冷酷魔法騎士と見習い学士

枝浬菰

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炎と氷を司る弟子

氷樺 修業③

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俺は師匠と分かち合えた。
そして次の日
「あの、絶海ってどんなところなのですか?」
「絶海は【無】の領地だ」

「【無】ですか?」
「ああ、簡単に行ける者はいないだろう」
「【無】っていうとなにもないという意味ですか?」

「なにもなさすぎて今の氷樺なら1秒も持たないだろうな」
「え……それってつまり【死】の世界ということですか?」

「まぁ絶景ではあったけどな」
「絶景……俺が想像しているものとは遥かに異なります」
「そうだな……1ヶ月の修業もこなしたし、少しは基礎魔法力も上がっているだろ、空間だけでもやってみるか?」

「はい、やってみたいです」
「それじゃぁ」
といい草原に正方形の囲みができ、中に入った。

「俺がスタートもなにも言わないから氷樺はそのままで」
「はい」

【死】の世界……燃え上がる炎なのかそれとも極寒な吹雪なのか……。

とのんきに考えているとそれは突然来た。
さきほどまで普通に呼吸ができていたのに……。
ぐっ……苦しい、思考がまわらない。

もしかしてこれが【】の意味??

「氷樺、雪像を造れるか?」

は? 何言ってるんだ??

魔法を組み込むだけでも酸素を必要としている、というよりもこれ体動かすだけでもキツ……。
ちょっと待ってこの状態でドラゴンに挑んだって……いうこと?
ふっと目の前が暗くなった。

まずい死ぬ……。

パンと囲みが消え俺は草原に寝っ転がっていた。

「どうだった?」

新鮮な空気が勢いよく俺の肺に流れ込んできてむせた。
「ゲホゲホ……」

どうだった?の質問に答えられないでいると
「回復魔法」と唱えられ俺は数分前の自分に戻った。

「……師匠、俺もっと自分を鍛えたいです、絶海で気絶しないようにしたい」
「よしよし、本当に氷樺は賢いな」
と頭を撫でられた。

赤面してしまう。
「あの、この状態でドラゴンに挑んだんですか?」
「ああ、そうだよ俺は基礎魔法力を限界まであげる修業をしていたから、絶海を飛行しながらドラゴンの地に降り立ち、複数のドラゴンと戦いながら【あまいろ】に出会ったという感じかな」

すごすぎるってレベルじゃない。
「あの、俺もその化け物級になれますか?」

「自分で言っちゃうか、ああ俺の修業についてこれればね」
「やります!! 俺師匠についていきます!!」

「それじゃ場所変えようか」
向かったのは魔法国内門だった。


「ここって俺が修業してたところですよね?」
「ああ、氷樺は意図を掴んで走って内周をしていたが今回はほうきに乗って内周してもらう」
「はい、秒数を競うのですか?」

「正解、まぁこの内周だと5秒で戻ってこれるだろう」
「え?」

ん? 俺の聞き間違いじゃないよな??

俺は内周3時間かけて戻ってきた。もちろんこれは走ってだけど、でも飛行魔法を使ってでも1時間は余裕でかかるのに5秒ってどういうことだ?


「まぁ考え方はいろいろだろうね、紅蓮がくるまで後1ヶ月はある、まずは己のタイムを測ってみたりなど研究してくれ」

といい師匠は消えた。
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