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セカンドストーリー
それぞれの恋愛エンド 読者に感謝サービスエピソード フレアの場合
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フレアの場合
春になりフレアは三年生になる。そうなって来るとそろそろ卒業を考えるようになり、いてもたってもいられなくなった彼女はリリアーナの部屋へとやってきた。
「フレア様如何なさいましたの?」
「うん、今日はリリアにちゃんと伝えたい事があってね。話、聞いてくれる」
行き成りやってきたフレアの様子を不思議に思い見つめる彼女へと王女が説明するように話す。
「はい?」
「前にリリアが私に尋ねて来たでしょ。この学園の中に好きな人がいるって話して誰の事が好きなのかって」
「はい、尋ねました。それで、その相手とは一体……」
不思議がるリリアーナへとフレアが話し出す。その言葉に瞳を輝かせ食らいつく彼女へと真剣な眼差しで王女は次の言葉を口にするため姿勢を正した。
「それは……それはね」
いざ言おうとすると恥ずかしくなってしまったようで口ごもる王女の様子に、リリアーナは次の言葉を待つ。
「それはね、わたしがこの学園で好きになり、結婚したいとまで考えている相手は……リリア、あ、貴女の事よ」
「…………へ?」
頬を赤らめ話切ったフレアの様子を呆気に取られて見詰める。まさか自分の名前が出てくるとは思わず思考が止まってしまったのだ。
「え、えっ!? 私ぃ!?」
「あははっ。いきなりで驚くわよね、そりゃ」
盛大に驚くリリアーナの様子に王女がひとしきり笑うと、真面目な顔へと戻る。
「他のライバル達に先を越される前に貴女に気持ちを伝えておきたいと思ってね。リリア、わたしは本気で貴女を愛しているの。他の誰にも渡したくない程にね。返事はすぐに出せなくても構わないわ。でも、わたしが卒業するまでには答えを出してもらいたい」
「フレア様……私の事を本気で好きになってくださったのですね。……私もフレア様に出会って、側で一緒にいるようになって貴女の魅力にずっと惹かれておりました。これが恋心なのかどうかわかりませんが、私貴女の事友人としての好きでは見ていないと思います。だからその……きぁ!?」
王女の気持ちを知ったリリアーナは抱いている想いを伝えた。途端に抱き締められ驚く。
「今はそのままでいいわ。でも、その気持ちが本物だって事わたしがこれから教えてあげるから」
「フレア様顔が近い、近すぎますわぁ~」
抱きついてそう囁くフレアへと彼女は顔を真っ赤にして叫ぶ。
これが恋心というのか今は分からないリリアーナでも両思いだと気付く日が来るのはそう遠くなさそうだ。
春になりフレアは三年生になる。そうなって来るとそろそろ卒業を考えるようになり、いてもたってもいられなくなった彼女はリリアーナの部屋へとやってきた。
「フレア様如何なさいましたの?」
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行き成りやってきたフレアの様子を不思議に思い見つめる彼女へと王女が説明するように話す。
「はい?」
「前にリリアが私に尋ねて来たでしょ。この学園の中に好きな人がいるって話して誰の事が好きなのかって」
「はい、尋ねました。それで、その相手とは一体……」
不思議がるリリアーナへとフレアが話し出す。その言葉に瞳を輝かせ食らいつく彼女へと真剣な眼差しで王女は次の言葉を口にするため姿勢を正した。
「それは……それはね」
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「それはね、わたしがこの学園で好きになり、結婚したいとまで考えている相手は……リリア、あ、貴女の事よ」
「…………へ?」
頬を赤らめ話切ったフレアの様子を呆気に取られて見詰める。まさか自分の名前が出てくるとは思わず思考が止まってしまったのだ。
「え、えっ!? 私ぃ!?」
「あははっ。いきなりで驚くわよね、そりゃ」
盛大に驚くリリアーナの様子に王女がひとしきり笑うと、真面目な顔へと戻る。
「他のライバル達に先を越される前に貴女に気持ちを伝えておきたいと思ってね。リリア、わたしは本気で貴女を愛しているの。他の誰にも渡したくない程にね。返事はすぐに出せなくても構わないわ。でも、わたしが卒業するまでには答えを出してもらいたい」
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「今はそのままでいいわ。でも、その気持ちが本物だって事わたしがこれから教えてあげるから」
「フレア様顔が近い、近すぎますわぁ~」
抱きついてそう囁くフレアへと彼女は顔を真っ赤にして叫ぶ。
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