5 / 17
始まり
4【改稿】
しおりを挟む
さて…、そろそろご飯も炊きあがるから良い匂いがしてきた。
そうしたら卵に生クリームを入れてよく混ぜ、フライパンにバターを落とし、卵をオムレツの様に中をふわとろに焼き上げる。
「このまま食すのですか? 少し味付けが薄いように見えましたが…」
ルカが興味深そうに覗き込んでくる。初めて食べたマヨネーズがお気に召したのか、心做しか瞳がキラキラしている。
「推しが尊い…。ルカの分も作るからもう少し待っていてね!」
チキンライスをお皿に盛り付け焼き上げたオムレツを乗せトロリとご飯に満遍なくかかったらケチャップをかけて完成!
料理が冷めないように作られたらしい魔道具に入れて、次の皿にとりかかる。 6皿作ったので厨房の人達にも一皿味見用におすそ分け。
朝からオムライスなんて重いかしら…と不安になりつつ、レタスやトマトやキュウリを盛り付けたお皿にマヨネーズをかける。ドキドキしながら、オムライスの乗ったキッチンワゴンを押してくれるルカと共に、朝食を待つであろうお父様たちの所へと向かう。
ノックをし「今日の朝ごはんは私が作りましたの。食べてくださいますか?」そう言って、ルカに食事を並べてもらう。
「アンジェが作ってくれたのか?」
「まぁ! アンジェが?」
お父様とお母様は口々にそう言うと喜んでくれた。
お兄様は「妖精ちゃん、ありがとう」とか言いながら私をぎゅーぎゅーと抱きつぶす。
「ルカも一緒に食べてもいいですか? 彼の分も作ったの!」
にこやかに聞くとお父様も頷いてくれる。
「もしも今後呪いが解ける事があったら、人前でやっては駄目だぞ? それが分かっているならばいいよ」
「大好き! お父様!」
嬉しさのあまりに思いのままにお父様の胸へとダイブする。
「お嬢様! 旦那様……そんな恐れ多いです」
「外にも出れないこの子の数少ない我儘だ。君も聞いてやってくれないか?」
「そこまで言われるのでしたら。謹んでお受け致します」
ルカもお父様には弱い。
お父様が席へと私達を促して、「さあ頂こうか」その言葉を合図に朝食は始まった。
私は見本の様にオムライスをスプーンにすくって、ケチャップを少しつけて口にすると爽やかな酸味と卵の優しい味が口の中に広がる。
その後にチキンライスのさわやかな酸味と玉ねぎの甘みやパプリカの風味が広がってくる。うん美味しく出来た。
そう思ってお父様たちを見てみると一瞬勇気が必要だったみたいだけど、パクパクと食べ進めている様に見える。
良かった! サラダも食べ進めて全員完食したみたい。
「美味しかったよ! 妖精ちゃん」
「アンジェにこんな才能があったとは…」
「また食べたいわ!」
「お嬢様、大変美味しかったです。ありがとうございます」
すごくいい笑顔でルカも笑ってくれる。
「良かった! また今度お菓子も作ってみてもいい?」
また食べたいと、その言葉を聞き厨房の人達に、味見用にオムライスを残してきてよかったなと思った私だった。
そうしたら卵に生クリームを入れてよく混ぜ、フライパンにバターを落とし、卵をオムレツの様に中をふわとろに焼き上げる。
「このまま食すのですか? 少し味付けが薄いように見えましたが…」
ルカが興味深そうに覗き込んでくる。初めて食べたマヨネーズがお気に召したのか、心做しか瞳がキラキラしている。
「推しが尊い…。ルカの分も作るからもう少し待っていてね!」
チキンライスをお皿に盛り付け焼き上げたオムレツを乗せトロリとご飯に満遍なくかかったらケチャップをかけて完成!
料理が冷めないように作られたらしい魔道具に入れて、次の皿にとりかかる。 6皿作ったので厨房の人達にも一皿味見用におすそ分け。
朝からオムライスなんて重いかしら…と不安になりつつ、レタスやトマトやキュウリを盛り付けたお皿にマヨネーズをかける。ドキドキしながら、オムライスの乗ったキッチンワゴンを押してくれるルカと共に、朝食を待つであろうお父様たちの所へと向かう。
ノックをし「今日の朝ごはんは私が作りましたの。食べてくださいますか?」そう言って、ルカに食事を並べてもらう。
「アンジェが作ってくれたのか?」
「まぁ! アンジェが?」
お父様とお母様は口々にそう言うと喜んでくれた。
お兄様は「妖精ちゃん、ありがとう」とか言いながら私をぎゅーぎゅーと抱きつぶす。
「ルカも一緒に食べてもいいですか? 彼の分も作ったの!」
にこやかに聞くとお父様も頷いてくれる。
「もしも今後呪いが解ける事があったら、人前でやっては駄目だぞ? それが分かっているならばいいよ」
「大好き! お父様!」
嬉しさのあまりに思いのままにお父様の胸へとダイブする。
「お嬢様! 旦那様……そんな恐れ多いです」
「外にも出れないこの子の数少ない我儘だ。君も聞いてやってくれないか?」
「そこまで言われるのでしたら。謹んでお受け致します」
ルカもお父様には弱い。
お父様が席へと私達を促して、「さあ頂こうか」その言葉を合図に朝食は始まった。
私は見本の様にオムライスをスプーンにすくって、ケチャップを少しつけて口にすると爽やかな酸味と卵の優しい味が口の中に広がる。
その後にチキンライスのさわやかな酸味と玉ねぎの甘みやパプリカの風味が広がってくる。うん美味しく出来た。
そう思ってお父様たちを見てみると一瞬勇気が必要だったみたいだけど、パクパクと食べ進めている様に見える。
良かった! サラダも食べ進めて全員完食したみたい。
「美味しかったよ! 妖精ちゃん」
「アンジェにこんな才能があったとは…」
「また食べたいわ!」
「お嬢様、大変美味しかったです。ありがとうございます」
すごくいい笑顔でルカも笑ってくれる。
「良かった! また今度お菓子も作ってみてもいい?」
また食べたいと、その言葉を聞き厨房の人達に、味見用にオムライスを残してきてよかったなと思った私だった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる