上 下
33 / 50
ロック王国物語編

Episode.10

しおりを挟む
ここで見つかったら最後だろう。
「おや? おやおや、なぜここにいるのだろうか?」
ゾッとして後ろを振り向くと大柄な男に背中をとられた。

逃げようとするが腕を掴まれ羽交い締めにされた。


「なんだ? えらいいい服を着ているな」
「脱がせ脱がせ!!」

「え!? ちょっ」
上着を剥ぎ取られ男達はそれに群がっていた。

「お前城の者か?」

!? バレてる。


「い……いえ違います」
「嘘はつかないほうが……お前Ωか」

!?

「は? バッカじゃねぇのΩがこんなところにいるわけないじゃんか」
「いや、たしかアスベルがΩを城に招き入れたって聞いたぞ」


「「まじか」」
同時にリアクションをとった。

男達は3人いる。

「てことは王が嫌で逃げてきたんだな」
「ち、違います」


コツコツという音が聞こえた。

誰かくる、どうしよう、こんなに多いと僕なにされてもおかしくな。


光と共に現われたのは青年だった。しかもすごい眉目秀麗……。
「あ、マロンさんお疲れ様っす」
「お疲れ様、お昼持ってきたけど……あれ? 君は誰だい?」

「ああ、こいつ城から逃げ出してきたっぽいです」


「逃げたのではなく宝石を探しにきただけです」
「宝石?」
「宝石って多分あれですよね? 奥地にある」
「ああ、あれか、あれは王には渡さない方がいいですよ」
「なぜですか?」

マロンという男は丁寧に宝石のことを説明してくれた。
というよりもここにいるみんなΩだという。

「皆さん、Ωとしてここにいるんですか?」
「俺たちはみな、マロンさんに助けられたんだよ」


「そう! マロンさん本当にいい人すぎて俺たちの憧れっす」
「そこまで大したものじゃないよ」


「ひとまずここは危険だから地上に戻ろう」
とマロンが提案してくれた。しかし

ガシャガシャと響くその音は
「これはこれはマロンではないですか」
と騎士を連れた男が来た。

間違いない、αだ。


「ここへ訪れる際はユーリの許可が必要だが?」
騎士が柄を握った。

マロン以外のΩはみな、縮こまっていた。


「そうですね、許可は得ていませんですが私のもう一つの資格をあなたはご存知ですよね?」
「ええ、ということは彼ですか?」
と腕を引っ張られた。


「ええ、ザスール様がお探しでしたよ」
「すみません」


と僕は誰かも分からぬ騎士についていった。

先頭にいた騎士は振り返り
「マロン、またお話しましょうね」といい地上に上がった。

マロンという男が気になる。


城につくなりすぐにザスールを呼んだ、呼び寄せている間、男は近づき耳元でこういう
「ああ、これがΩの香りですか、しかも特別珍しいモアΩ、すーはー、素晴らしい匂いです」


「あの、助けていただいたのは感謝します、あなたのお名前は……」
「オスカル!!」
という声に言葉を遮られた。

ああ、この方はオスカル様というのか。


こちらに向かってきたのはザスールではなく陛下だった。

「これはこれは陛下、直々のお迎えなんて愛されていますね、ヒスイ様」


「オスカル、ご苦労であった、もう下がってよいぞ」
「かしこまりました、それではヒスイ様また」と言い去った。


「ヒスイ、大丈夫だったか?」
意外にも陛下は僕の腰に腕をまわし全力で抱きしめてきた。
さすがの僕も少し驚く。


「あ、はい大丈夫です」
「ビオラの策略によることだったと判明した時は心臓が飛び出る勢いだったよ」

そこまでになるのか、僕は陛下にとってどういう存在なのだろうか。


「申し訳ございません」

ぎゅーの時間が長いが陛下と共に自室に入った。
思っていた以上に陛下は僕のことを心配していたみたいだ。


「あの、陛下……」
「悪いもうちょっと」


首元で何度も吸っていた。
そんなに僕は香りがするのかと、むしろ汗だくだったので離れたいというのもあるが。


渡り廊下よりは確かにここのほうがいいが、でも違和感も生れる。
陛下は勃起しているようだ。



「ああ、ヒスイよ少し横になってくれないか?」
「へ?」とベッドに押し倒されてしまった。


仰向けでキスをおねだりされもう何回めか分からないキスをした。
「んっ///」

顔を食べられるかのように舌を絡めてくる。
そして手は僕の服を剥ぎ乳首に触れる。
「んっはーぁ//」

くにくにと揉むように撫でてきた。
もどかしいようでそうでもないようで、舌が口から離れ乳首を吸うと全身が敏感に反応する。
「あぁっ……」自然と口元に手がいき、声を押し殺すように鳴く。


陛下の空いた手は陰茎を触りそれを扱いだした。
「んっ//」
「もしかしたら新しい扉が開くかもしれない」と言い
それを咥えた。

「ひっ!? な……なにして」
初めて誰かの口の中に入り、暖かさをしてしまった。

ジュルジュルと吸い上げられると腰が浮きなにかが押し寄せてくる。


「うっ……陛下…」
じゅっと思いっきり吸い上げると

「やっダメ ……うっ」

ビクビクと放出した。


それでも陛下は口に含んだままそれを飲み込んでいた。
「え? 陛下今すぐ吐いてください、汚いです」というものの

まだ口に含んでいた。
これは本当に陛下なのか、疑問に思ってしまう。

「はーはーぁはぁ」

「まずいと思っていたのが気のせいか君のはなぜか甘い」
といい口移しで精液を飲まされた。

しかし味など気持ち悪いしか思えず口端から零れ落ちる精液を舐めとられた。


さすがに僕は引いたが陛下は腰を持ち上げ挿入する体勢になる。

「今日も入れるのですか?」
「ああ、今日の朝以来だな、まだここも十分に柔らかい」といい穴を拡げた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

One Night Stand

BL
「今日、デートしよ。中嶋瑛斗くん」 「……は?」 中嶋瑛斗(なかじまえいと)は都内の大学に通う4年生。就職も決まり、大学最後の思い出作りにと、貯めたお金で友人山本とハワイへ旅行に来ていた。ハワイでの滞在も残すところあと2日となった日。ひとり高級住宅街に迷い込んだ瑛斗は、長身の美男子、相良葵(さがらあおい)と出会う。我が儘で横暴な相良と強制的に1日デートすることになり、最初は嫌々付き合っていた瑛斗だが、相良を知る内に段々と惹かれていく自分を自覚して――。 スパダリ年上男子と可愛い系大学生の異国で繰り広げられる甘くて切ない一夜の恋の話。 ★ハッピーエンドです。 ★短い続きものです。 ★後半に絡みがあります。苦手な方はご注意ください。 ★別ジャンルで書いた物をオリジナルBLにリメイクした作品です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...