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第二章
20.仕事探し(1)
しおりを挟む「──これで最後っ……と!」
早朝から馬車に荷物を乗せて、王都の新居へと向かう。ノーマンさんが荷物運びにとお付きの者を付けてくれようとしたが、大した量ではないので断った。
アパートの場所は時計台のある王都の中心部よりすこし西側で、王宮から馬車で5分、到着してから歩いて10分ほどの距離でそこまで離れてはいないので王宮へも気軽に遊びに行けてしまう距離だ。
馬車でたったの5分。
あっという間に街へと着き馬車を降りてダヴィッドさんより譲り受けた大きなトランクケース(中身は衣類が多いので軽い)を持って降りる。
アパート周辺は内見の時にも通ったけど、八百屋、肉屋などの食料品を扱う店から小さな雑貨屋さんやカフェ、食事処などが立ち並んでおり活気があり住みやすそうな所だ。
シャンデリア王都は治安がとてもいい都市ではあると聞いているが、異世界での初めての一人暮らしのため治安は良いに越したことはない。
異世界での一人暮らし。
現在仕事もない、魔法も使えない、文字も書けない身ではあるが少しだけ浮かれていた。
「──本当にいい部屋」
アパートにたどり着き、鍵を開けて部屋に入る。
部屋から感じる木の温もりと大きな窓からの朝日が暖かく、とても心地よい。
こと細かく装飾が施された家具たちは上品で、この空間に居るだけで自分まで品がよく慣れそうな気分になる。
王宮から用意された新居は、前の世界での暮らしが少し虚しくなるほど素晴らしい物件だった。
洋服を収納したら窓を開けて換気して、早速ルー様チョイスの質の高そうなベットでゴロゴロすることにしよう。
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