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バース王国物語編
Episode.1
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「君と番になりたい」
「でも……」
満月が綺麗な夜、僕はとある人からアプローチを受ける。
でもこれはご主人様たちが望んだことだ。
僕はこの人を巻き込みたくない。
ふっと目を覚ますと
「はぁーよかった、夢で……」
藁を被せて寝ていたが急に大きな物音がして目が覚めた。
馬舎のエリザベートが息んでいたからだ。
「大丈夫、エリザベート??」
これはもう子馬が産まれてくる。
「エリザベートもう少しだよ、もう少し踏ん張って……」
朝方 霧に包まれる馬舎に明かりがついていた。
「ヒヒン……」
母体から子馬の体が出てきた。
「大丈夫、ジョンも一緒についてるから」
「はっはっ」
母体の馬は呼吸を荒くしていた。
「せーの!」と声を出しどうにか子馬を出産することができた。
「エリザベート、頑張ったね」
抱きつき喜んだ。
ジョンが寄ってきて僕のことを舐めてくれた。
しかしその喜びもつかの間馬舎に入ってきたのはガタイのいい男達だった。
「朝からなんだ、うるさいな」
僕の腕を引くと大きな拳がお腹に炸裂した。
「うっ……ゲホゲホ……」
お腹を抱え丸くなっていると背中を踏まれさらには腰掛けてきた。
「うっ」
「あー子馬が産まれたのか」というと
こちらを睨んできて
「登録、早くしないとだろ? なにもたもたしてるんだ」
「うぐぐ…も、申し訳ございません」
「とはいえ、兄貴まだ朝早いですよ、ご主人様から私どもが怒られてしまいます」
「そうだな……なら」
首を掴まれ男の笑った顔が見えた。
そのまま出て行こうとするとジョンが男に体当たりしてきた。
「ヒヒーン!!」
「おっとと……」
僕は地面に倒れ、他の男たちがジョンの綱を引いて大人しくしていた。
「いてーな……お前は競技が終われは馬肉として喰ってやるよ」
ジョンは怒っていた。
「ぎゃははははっ」
男達は笑いながら馬舎と僕を後にした。
「ジョンありがとう、助けてくれて、僕はどうなっても構わない、でも君には今産まれてきたシャルの面倒を見ないといけないだろ」
顔をすりあわせ大人しくさせた。
屋敷に明かりがついたころに僕は競技場の門までいき、産まれた馬の登録にいった。
「汚らしいΩですわよ」
「さっさと売り飛ばしてしまえばいいのに……」
僕を蔑む声はどこに行ってもある。
僕が醜いΩだから。
Ωの扱いは酷い。
産まれてすぐは5歳になるまで育てられそこからは奴隷として市場に売られ
売れ残りは道ばたに捨てられ男たちに犯され死んでいく。
αが絶対的な存在で産まれてすぐに貴族やいい屋敷に引き取られる。
そこからは英才教育で世界を支配する。
βはΩよりはまだいい地位にいるが労働面からしたらβが一番多い。
煌びやかな世界にいれるのはαだけと決まりがあった。
しかし女のΩは貴族との交流があり、見初められることもある。
男のΩは奴隷として男の下の世話をしている。
僕もずっと奴隷市場で売られていた。
街から街へ移動していく中
病気になった、馬がいた。
医者はこれ以上は無理だ、と言っていたのを聞いた。
しかし僕がその馬を見ていて、触れるとみるみるうちに馬は元気になり奇跡の腕と言われた。
奴隷役人は驚いていて僕だけ違うところに運ばれ高値で売られた。
それが今いる屋敷の馬の世話をする仕事だ。
でもそれを分かっているのはそこの主のみだ。
「おい、アベル主がお呼びだ」
「はい」
登録をしたあとにすぐに主の元に行ったが屋敷に入るにはそれなりの正装をしていかなければいけない。
こんなヨレヨレの破れた服と汚い体……。
どうしよう。
「あれ、アベルくんどうしたんだい?」
屋敷前に現われた男は僕に声をかけてきた。
男が僕のようなΩに声をかけてくるときの目的はだいたい分かる。
でも早く屋敷に入ってご主人様の元に行かなければいけない。
「あの、ご主人様にお会いしたくて」
「そうか、ならその身なりじゃいけないね、おいで」
と背中に手をおかれ連れ行かれたのは男の寝室だった。
「あの……」
「大丈夫だよ」
といい男は服を出してくれた。
「これに着替えようか」
「……はい」
こんなのただで貰えるわけない。
ガタガタと震える。
こわい。
男が服に手をかけ脱がしていくと先ほど殴られた青あざをなぞる。
「うっ……」
