──どんなに、どんなに。
「環菜先輩、もう、遅いですか」
*
雅環菜《みやび かんな》は吹奏楽部でチューバを吹く、高校二年。
しかし、高校入学から一年が経った最中、新入部員の中に、中学の頃すれ違ってしまった嶌梓《しま あずさ》を見つけてしまった。
好きのタイミングが違い、空回りに終わった環菜と梓。
中学の頃はバスケ部だったのに、どうして梓君は吹奏楽に入部したのだろう。
もう、気まずい思いはしたくないんだけれどな……。
*
小柄なチューバ奏者×年下フルート男子
一人ではできない、皆がいるからこそできる演奏って、ありますね。
一人だけの“音”が、様々な音色が重なって初めて、“音楽”に変わる。
そんな瞬間を、丁寧に描けたら、と思い執筆しました。
執筆期間 2017.09.16~09.26
表紙イラスト:Yuu様
『プロローグ』
第一章 『ふわり春風になびく髪』
第二章 『思い出には、目を伏せて』
第三章 『胸を駆け巡る恵風』
第四章 『二人だけの、音楽室』
第五章 『ゆらり揺れるタチアオイ』
第六章 『好きなんだ、きっと』
第七章 『金木犀の香りに乗せて』
『エピローグ』
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