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キオン編
それは加護ではなく、 三
しおりを挟む「準備って……その、大変、なんですか?」
ヒメロスのために加護を受けると決めたとはいえ、痛いのや苦しいのは嫌だ。加護を受けたことも、受ける人を見たこともないので、工程は未知である。
不安から来る怯えを見せるキオンに、ヒメロスは優しく微笑んだ。
「ああ、少しだけだがね。だが心配はいらないよ。俺に身を委ねていれば、人生で一度も経験したことのない気持ちよさを味わえる」
そっと、ヒメロスの手がキオンを押し倒した。視界がぐるりと回り、背中にシーツのなめらかな冷たさが伝わる。
剥き出しの首筋や肩を撫でられる。くすぐったい。身をすくめたキオンだったが、同時に不思議と不安が消えていくようでもあった。
ヒメロスに任せていれば、大丈夫。そう、信頼しきっていることも大きかった。肝心の説明を受けてすらいないのに。
ヒメロスの手のひらが、肩から下に向かって移動した。剣を握る者だけが持つ剣だこで固い皮膚が、キオンの薄い肌を滑る。
「んっ」
通りがてら、指が胸の粒を引っかけた。ぴり、と小さな刺激が走って意図せぬ吐息がこぼれる。
すると指が何度も粒に触れた。撫でたり、さすったり。仄かに色づいた赤をなぞったかと思えば、切りそろえられた爪で軽く押しつぶす。
「ん、ぁ……。ぁ、ん……」
右を攻めたかと思えば左へ。左をいじっては右へ。交互につままれたあとに、ぴちゃりと生温かく湿った何かに覆われる。
驚いて見やると、ヒメロスの唇が粒を啄んでいた。赤子のようにちゅうちゅうと吸い、舌先でくすぐってくる。
「いぁっ」
かり、と軽く歯を立てられたら敵わなかった。キオンは身を捩った。胸に与えられた刺激が、ゾクゾクと肌の表面を走る。
「なかなか感度がいいね……」
ぺろりと一舐めしたのちにヒメロスの唇の端が吊り上がった。粒を弄る方とは逆の手が、キオンの体の線に沿って腰のあたりまで下りている。
「ひっ」
するりと撫でられる性器。色素の沈澱がなく、仄かな赤に色づいた無垢な象徴は、胸への手遊びだけで緩く勃っていた。
「一度、気をやっておこうか」
「ヒ、ヒメロスさ、あっ」
敏感な部分を手のひら全体で包まれて、キオンの体が跳ねた。己とは異なる体温や肌質が根元から先端を揉み絞る。途端に目の前で光がはじけた気がした。
「やああっ! お、おちんちんっ、なんか、くるっ」
「大丈夫。これは気持ちいい、だ。ほら、気持ちいいと言ってごらん?」
たった一度擦られただけで、性器への愛撫に不慣れなキオンのモノは達していた。ピュルッと吐き出された白濁を指で受け止め、たっぷりと絡めて潤滑に利用する手が上下する。
「ああっ、あああっ! き……、きもち、いいっ」
二度目の吐精。自慰すらしてこなかったせいか、まだまだ色が濃く粘りが強い。
達したばかりの無垢な体には過剰な快感を、ヒメロスは与え続けた。キオンの体が性的快楽の真髄を知らないことは見抜いている。己がハジメテの相手になるだろうことも。
どうせハジメテを奪うなら、徹底的に快楽漬けにしてやりたい。セックス初心者にはいっそ暴力にすら感じるほどの、溺れるような淫悦を。
強弱をつけてキオンを扱くヒメロスは、粒をこねくり回していた手を離して枕の下に忍ばせてある軟膏を取った。
強い媚薬成分が練りこまれてある特殊なものだ。初めてのセックスでは伴いがちな貫通による痛みをやわらげ、快感に変換する。
それを指先に取り、性器への刺激に震える双球よりも下、隠れた孔に触れる。固く閉ざされた小さな入口は、微かに収縮していた。
「ヒメロス、さん……。気持ち、いい、よぉ……っ」
三度目に至る絶頂で意識が朧になっているのか、敬語が緩んでいた。頬を紅潮させ、涙や涎を伝わせるキオンは、達しても達しても止まない快楽に思考が一杯で気づいていない。
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