重くて甘い愛の証

蒼キるり

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中編

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「んんっ」

 ジェーンはいきなりキスをされた驚きのあまり目を見開く。必死で身をよじるが、ヴィルは気にも留めない様子でジェーンの両手首を強く掴んで動けないようにする。
 せめてキスだけでもやめさせようとして唇を掻き分けて入って来る舌を押し出そうとする。それでも優しく舌を絡められてしまう。
 ジェーンは初めての感覚に思わず体の力が抜けてしまい、ヴィルのされるがままになってしまう。
 微かな水音にジェーンは小さく身を捩るが、舌を吸い上げられて鼻にかかる甘い声があがってしまう。

「僕はずっと前から、ジェーンが好きだよ」

 唇をようやく離されると、息も乱さずにヴィルが言う。
 ヴィルの唇が微かに濡れているのが、先程までの激しい口付けの唯一の証だった。

「だからジェーンが僕の事を嫌いでも、僕は君を抱くよ。僕だけのジェーンになって」

 抱く、という言葉にジェーンは頬を赤く染める。
 その反応に気を良くしたヴィルは片方の腕でジェーンを押さえたまま、体を軽く起こしてジェーンの白く細い足を抱える。

「綺麗な足をこんなに傷だらけにして……」

 優しい表情を見せられ一瞬力を抜くジェーンを見過ごさず、その隙にヴィルはその足に口付けを落とした。

「や、やめて!」

 その声は無視し、ヴィルは傷に唇を寄せる。ちろちろと赤い舌を出して、舐め上げる。痛いはずなのに、甘く痺れる感覚にジェーンは戸惑った。
 おかしい、こんな事やめさせないといけないはずなのに。
 そんな思いを抱えるジェーンの体は心とは裏腹にその行動をやめさせることが出来ない。
 ヴィルが傷に軽く歯を立て甘噛みした途端、「んぁっ」と自分から出たとは信じられない程の甘ったるい声が響いた。
 ジェーンが困惑しているのに気づき、「感じてるんだ」とヴィルは嘲りを混ぜた声で言う。

「僕の事なんか嫌いなくせに、傷を舐められて感じるなんて。君って淫乱だったんだね」

 そんな事言わないで、と言葉にする前にネグリジェに手を掛けられてあっという間に剥ぎ取られてしまう。
 ジェーンが寒さに身体を震わせる。その時ジェーンはここが森の中であることと自分の淫らな格好を思い出して激しい羞恥心に襲われた。
 その間にもヴィルが体中にキスを落とす。無理矢理の行為のはずなのに優しささえ感じる行動にジェーンは困惑を隠せず辛うじて小さく「やめて」と囁く。
 そんなジェーンの拒絶には構わずヴィルの唇は緩やかにジェーンの下肢へと滑り落ちていく。つ、と辿り着いた淡い茂みに軽くキスをする。

「……濡れてるよ?本当はやめて欲しくないんじゃないの?」

 そんな事ない、とジェーンは首を振る。その姿を見て薄く笑みを浮かべた後、ヴィルは指を秘部の中に埋め込んだ。
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