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【第1部】第1章 舞踏会
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「クレイン、また縁談を断ったそうね」
美しいブロンドの髪に白銀のティアラを付けた女性は、クレインと呼ばれた青年の部屋に入るなり、彼に詰め寄っていた。
「は、母上、私にはまだ結婚は早すぎます」
クレインは、慌てて答える。
「何を言っているのですか。今のあなたと同じ24歳で、国王様は私と結婚したのですよ。7日後、あなたのために舞踏会を開きます。そこで伴侶にしたい女性を見付けなさい。もし、見付けることが出来ない時は、母が決めた相手と結婚してもらいます。良いですね」
王妃は、クレインの返事を待たずに部屋から出て行った。
この国の王太子であるクレインの伴侶、つまり王妃になりたいという令嬢は少なくない。
王妃の美しさを受け継いだクレインは、貴族令嬢たちの憧れの的でもあった。
正直、クレインは自分に言い寄ってくる令嬢たちが苦手であった。
他人を蹴落としてまでクレインの妻になろうとする姿勢に、クレインは嫌悪感を抱いていた。
先日も、令嬢同士で血を流すほどの大喧嘩を行う騒ぎが起こっている。
クレインは、令嬢たちの前で極力無表情でいるようにしていた。
クレインが少し口角を上げただけで、令嬢たちが「誰に向けた笑顔か」で争うからだ。
クレインは、舞踏会の参加者名簿を見ながら大きなため息を吐いた。
舞踏会に参加する令嬢たちは、ほとんどクレインが縁談を断った者である。
憂鬱な表情を浮かべたクレインは、もう一度大きなため息を吐いた。
美しいブロンドの髪に白銀のティアラを付けた女性は、クレインと呼ばれた青年の部屋に入るなり、彼に詰め寄っていた。
「は、母上、私にはまだ結婚は早すぎます」
クレインは、慌てて答える。
「何を言っているのですか。今のあなたと同じ24歳で、国王様は私と結婚したのですよ。7日後、あなたのために舞踏会を開きます。そこで伴侶にしたい女性を見付けなさい。もし、見付けることが出来ない時は、母が決めた相手と結婚してもらいます。良いですね」
王妃は、クレインの返事を待たずに部屋から出て行った。
この国の王太子であるクレインの伴侶、つまり王妃になりたいという令嬢は少なくない。
王妃の美しさを受け継いだクレインは、貴族令嬢たちの憧れの的でもあった。
正直、クレインは自分に言い寄ってくる令嬢たちが苦手であった。
他人を蹴落としてまでクレインの妻になろうとする姿勢に、クレインは嫌悪感を抱いていた。
先日も、令嬢同士で血を流すほどの大喧嘩を行う騒ぎが起こっている。
クレインは、令嬢たちの前で極力無表情でいるようにしていた。
クレインが少し口角を上げただけで、令嬢たちが「誰に向けた笑顔か」で争うからだ。
クレインは、舞踏会の参加者名簿を見ながら大きなため息を吐いた。
舞踏会に参加する令嬢たちは、ほとんどクレインが縁談を断った者である。
憂鬱な表情を浮かべたクレインは、もう一度大きなため息を吐いた。
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