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旦那様びっくりday
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こんにちは、皆さん。旦那様ことグレイです。名前は出てないから、覚えてない人も多いと思います。色々ありましたが元気です。性にあわないので普段の口調に戻しますね。
さて、シェリーが出てから1時間で大方のケリがついてしまった。いや、びっくりだよ…こんな事が有り得るのだろうか。
「敵、αに到着。準備完了。」
「よし、やれ。」
僕らは何段階か罠を仕掛けておいた。最初は落とし穴にしてみた。ここは悪戯程度にしておいた。まあ、運が良ければちょこっと戦力削げるかな、ぐらいにしか思ってなかった。
思ってなかったんだが…
「ぐあああああああああああ!!」
「…は?」
「…」
「…」
全員、沈黙。まさかの先陣切った王が真っ先に落ちた。嘘やん。まじかよ。
これには敵軍も戸惑ったようで、足が止まっていた。ええー落とし穴に落ちやがったぞ、やべ、どうしよ…という微妙な空気が流れ始める。
「あー…うん。あそこら辺の足場全部崩せ…たぶん、それで終わる。」
「へ、へーい…」
こうして、隣国との戦争(?)は終わった。
「話せ!私は隣国の王だぞ!!」
「残念ながら今は虜囚です。」
屈辱に歪み、更に何か言おうとした王の口にナイフを入れる。何かあれば直ぐに切り裂けるように。
「貴方に残された道は2つです。その命一つで国を守るか。新たに平和条約を結んだ上で王位を次世代に譲るか。こちらはメルリア王国の属国という扱いになります。さて、どちらを選びますか?」
王は属国を選んだ。即答であった。
「懸命なご判断です。私共も要らぬ血は浴びたくないので。それではこちらへ。一筆書いて下さい。」
震える王の手にペンを握らせ、書類にサインさせた。用は終わったから、牢に入れた。牢、と言っても位の高い人間用の部屋だが。
とりあえず、一山超えた。ふっと息着いた瞬間…
「旦那様!!!!!」
真っ青な顔でシェリーが帰ってきたのだ。
「シェリー!!!」
老公め、何がシェリーの事は任せろだ!戻ってきてしまっただろう!!というか、どうやって帰ってきたんだ!?とりあえず、一番大事なことを話した。
「シェリー、老公の元へ戻るんだ。戦争…と言っていいのかわからないけど、まだ終わってない。まだ危険なんだ。だからぐっふぁ!?」
だから戻ってくれと言おうとしたら、とんでもない威力の正拳突きが鳩尾にめり込んだ。
やばい、痛い。ガチ痛い。思わずその場に座り込む。
「私は旦那様の帰る家を守りたい!貴方の隣に立ちたい!!だから、帰りません!!危険だから?ふざけないで!!こんな時に傍におらず、何が妻ですか!!危ない時だけ逃げるなんてこと、私は絶対にしない!!」
強い視線が僕を射抜いた。その瞳があの日と重なる。僕が恋に落ちたあの日に。思い出した。そうだった。君はそういう人だ。そうして、僕は君のそういう所に惹かれたんだった。ふっと力が抜ける。痛む鳩尾を抑えながら、立ち上がった。
「シェリー。僕が君を必ず守るから。だから、隣にいてくれ。」
「当たり前です。さあ、後始末をしましょう?」
こんな感じで終焉を迎えた。そういえば、どうやって帰ってきたんだろうか、と聞いてみると…
「頑張って走ったんですよ!」
…今日は色々びっくりな日だった…
さて、シェリーが出てから1時間で大方のケリがついてしまった。いや、びっくりだよ…こんな事が有り得るのだろうか。
「敵、αに到着。準備完了。」
「よし、やれ。」
僕らは何段階か罠を仕掛けておいた。最初は落とし穴にしてみた。ここは悪戯程度にしておいた。まあ、運が良ければちょこっと戦力削げるかな、ぐらいにしか思ってなかった。
思ってなかったんだが…
「ぐあああああああああああ!!」
「…は?」
「…」
「…」
全員、沈黙。まさかの先陣切った王が真っ先に落ちた。嘘やん。まじかよ。
これには敵軍も戸惑ったようで、足が止まっていた。ええー落とし穴に落ちやがったぞ、やべ、どうしよ…という微妙な空気が流れ始める。
「あー…うん。あそこら辺の足場全部崩せ…たぶん、それで終わる。」
「へ、へーい…」
こうして、隣国との戦争(?)は終わった。
「話せ!私は隣国の王だぞ!!」
「残念ながら今は虜囚です。」
屈辱に歪み、更に何か言おうとした王の口にナイフを入れる。何かあれば直ぐに切り裂けるように。
「貴方に残された道は2つです。その命一つで国を守るか。新たに平和条約を結んだ上で王位を次世代に譲るか。こちらはメルリア王国の属国という扱いになります。さて、どちらを選びますか?」
王は属国を選んだ。即答であった。
「懸命なご判断です。私共も要らぬ血は浴びたくないので。それではこちらへ。一筆書いて下さい。」
震える王の手にペンを握らせ、書類にサインさせた。用は終わったから、牢に入れた。牢、と言っても位の高い人間用の部屋だが。
とりあえず、一山超えた。ふっと息着いた瞬間…
「旦那様!!!!!」
真っ青な顔でシェリーが帰ってきたのだ。
「シェリー!!!」
老公め、何がシェリーの事は任せろだ!戻ってきてしまっただろう!!というか、どうやって帰ってきたんだ!?とりあえず、一番大事なことを話した。
「シェリー、老公の元へ戻るんだ。戦争…と言っていいのかわからないけど、まだ終わってない。まだ危険なんだ。だからぐっふぁ!?」
だから戻ってくれと言おうとしたら、とんでもない威力の正拳突きが鳩尾にめり込んだ。
やばい、痛い。ガチ痛い。思わずその場に座り込む。
「私は旦那様の帰る家を守りたい!貴方の隣に立ちたい!!だから、帰りません!!危険だから?ふざけないで!!こんな時に傍におらず、何が妻ですか!!危ない時だけ逃げるなんてこと、私は絶対にしない!!」
強い視線が僕を射抜いた。その瞳があの日と重なる。僕が恋に落ちたあの日に。思い出した。そうだった。君はそういう人だ。そうして、僕は君のそういう所に惹かれたんだった。ふっと力が抜ける。痛む鳩尾を抑えながら、立ち上がった。
「シェリー。僕が君を必ず守るから。だから、隣にいてくれ。」
「当たり前です。さあ、後始末をしましょう?」
こんな感じで終焉を迎えた。そういえば、どうやって帰ってきたんだろうか、と聞いてみると…
「頑張って走ったんですよ!」
…今日は色々びっくりな日だった…
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