リス獣人の溺愛物語

天羽

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15さい

74話 抑えられないsideラディアス

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「……っく…はぁ、はぁ……リツ、はぁ……」




疲れて眠るリツを膝に乗せ抱きしめながら、己の強い欲望を素早く扱く。

既に数回出しているにも関わらず、未だ鎮まらないこの昂りは、何度も腕の中の愛おしい存在を意識して欲情する。


僕を見つめて顔を赤らめ蕩けた表情をするリツは、何処までも僕を魅了させた。
いつもは可愛くて無邪気なリツが、こうも色っぽく官能的な表情をするなんて思ってもみなくて、リツを傷付けない様に……自分を抑えるのに必死だった。



「っはぁ!……はぁ、はぁ……リツ……ちゅっ」



ビュッ!と数回目なのにも関わらず大量の精をリツのお腹へと吐き出す。
その姿にまた興奮を覚えつつも、このままではリツの身体が冷えてしまうと思い、僕はリツの首元に軽くキスを落とすと軽々抱き上げて湯船に浸かった。




目元に涙を滲ませて眠るリツ。
獣人の発情期の話は、今から丁度1年前にハビー先生から聞いていた。

きっとハビー先生はこうなる事を予想していたのだろう……。

リツの様子からしてハビー先生は、当の本人には教えていなかった様で、楽しそうに笑うあの人の顔が浮かぶ。



思い返してみれば、リツは朝からずっと様子が変だった。
いつもなら恥ずかしそうにキスを受け入れるリツが、今日に限って自分から唇を合わせてきたり、もっとして欲しいと縋る様に僕を求めてきた。

いつもの恥ずかしがるリツも凄く可愛かったが、頬を真っ赤にして涙を浮かべながら可愛いおねだりをするリツはそれ以上に愛らしくて、稽古を休んでもリツと一緒に居たいと思わずには居られなかった。



そのせいか稽古中もリツの事が気になって集中出来ず、何度も剣術の先生でもある父様に怒られて、その日は少し早く帰らされたのだったーーーーー。





家に帰るとバセスからリツの事を聞かされた。
なんでも今日1日食事も十分にとらず、ずっと部屋に閉じこもっているらしいのだ。


僕はすぐさま部屋へと足を進め、布団の中で震えるリツを確認する。





火照った頬に、蕩けた表情……。
何度も僕の名前を呼び、僕を求める艶やかなリツ……。




その様子を見て直ぐに発情期なのだと気付いた。




獣人の中でも一際強い発情期を迎えるのが男でも妊娠可能である小型獣人の種であり、もちろんその中にリス獣人であるリツも該当した。

平均で16~18歳の内に初めての発情期を迎える獣人が多く、まだ15歳のリツは平均より少し早かったが、毎日キスをして、性感帯である耳や尻尾を触っていれば当たり前の事だ。
それを分かっていたにも関わらず、愛らしいリツを見ると抑えが効かなくなってしまう己の自制心の弱さに今更ながらに苦笑した。



僕を見ると何の躊躇いもなく直ぐに擦り寄ってきてくれるリツ。

初めての発情で怖かった筈なのに誰にも言わないで、ただ僕の帰りを待ってくれていた愛おしい僕の恋人は本当に可愛くて…いじらしくて……僕を誰よりも信頼してくれている事が分かって、天にも登る嬉しさを噛み締めた。



風呂場へと行き軽々とリツを膝へ座らすると、僕を誘うように身体を擦り付け、潤んだ瞳で上目遣いをするリツ……。


それだけで僕のそれは立ち上がり、欲望が渦巻いた。


欲しい……。リツの全てが。
ずっとリツに触れたかった。
でもリツはきっと怖がるから……。
嫌われたくない……そう思ってずっと我慢していた。


トロトロに甘やかしてぐちゃぐちゃにして……早くリツと一つになりたい……。


そんな邪な考えが何度も浮かび、その度にすぐさま振り払っていた。


優しくしたい……。
大切に、宝物を扱うように。



僕にとってリツは何にも変える事が出来ない唯一なんだから……。


なまめかしく僕を誘惑するリツに何とか耐えたものの、僕の欲望は鎮まる気配すらなくて、これが毎月の様にやってくるのかと思うと、我慢できるか不安でしか無いーーーーー。





風呂から上がると、寝巻きを着せたリツをベッドへ寝かしギュッと抱きしめる。
すやすやと落ち着いて眠るリツは形の整った小ぶりな鼻をピクピクと動かし、僕の首元に擦り寄った。



ふわりと胸が温かくなる。



リツと出会うまでは、何もかもつまらなくて心が動かされることなんて一つも無かった。

でもリツと出会って様々な事を知り、僕の世界は沢山の色で染まった。



絶対に離れたくない。


誰にも渡したくない。





……大好きと言う言葉だけでは足りない程……既に僕の世界は君で埋め尽くされているんだよ。





あと一月もすれば僕はアカデミーへ入学し、学生寮へ入る事となる。
そうしたら毎日リツと会うことが出来なくなってしまう。


僕の目が無い時に、リツが他の奴と仲良していると考えただけでも怒りが湧いてくる。
……それが実の弟であるライオネルでも。



リツはハビー先生のもとで定期的に、王都にある騎士団訓練施設に趣き治癒魔法の練習も兼ねて、騎士たちの治療を行っている。
そんな小さくて頑張り屋なリツは、儚く美しい印象の反面、無邪気な可愛い姿が屈強な騎士達から人気で、恋心を寄せる者も少なくない。



……まぁ、気付き次第…僕がちょっとだけ身の程を弁えさせてるけど…。







誰にも触れてほしくない。
僕だけのリツにーーーーーーーー。



でも……僕の心配なんか少しも知らないリツは、無防備な笑顔で男共に近づく。
自分の可愛い笑顔で男を一瞬の内に虜にしているなんて思ってもいなくて……本当に心配で目が離せない。



……僕の恋人は本当に僕を振り回す天才だ…。



安心しきった表情で眠るリツを見つめ、僕はまた苦笑する……。

だが、そんな純粋さも含めて僕はリツを好きになった。
まだまだ不安の尽きない毎日だが、それも悪くないと小さく息を吐き……僕はリツの頬にキスをした。












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