私と愉快な動物たち。

皇ひびき

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本編

ハムスターと私2

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色々あってお家に迎えたリナはみるみる我が家に馴染んで定年退職した父のハートを掴んでいた。
その頃は食べさせてはいけない食べ物などを気にしてはいなかったので、欲しがるものをあげてた。

カレーとかステーキのかけらとか。
むしろあげないと私の指に穴が開く勢いだったのも要因の一つかも。

「彼女はリナちゃんの凄いところを見てみたい!!」そう褒めると全力全開で回し車を回す子だった。
気がついたら年の近い姉もハムスターにはまっていた。 ん?? なして??

ある時、スーパーファミコンの時代からハマってたかまいたちの夜の舞台になってるペンションにお泊りする代わりに、興味すらなかったスキーを、する羽目になったことがある。

普通に過ごすと信じてたリナは、突然と具合が悪そうだ……。
「調子の悪い私をおいて行かないわよね?」とでも言いたげだ。
心配した私は、旅行行くのやめるか!?と思った。でも八王子に向かい、高速を使って長野についた頃、自宅に公衆電話から、5時過ぎにも関わらず、リナの様子を聞くのに電話したら、「あんた達が出てすぐに元気に走り回ってたわよ??」と母に言われた。

リナ…、お前仮病かよ…。
それ以降、私や両親が旅行する出発直前に、失踪事件を起こすのと、急に体調が悪くなるリナ対策に、旅行の話と準備は彼女の前ではしない!そんなルールが暗黙の了解となった。 
そんなこんなで旅行の準備を進めていたからか、リナは気が付かなかった。

『ねぇ!あの人達どこいったの!?』とでもいいたげに、私は八つ当たりで何日かかじられ続けて流血案件だった。

「リナ…お前遠慮知ろうな?」
本気でこいつ躾け直してやろうかと思っている内に両親が帰ってきた。
父は帰って早々、リナに彼女の好物のヒマワリの種を受け取り真顔で投げ捨てる。
『きっと父が見てない所で、拾って食うだろお前!!』私はそんな失礼な事を思っていたし、すぐ忘れると思ったのに一週間は受け取らなかったリナ。

「私の淋しさわかったかしら!」
多分そういう事なんだろう。

いつの間にやらリナにハマっていた家族は、そんなツンデレ味のある彼女も愛でるのだ…、私を含め…ね?


リナに旦那を見つけようと、雄のシンジくん(エヴァ当時ハマってた…)をお迎えするも……。彼女の好みと違ったらしく独り身のまま生涯を終えた。

ジャンガリアンハムスターの生涯は短い……。シンジくんは初代リナが亡くなってから、僕愛されてるよ!!とでも言いたげに愛らしくなった。
愛情足りてなかったのね…ごめんよ?とか思いつつ、2代目のリナを迎えた。

やはりシンジくんとは、番にはならなかったけど。
あまりの別れの早さに、心が耐えきれなくなった私は、ハムスターを育てるのを3匹でやめた。

けれど、父が亡くなった時、母曰く「りなーー!」と嬉しそうに父が呼んだので異変に気がついたそうで、ああ……、リナがお迎えに来てくれたのか……となんとなく思った。

私も何か虫の知らせ的なものがあったらしく、前日の夜に仕事帰りにも関わらずご飯「帰ったら作るから、待っていて」とらしくもなく、しゃぶしゃぶの材料とビールを買って帰宅したし。

私も少しでも嬉しい気持ちで、旅立ってくれたのなら、救われる気がする……。
ペットたちに対しても、今はそう思う。
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