リアルファンタジーオリジン

エロ重視短話

イグニス×竜玖 １－５

　己の体とシーツに挟まれた股間が、じわりと生温かく濡れていた。精液だ。何度放ったのかはわからないが、少なくとも吸水性の良いシーツに水溜りができるほどにはイかされたらしい。
　連想のようにとっ散らかった記憶が脳裏に瞬く。そうだ。こうなったのは、イグニスをイかせようとして、口で愛撫して、でも失敗したからで。
　芋蔓式に思い出す。性急に求められ、普段の半分も解していない後孔に巨根を呑みこまされた瞬間を。
　完全には蕩けきっていない内襞を限界まで押し広げた太さ。指では届かない最奥、そして続く固い扉をたやすくこじ開けて踏み入った長さ。狭い窄まりをくぐり抜けてなお止まらない侵入者は、根元までもを竜玖に銜えさえ、脈を打っては今なお存在を刻みこんでいる。
　長くいやらしい前戯に骨抜きにされた後は、そこまでイグニスの熱を感じ取ることはない。否、少し言葉が違うか。感じ取れない、というより、感じる余裕がなくなる、という表現が適切だろう。何せ慣らしと同時に何度も射精を促され、精と共に体力まで放出してとろとろのヘトヘトになってしまう。
　記憶を辿るにつれて一層明確なイグニスの形をまざまざと思い出してしまい、竜玖はただでさえ赤い頬や耳の色を強めた。楔のごとく己の中に埋めこまれ、マーキングのように擦りつけられ、味わわされている最中だというのもあって駄目だった。


「ッ、……フ、締まったな。激しくされる様でも思い描いたか？」

「そ……んな、ことはッ」

「図星か」

「や、ッア！」


　ぱちゅん！　ぱちゅん！　子種がぎっしりと詰まり、皮が張った双球を尻たぶに食いこませんとばかりに腰を叩きつけられる。肉と肉がぶつかる音、粘ついた液をかき回すくぐもった水音。硬い切っ先が、続いて砲身がしこりを殴り、容赦なく押し潰す。その都度目がチカチカと眩むほどの気持ちよさがあふれた。
　獣の交尾のようなうつ伏せでのセックスは、正常位よりも結合が深い。逃がさないとばかりに厚い肉体が密着という建前をもって背部を押さえつける。荒い息遣いとともに竜玖の卑猥さを言葉に当てはめる唇は、声とともに耳元に張りついて離れなかった。


「ッあ、あっアッ、あひッ、ぁあっ」


　するりとイグニスの片手が下腹部を摩った。いやらしい手つきに肌がぞわりとする。連動して中が窄まり、短く息をこぼしたイグニスがペニスを最奥にめりこませた。繰り返していた出し挿れが、小刻みな動きへと移り変わる。


「だがこうやってペニスを奥深くまで挿しこんだまま、揺さぶられるのもたまらないだろう？」

「ああっああッ、アッアッあっぁッ、……ッ、クッ！」

「イッたな。お前の中が、俺の種を求めて食い締めているのが、わかるぞ……ッ」

「止まっ──～～～～ッア！　とま、……って！　イグ、ニ、ス……ッ！」


　空から深淵へと落下するような絶頂。達したと気づいているのに、イグニスの揺さぶりは終わらない。