溶け出すまで加熱をする。

 焼いているうちに、すごく美味しそうな香りがしてきて、私もなんだかワクワクしてくる。

 多めに作ったラザニアの焼きは、ラフェルに任せて、その場においてあったリンゴの種を取り、櫛切りにしてバターで炒める。軽くシナモンパウダーを振り、お砂糖で少し甘さを増し、バッグに入っていたアイスを添え、少量ながら味見としてレイス達に差し出す。
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