リス獣人の溺愛物語

天羽

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10さい

49話 ガロウィの謝罪①

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「じゃあお先に僕は失礼するね!リツくんまた2日後に来るから待っててね~」


俺に手を振るハビーさんはこの後魔導師ギルドでの仕事が控えている為ラディの父ちゃんや母ちゃんにも軽く挨拶をして帰ってしまった。

一通り話終え、ハビーさんに俺の魔力状態を確認してもらった。

ハビーさん曰く、今の俺は魔力が身体に馴染んでいないため身体の中で異常に魔力粒子が暴れているらしい。
時間が経てば治まるらしいが、俺の魔力量はかなり多いみたいで普通の人よりは時間がかかるみたい。

ハビー先生が定期的に検診に来てくれるみたい(研究も兼ねてだけど……)だからそれはいいんだけど……。


正直さっきから胃がムカムカする感じで気持ちが悪い。


それに、先程試しで治癒の魔法を使ってみようと試みたのだが……何っっっにも出来なかった。
白い光だって出ないし、ハビー先生が研究のためって自らナイフで少しだけ切った指先でさえも治癒できなかった。

ハビー先生は急がなくていいって言っていたけど、本当に治癒や浄化の魔法を使ったのは俺なのかとか、グラニード家の人達はこんな俺の存在を迷惑に思っていないかなとか色々な事をぐるぐると考え込んでしまうともっと胃が気持ち悪くなる。


ハビー先生はラディ父ちゃんに俺の事について色々と話していたみたいだし……なんか国王がどうとかって聞こえた様な気もする。
俺のこの能力って国の王様にまで話が行く事なのかって身震いしたのもほんの数十分前の事。


……俺、迷惑かけてるかな?
ここにずっと居たいけど、それは無理なのかな?


チラッとラディを見ると目が合う。
俺は獣人になっても所詮リス獣人だから身体が小さくて、ラディを見上げる形になる。

だが……俺と目が合った瞬間、ラディは少し顔を赤らめると直ぐに顔を逸らしてしまった。
  

……え?


その瞬間の状況に俺の思考が追いつかず、一気に全身が冷えていく。

胸にモヤッと何か変なのが広がり俺はその状況にも不安を覚える。



いつもなら目が合うと優しく微笑んで撫でてくれるラディ。


でも今あるのはその真逆の様な状況ーーー。



(……やっぱり俺が勝手な事してラディを危険な目にあわせた事……怒ってるのかな……)




「……うっく……すっ……はぁ」



胃が痛い……。


誰にも気づかれないように静かに息を吐く。

少しでも長くここに居たいから迷惑をかけないようにと静かに誓う。


俺は出来るだけ嫌な事は考えない様に座っていると「ラディアス、リツ……」と今までかなり口数が少なかったガロウィさんが口を開き、俺とラディはガロウィさんを見るーーーーーーーーーーーーとガロウィさんは床に膝をついて深々と頭を下げていた。


「……あぇ!?」

「し、師匠……」


驚く俺とラディ。
ガロウィさんは一見親しみ易いおじさんのイメージがあるが、ギルドではプライドが高く厳しい人と有名らしい。そんな人がちっぽけなリス獣人と弟子に頭を下げているのだ。
ラディでさえも驚きを隠せていない。


「ーーーーすまなかった!!!!!
……俺はラディアスの師匠として……傭兵ギルドのマスターとして、細心の注意を払ってお前達を守らなければいけなかった!今回の件は予想外の自体ではあったもののそんなのは言い訳だ。俺はお前達を守れなかったっ!
ラディアスが瀕死状態だった時……リツが魔獣に襲われかけた時ーーーーこれまで生きてきてあれほど恐ろしいと思った事は無かった……。こんなんで償いになるなんて到底思わないが、俺はギルドマスターを辞める。そして、ラディアスの師匠も……辞退させて欲しい」


悔しそうに眉を寄せて俯くガロウィさんは爪が皮膚に食込みそうになるほど強く掌を握りしめている。


ラディの父ちゃんはこの事を知っていたのか何も言わず、表情も変えずガロウィさんを見つめていた。



……なんで?
なんでガロウィさんが謝ってるの?

全部全部俺のせいじゃん……。

俺が勝手に場所を離れた。魔獣がいる森だって分かってたのに。

なんでそんなに悔しそうな、悲しそうな顔するの。

俺が悪い、俺のせいだって言えばいいじゃん……なのに、なんで……なんでそんなに自分を責めるんだよ!!



「俺はもう、ラディアスに剣術を教える事はできなーーーーーーーーー」
「……あぃえぇ!!!!!!うぅぅぅ!!」


いきなり声を上げた俺に皆が驚いた。
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