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15さい
90話 その後……
しおりを挟むそれから漸く身体の熱が鎮まった俺は、ラディと一緒にお風呂で身体を洗い、軽く食事を食べさせてもらった後、2人でベッドへ入った。
今日一日ずっと気を張っていて疲労が溜まっていたのか……ベッドへ潜ると直ぐにうつらうつらと眠気が誘う。
「…ラディ……ごめん、俺…また迷惑ーーーーー」
「リーツ……僕は迷惑だなんて一瞬たりとも思ってないし、嬉しかったって言ってるでしょ?それ以上謝ったら本当に怒るからね」
そう言って俺を睨むラディ……でも、全然怖くは無くて、俺はコクリと頷く。
「あ、うん……あの、ありがとう」
上掛けシーツを口元まで上げて小さくつぶやくと、ラディはモゾモゾと動き出して俺を優しく抱きしめる。
抱きしめられると大好きな匂いと温もりがもっと伝わって来て、ドキッと心臓が跳ねた。
「僕も、リツに会いたかったから……はぁ、やっぱりリツとこうしてると凄く落ち着く……」
ラディは俺の首元に顔を埋め大きく息を吸った。
首元で喋られると、その息が敏感な首にかかって擽ったいけど……俺もラディのそばは何故だか凄く落ち着くから、ラディも俺と同じ気持ちって事が知れて嬉しかったーーーーー。
「ラディ……大好きーーーー」
そう小さく呟いて、俺は重くなる瞼を閉じた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
sideラディアス
リツと離れてから1日と経たずに僕は既にリツ不足に陥っていた。
美しくて可愛くて無邪気なリツは皆を魅了する。
でも当の本人はそんな自覚はなくて僕はいつも頭を悩ませていた。
アカデミーに入学して以前よりも忙しい毎日を送っていても当然その不安は拭えることはなく、授業中にも関わらず大きな溜息を吐いた。
出発の前に渡した魔法石。
……別に、発情期じゃ無くても呼んでくれていいのに。
そう考えるもリツの事だ……きっと僕に迷惑がかかるとかそんな事を思っているのだろうと心の中で苦笑する。
早い話僕から会いに行けばいいのだが……僕はリツが求めてくれるのを待ちたいのだ。
僕がリツを求める気持ちとリツが僕を求める気持ちが同じだと言うことを感じたい。
……そう考えると自分の中にこんなにも大きな執着心があった事に驚くも呆れる。
「はぁ……リツ、会いたい」
誰にも聞こえない声で僕はそっと呟いたのだった。
数日後のある日、肌身放さず身に付けていた魔法石が淡い光を放った時はいても立っても居られなかった。
だが、その日は運悪く王城専属騎士団との模擬試合で抜け出す事が出来なかった。
僕は一刻も早くリツの所へ行かなければと向かってくる奴ら全てを薙ぎ払っていき、その最中もリツの事で頭がいっぱいだった。
結局稽古が終わる頃には日が沈み辺りが暗くなり始めた頃だったが、僕は疲れなど知らず直ぐに移動魔法を唱えリツの元へ飛んだのだった。
「ーーーーリツ!!」
部屋へと転移するとリツを確認する前に声を上げた。
……だが、返事が無い。
その状況に背筋が冷えたのも束の間、ベッドに目を向けるとシーツに包まって眠るリツを見つけほっと息を吐いた。
……良かった…リツが僕を待ってくれていて。
誰かに助けを求めて身体を触らせていたらと思うだけで嫉妬で狂ってしまいそうだ……。
ドクドクと脈打つ胸を抑え呼吸を整える。
目元を赤く腫らし、シーツを抱き込む様にして眠るリツ。ズボンの股は濡れた跡があり色が変わっていた。
「……リツ」
そっと呟くと長い睫毛がピクリと動き、ゆっくりとブロントの瞳が僕を捉えた。
リツが自分を見ている……そう思うだけでも僕の熱は昂り、目の前の愛おしい存在を求める様だった。
僕を見た瞬間、リツは縋る様に……甘える様に僕を求めた。
そんな可愛い存在を目の前にして、誰が正常で居られるだろう……少なくとも僕は耐えられる程、人間が出来上がっていない。
リツは沢山「ごめん」と言葉を吐いた。
迷惑なんて微塵も思っていない……。
ライオネルが話に出てきた時は一瞬身構えたが、それも大して気にする事では無い……まぁ、発情中のリツに不可抗力でも触れたからには後できっちり話はするけど……。
でもリツは本能的に僕を求めて、僕以外を許さなかった様で……それが僕にこの上ない喜びを与えたのを、リツは知る由もない。
……大好き、リツ……僕が今君をトロトロに溶かしてあげるから……。
期待の色を瞳に宿し手を広げ求めるリツに、僕はゆっくりと覆い被さったーーーーーーーー。
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