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バース王国物語編

Episode.4

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なにもできなかった僕に与えられた仕打ちは大会での優勝、これが叶わないのであれば僕はすぐに殺されるであろう。
使い道にならないものはいらないと。


勝負に勝つにはジョンが一番いい。

「頼んだよ、ジョン」

でも結果ジョンは10位……。

絶望だった、僕が悪い、全部。
そして目の前でジョンを殺された。

「どうしてですか、全部悪いのは僕です、ジョンは一生懸命走ってた、僕が……僕が……」


「あーアベルは分かっていないようだね」
「え?」


「仕置きは君にももちろんするよ、最後のΩとしての役割としてね」



ガラっと扉が開き、僕の両腕は鎖に繋がれ上に持ち上げられた。
そして何人もの男が僕を壊れるまで犯した。


「ゲホ……うわぁあああああ」


あの時ジョンに出会わなければ僕は男によって犯されていた。
そして15歳になる前に死んでいた。


だからほんの数年の命なのだ。

身が裂ける。


「ケホケホ……」声も枯れてきた。
死ぬのが怖い。
でも生きていてもこんな痛くて気持ち悪い思いしかしないのであれば僕はもうこの世界から消えた方がいいのかもしれない。


ぼやーと見える男達。
また数人が入れ替わり僕の中を犯し続けていた。


冷たい水をかけられては起きの繰り返し、たまに強めの薬を盛られ快楽を味わう。


もう嫌だ。



頭を押さえ込まれながら出し入れをしていた男が
「ああ、気持ちがいい、なんなら番にしちまおうか」
「そんなことしたらノエル様に怒られてしまいますよ」

「バレなきゃいいんだよ」


首元を舐めた。

ドクドクと脈打つ性器が中で大きくなる。

「あーいい匂いだ、モアってのがいつ来てるのか分かんねぇからな」
「番になることはないでしょうね」

「ああ、でも興奮がおさならないっ!!」


死ぬ間際なのにこんなにも首を守らないとと意識が向いてしまう。


「んじゃいただき……」
歯茎があたり番にしようとしたその時!!

扉が勢いよく開き騎士が入ってきた。

「な! なんだ!!??」


驚いた男達はいそいそと服をきていたが
「全員捕らえよ!!」


の一声でお縄についていた。

そして僕は遠のく意識を手放した。


-----------------------------
大会 当日

素晴らしい馬だ。
こんなにも繊細な毛並みをした馬を見たことがない。

まだ子馬だがこの子は立派になる。

私は昔から馬と通じ合えることができ一瞬で心を奪われた。

「そこの役人」
「はい、何用でございましょうか」

「この馬を買いたい」

「承知しました、ではこちらに」
と通された。

「あの馬は誰が育てたのか?」

「自分も噂でしか聞いたことがないのですが例のΩだそうです」
「例のΩというのはなんだ?」


「ご存知ないのですか、、、」

「すまない、あまり街中には降りてこないので」
「そうですか、競技場で奴隷市場から買った汚らしい男のΩですよ」

「もしや、栗色をした子かな?」
「ええ、そうです、ご存知なのですか?」

「いや、少し話をしただけだ、その子には会えないのか?」
「あなた様は見たところαですよね、会わせるなんて私の主が許しませんよ、それに彼はきっともうこの世にいませんよ」

「なぜだ?」

「大会に負けたのですよ、彼が育てていた馬が、それの仕置きです、Ωが15年間も生きられただけでもありがたい人生だったと思ったほうがいいでしょう」


「……」
彼は15歳だったのか、泣きそうで震えそうな手で私を掴んできた。


それもそうだ、Ωなんだ。
この世界で一番生きにくい人種。

それを私は変えていきたい。


彼を妻として私は新しい世界へと踏み出すのだ。


そのためにはまずは彼を救い出さないといけない。


そして騎士を総動員してノエル邸に乗り込んだ。
こんなこと前代未聞だ。
しかしノエルは私の言葉を理解ができぬといった。
それがどういうことなのかこの者は分かっていない。


地下室でおぞましいほどの光景を見て、私は胸が張り裂けそうだった。
こうしてΩは数を減らしているのだろう。
生きたいのに生きられない世界として。



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