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アントス編
嫉妬は緑の色を持つ 四
しおりを挟む桶で掬った湯で流れ出た精液を流す。アントスの肩からもかけ、温めるのも忘れない。
性欲処理の後始末は今やブラットの仕事だ。最初はアントスも、自分で引き受けたことだからと自分でやりたがった。しかし精液をかきだしたあとはすぐにブラットが交尾をしたがることが多く、結局また精液で腹がいっぱいになってしまう。処理を任せ、そのままの流れで(ブラットにとっての)お清めセックスに励んだ方が効率がいいと学んでからは役目をそのままにしていた。
ある程度精液をかきだすと、アントスの下腹部は元通りになった。孔から垂れる白濁もほんのわずかほどになる。しかし襞にこびりついた分まで出ていったわけではない。
「あ……、ブラット……」
ブラットはアントスの艶かしい喘ぎ声や表情ですっかりビンビンになった性器を孔に押し当てた。ゆっくりと腰を前に突き出し、オーガの精液にまみれたままの熟れた内部へうずめていく。
「はぁ……ん……。ブラットの、おちんちんだ……」
ドラゴン種であるブラットの性器はヘミペニスだ。根元から二股にわかれている。どちらもオーガほどではないがそれなりに大きく、長い。
そして、表面には細長い楕円の形をしたかえしがびっしりと生えていた。といってもどれも先端が丸っこく弾力性があるので、柔らかく繊細な粘膜を傷つけることはない。
元々は快感をもたらし、番の排卵を促すものだ。この村に来てからは、専ら他の雄の精液をかきだすために使用されているが。
ブラットが挿しこむのは一本だけである。襞にこびりついた他の雄の精液をこそげとる間、もう一本はアントスのペニスと密着させて擦りつけ、兜合わせの快楽を与える。
「はぁ、ぁあ……、まえも、うしろも、きもちい、ぃ……」
ブラットの腰使いに連動する双つのペニスに、きゅう、きゅう、と孔をひくつかせながらアントスの体がぶるりと震えた。ブラットに比べれば小柄なペニスから、つう……と色の薄い精液が垂れる。散々オーガにイかされたために、勢いも濃さもない。
ゆら、ゆら、とブラットの動きに合わせてアントスの腰が揺れ動いていた。雄を誘う淫らさ。出ていった精液の代わりを欲しがるようにペニスを抱きしめる中の動きと相まって、否応なく欲を煽られる。
グゥゥ。唸るブラットの律動が徐々に速まっていく。ゴリゴリュ、ぢゅぷ、ぢゅぷぷっと肉襞をかきむしっていく肉棒。
「ぁあっんぅ、ブラット、ブラットぉ……っ」
甘く啼きながら、顔のすぐそばにあった尾の先を抱きしめるアントス。すりすりとなめらかな頬を寄せ、舌を出してぴちゃ、ぴちゃ、と鱗を舐め始めた。
命の危機を察知した時に己の身代わりとするトカゲのように、全身の中では切れやすい尻尾にはあまり神経が通っておらず、感覚が鈍い。やわらかく濡れたアントスの舌の心地を味わうならばと、ブラットも長い舌と首を伸ばした。
「ん、ふぅ、ブラッ、ぅんっ」
ちゅる、ちゅぱ。絡めとった舌の表面を擦り合わせ、唾液を混ぜ合わせる。
ブラットから送られてくる唾液を懸命に飲みこむアントスだったが、なにぶん量が多い。すぐ唇から垂れて顎や首を伝い、ぷっくりと膨らんで赤みを主張する胸の粒の周辺をいやらしく濡らしていく。
アントスは性欲処理のために下半身こそ繋げるが、ねだられない限りキスも舌を絡める深いものもしない。彼にとって唇を交わし合うことは、セックスよりも大事な事だからである。
だがブラットは、己と契約した召喚獣だけは別だ。アントスにとって召喚獣とは己の半身、そしてなにものにも代えられない家族なのだから。
奥と入口をすばやく行ったり来たりする肉竿の動きと、楕円形のかえしによって粘膜のすべてをちゅこちゅことかき回される気持ちよさ。そしてずりずりとペニスの裏側を攻め立てる刺激。
射精こそ緩やかながら、アントスは何度も絶頂に昇りつめていた。余韻を残すような長い恍惚感は、まさしく女が感じるというそれに似通っている。止まらないブラットの腰使いによって治るどころか引き延ばされ、そしてまた絶頂を味わうという悪循環。
「ぁ~~……、~~……ぁ」
ほしい、な。快感に浮かされた意識で朦朧と思う。
先ほどの、オーガのように。熱くてべったりと染みこむ性愛の証で、たっぷりと腹を満たしてほしい。
「ブラ、……ット……!」
名を呼べば、心得たとばかりにグルッと短い声を上げる召喚獣。家などの狭い場所に入る時には折りたたまれている双翼がバサッと広げられるのは、射精が近いという合図。
ペニスが奥深くへと挿しこまれる。かえしが羽毛立ち、四方八方の粘膜に喰いこんだ。その状態で小刻みに揺すられたらたまらない。きもちよくてきもちよくておかしくなってしまいそうだ。
いや、もうおかしくなっているのだ。ブラットと主従の契約を結んだあの日から。無理矢理体を繋げられ、啼き叫びながらも、種づけセックスによる天にも昇るような淫楽を覚えこまされた時点で。
きゅうう、と強くブラットを締めつける。ビクン! 大きく跳ねたペニスがより一層膨らんで。
「ぁあ──────~~~~~~………………」
最奥に押し寄せた熱くたぎるドラゴンの精液に感じ入るアントスは知らない。
このあともう一本のペニスも挿入され、あのオーガのように──否、それ以上に、下腹部が精液で膨れ上がるまでたっぷりと中出しされることを。
ドラゴンの嫉妬は根深いのだ。たとえそれで番を壊しかけたとしても、完全に壊れていないのであれば、満足するまで止まることはない。
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