俺の幼馴染はよく溶ける

蒼キるり

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18.夢物語

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 えー、うーん、これ俺が何かしてやれることあるのか?ていうか親がしゃしゃり出ちゃダメか、俺だったらすげえ嫌だもんな。


「いや、でも早くないか?」

「えー、お父さん、硬い」

「勝谷硬いよお」


 由那は子どもに加担するんじゃない!
 いや、確かに早いと思わず言ってしまったのはよくないけど。由宇の自由だけど。
 食べ終わって由那と二人で食器を洗いながら俺が愚痴ると由那が吹き出すように笑った。


「私、保育園だった」

「そう考えると、こえーな」


 ていうかませてる。すげえな。色々と。あの時トラウマにならなかった俺は俺でなかなかのものだ。


「勝谷は人たらしでしたなー」

「人聞きの悪い」


 由那がけらけらと笑って、大丈夫だよおと気軽に言う。なんで分かるんだ。


「私と勝谷の子だもん」

「信憑性に欠ける」


 どの辺に大丈夫要素があるんだ。


「大丈夫だって。失恋しても死ぬわけじゃない」

「身も蓋もねえな、由宇に言うなよ」

「んふふ、言わないけど。大丈夫だって。私も勝谷と一緒になれるなんて夢物語だったし?」


 それが今はこうして一緒、と腕を絡められると何にも言えなくなる。
 まあ大丈夫か。なんてずっと由那と一緒にいるせいで移ってしまった軽い考えで俺も思った。
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