捨てられΩはどう生きる？

妊娠編

疫病神

紅羽さんがにこにことそう言ってきた。


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俺は昨日琉架を困らせた。
いや、だって俺のこと眼中にないって感じだったんだもん、、、。
さすがにそれは辛いよ、好きには変わりないけど。


今日はドロドロにして琉架の本音聞こうと思ってたのにその前に璃亜武くんのこと考えてたの、俺には勝てない。
琉架の番は璃亜武くんだ。お腹には新しい命も宿してる。


どうしてその立ち位置が俺じゃなかったのかって普通

ぐあぁああああ！！　ってなるだろ。

「誰にも渡さない」って思ってたのにこんな簡単に誰かのモノになっちゃうなんて

【運命の番】の時もそうだった。

「俺って疫病神なんかな」

Ωと一緒にいたらΩを不幸にするとか？


そもそも琉架は元々βで安心しきってたのかも、今後愛した相手と結婚して幸せな家庭を作るって思ってたのに、、、。


渡しそびれていたこれ「捨てようかな」
月明かりに照らされた丸いそれは俺と琉架をずっと繋いでおく大切なものだ。


見てるだけで涙が流れてくる。
俺と琉架を繋ぐ見える鎖。

βだから項に噛み痕は残らないと思い、作ったんだけど。
Ωになっちゃった今琉架には噛み痕が残る。

そしてそれが俺じゃないってだけでもう絶望だ。

「琉架」


しかし眠れなかった。
2時　事務所
この時間帯は営業外ということも事務所には誰もいない。
だから俺は机に顔を伏せた。



このまま琉架が俺から離れていくってことになったら生きられない気がする。
いっそのこと死んでしまうのも手かな。


俺には大切なものが留まらない運命なのかな。


そして朝

琉架と目が合った瞬間、俺は咄嗟にムリと言ってしまった。
困ってる琉架可愛い、もっと見たいでも今また顔あげたら琉架に酷いこと言っちゃいそうだ。


ムリっていうのは琉架のことが好きすぎて襲いそうって意味ね。
って俺は誰に説明してるんだよ。


電話がかかってきて出ると比嘉さんから呼び出しだった。
お店でなんかあったのかな、俺目真っ赤だよね、こんな状態で興奮したαに立ち向かう自身ないよ。


店に入る手前には紅羽さんもいた。
そしてなにやらにやにやしてるのだが怖かった。



「あの……」
「日暮、俺と少し外出ないか？」
「し、締められる」

「要さんそれもいいかもしれない」と言われ連行される。