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始まり

7【改稿】

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 プリンも出来上がったので、プリンを冷やす。飾り付けて午後のお茶を楽しみたい。

 そう思って生クリームを冷やしながらグラニュー糖を加えつつ混ぜ始める私。
 本当ならスポンジケーキにシロップをひたしたりして、それをプリンの下に敷いたりしたら美味しいのだけど。

 今回は簡単に風味を足しただけで今回は許してもらおう。

 せっかくなので濃く入れた紅茶を入れて、紅茶のシロップを混ぜた生クリームも作りたい。さっぱりした味わいで好きなのだ。

「私が泡立てましょう」

 ルカがそういったかと思うと、風の魔法で膜を作りその中をリズミカルに混ぜ込んでいく。風の魔法を使って生クリームを泡立てるなんて魔法ってすごい!

「すごいすごい! 泡立て器使わなくても出来るなんて! 私も魔法の練習頑張ったら、出来るかしら?」
「お嬢様ならすぐに出来てしまいそうです。次の機会にでも、教えて差し上げますよ」
「ありがとう! ルカ」

 私はお礼を言いつつも次の工程にうつる。
 イチゴ、キウイフルーツ、パイナップル、マスカットと言ったフルーツを食べやすいサイズにカットする。

「生クリーム出来ましたよ。他にすることはありますか?」
「ありがとう。そしたら半分を絞り型に。残りは少しずつ紅茶を足して貰ってから、絞り型に入れて貰えるかしら」

 クッキーも焼き上がり、冷ましている。

 器を用意して焼き型をひっくり返してプリンを入れた所に、少し色のついた紅茶のシロップ入りの生クリームをいれる。
 その上にほんのり甘みをきかせた生クリームて飾り付ける。

 あとはバランス良く、フルーツを飾り付ければ完成だ。美味しそうに出来た気がする。

「生クリームとか、プリンとか、残ったものは好きに使って食べていいわ。好みに合ったら嬉しいけれど…」
「宝石箱の様にカラフルで愛らしいですね!」

 ルカが出来上がったばかりの、プリン・ア・ラ・モードを褒めてくれる。ルカもワクワクしてくれてるみたいで嬉しい。

「簡単なクッキーだけど…味見する?」

 そうルカの顔の前に差し出すと、少し逡巡したように見えた彼が、意を決した風にパクリと食べる。
 サクサクと音をたてながら、咀嚼するルカ。

「バターが効いていて、美味しいですね」
「良かったぁ! クッキーもだけど、ルカに喜んで貰えるのがとても嬉しいわ!! プリン・ア・ラ・モードも期待していてね!」

 そういっていつもなら家族が、お茶に集まるサロンへと向かう。

 あまりお茶の時間にスイーツや軽食をいただく習慣がないため、家でだけでも習慣づけたい。
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