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43.由紀先輩の凄さ
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「あ、でも俺の妹も好きですよ」
別の意味も含むけど。
「そうなんだ!佐武くんの妹さんとは話が合いそうだな~。……そうそう今、この本の話でメールでやり取りしてる子がいるんだけど、妹さんともいつかお話ししたいな」
なんか聞いた事ある話だなと思いながら、話せると良いですねと言う。
その時、にこにこと笑う顔を見るとふいに思い出すものがあった。
「あの……もしかして、新入生歓迎会に出てたり、しました?あの、図書委員勧誘とか?」
図書委員勧誘があったかは全く覚えてないけど、図書委員のこの人が出るといったらそのくらいしか思いつかない。
「んー、確かに出たよ。でも、図書委員勧誘はなかったなぁ」
佐武くん面白いねと笑われる。
手に持っていた本を棚に返して、由紀先輩は本棚に軽く寄りかかる。
「えーとね、多分佐武くんは真面目に生徒手帳とか見てないと思うんだけど。校則に書いてあるの。原則、部活は三つまで兼部してよし。委員会は二つまでよしって。……変な校則よね?私もそう思う」
失礼な事を言われた気もするけど、確かに校則なんてまるで読んでない。
「それで、友達が生徒会入っててね、図書委員の私に人手不足だから手伝ってくれって言うの。おかげさまで図書委員と生徒会書記やってます」
「……仕事とかこなせるんですか?」
「んー、手伝ってもらいつつなんとか?」
えー、凄いどころの騒ぎじゃない。
「由紀先輩、凄いですよ」
「そうでもないよ。委員会掛け持ちしてる子、今は私以外いないけど前はいたみたいだし」
それでも凄いと思う。
俺なんか部活も委員会もしていない。
そうやって人の為に頑張れるって凄い事だと思う。
「褒めてもらって嬉しいけど、私も弟に甘いから役職に甘えて色々やっちゃってるから」
「……例えばなんです?」
「んー、欲しいって言う本を三冊までしか貸しちゃいけないのに五冊貸したり?」
真剣な顔で言うからおかしくて俺は久々に腹を抱えて笑った。
別の意味も含むけど。
「そうなんだ!佐武くんの妹さんとは話が合いそうだな~。……そうそう今、この本の話でメールでやり取りしてる子がいるんだけど、妹さんともいつかお話ししたいな」
なんか聞いた事ある話だなと思いながら、話せると良いですねと言う。
その時、にこにこと笑う顔を見るとふいに思い出すものがあった。
「あの……もしかして、新入生歓迎会に出てたり、しました?あの、図書委員勧誘とか?」
図書委員勧誘があったかは全く覚えてないけど、図書委員のこの人が出るといったらそのくらいしか思いつかない。
「んー、確かに出たよ。でも、図書委員勧誘はなかったなぁ」
佐武くん面白いねと笑われる。
手に持っていた本を棚に返して、由紀先輩は本棚に軽く寄りかかる。
「えーとね、多分佐武くんは真面目に生徒手帳とか見てないと思うんだけど。校則に書いてあるの。原則、部活は三つまで兼部してよし。委員会は二つまでよしって。……変な校則よね?私もそう思う」
失礼な事を言われた気もするけど、確かに校則なんてまるで読んでない。
「それで、友達が生徒会入っててね、図書委員の私に人手不足だから手伝ってくれって言うの。おかげさまで図書委員と生徒会書記やってます」
「……仕事とかこなせるんですか?」
「んー、手伝ってもらいつつなんとか?」
えー、凄いどころの騒ぎじゃない。
「由紀先輩、凄いですよ」
「そうでもないよ。委員会掛け持ちしてる子、今は私以外いないけど前はいたみたいだし」
それでも凄いと思う。
俺なんか部活も委員会もしていない。
そうやって人の為に頑張れるって凄い事だと思う。
「褒めてもらって嬉しいけど、私も弟に甘いから役職に甘えて色々やっちゃってるから」
「……例えばなんです?」
「んー、欲しいって言う本を三冊までしか貸しちゃいけないのに五冊貸したり?」
真剣な顔で言うからおかしくて俺は久々に腹を抱えて笑った。
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