「可哀想だ」
腕を引かれ耳元で
「お風呂に入ろうか」
ごくり……。
きっとなにかされる。
全部脱がされ風呂に一緒につかりぎゅっと後ろから覆い被さってきた、体を洗われる。
隅々まで触られたくない場所まで
「あっ……」
「どうした?」
「……なんでもありま……せん」
蕾みに指が入っていくぞわぞわと感覚を感じる。
「さてと出ようか」
いつの間にか綺麗になっていた。
そして服を着せられ主人の元に連れて行かれる。
「失礼いたします、アベルを連れて参りました」
「ご苦労」
といい男は部屋からでて主人と2人きりになる。
「でも……」
満月が綺麗な夜、僕はとある人からアプローチを受ける。
でもこれはご主人様たちが望んだことだ。
僕はこの人を巻き込みたくない。
ふっと目を覚ますと
「はぁーよかった、夢で……」
藁を被せて寝ていたが急に大きな物音がして目が覚めた。
馬舎のエリザベートが息んでいたからだ。
「大丈夫、エリザベート??」
これはもう子馬が産まれてくる。
「エリザベートもう少しだよ、もう少し踏ん張って……」
朝方 霧に包まれる馬舎に明かりがついていた。
「ヒヒン……」
母体から子馬の体が出てきた。
「大丈夫、ジョンも一緒についてるから」
「はっはっ」
母体の馬は呼吸を荒くしていた。
「せーの!」と声を出しどうにか子馬を出産することができた。
「エリザベート、頑張ったね」
抱きつき喜んだ。
ジョンが寄ってきて僕のことを舐めてくれた。
しかしその喜びもつかの間馬舎に入ってきたのはガタイのいい男達だった。
「朝からなんだ、うるさいな」
僕の腕を引くと大きな拳がお腹に炸裂した。
「うっ……ゲホゲホ……」
お腹を抱え丸くなっていると背中を踏まれさらには腰掛けてきた。
「うっ」
「あー子馬が産まれたのか」というと
こちらを睨んできて
「登録、早くしないとだろ? なにもたもたしてるんだ」
「うぐぐ…も、申し訳ございません」
「とはいえ、兄貴まだ朝早いですよ、ご主人様から私どもが怒られてしまいます」
「そうだな……なら」
首を掴まれ男の笑った顔が見えた。
そのまま出て行こうとするとジョンが男に体当たりしてきた。
「ヒヒーン!!」
「おっとと……」
僕は地面に倒れ、他の男たちがジョンの綱を引いて大人しくしていた。
「いてーな……お前は競技が終われは馬肉として喰ってやるよ」
ジョンは怒っていた。
「ぎゃははははっ」
男達は笑いながら馬舎と僕を後にした。
「ジョンありがとう、助けてくれて、僕はどうなっても構わない、でも君には今産まれてきたシャルの面倒を見ないといけないだろ」
顔をすりあわせ大人しくさせた。
屋敷に明かりがついたころに僕は競技場の門までいき、産まれた馬の登録にいった。
「汚らしいΩですわよ」
「さっさと売り飛ばしてしまえばいいのに……」
僕を蔑む声はどこに行ってもある。
僕が醜いΩだから。
Ωの扱いは酷い。
産まれてすぐは5歳になるまで育てられそこからは奴隷として市場に売られ
売れ残りは道ばたに捨てられ男たちに犯され死んでいく。
αが絶対的な存在で産まれてすぐに貴族やいい屋敷に引き取られる。
そこからは英才教育で世界を支配する。
βはΩよりはまだいい地位にいるが労働面からしたらβが一番多い。
煌びやかな世界にいれるのはαだけと決まりがあった。
しかし女のΩは貴族との交流があり、見初められることもある。
男のΩは奴隷として男の下の世話をしている。
僕もずっと奴隷市場で売られていた。
街から街へ移動していく中
病気になった、馬がいた。
医者はこれ以上は無理だ、と言っていたのを聞いた。
しかし僕がその馬を見ていて、触れるとみるみるうちに馬は元気になり奇跡の腕と言われた。
奴隷役人は驚いていて僕だけ違うところに運ばれ高値で売られた。
それが今いる屋敷の馬の世話をする仕事だ。
でもそれを分かっているのはそこの主のみだ。
「おい、アベル主がお呼びだ」
「はい」
登録をしたあとにすぐに主の元に行ったが屋敷に入るにはそれなりの正装をしていかなければいけない。
こんなヨレヨレの破れた服と汚い体……。
どうしよう。
「あれ、アベルくんどうしたんだい?」
屋敷前に現われた男は僕に声をかけてきた。
男が僕のようなΩに声をかけてくるときの目的はだいたい分かる。
でも早く屋敷に入ってご主人様の元に行かなければいけない。
「あの、ご主人様にお会いしたくて」
「そうか、ならその身なりじゃいけないね、おいで」
と背中に手をおかれ連れ行かれたのは男の寝室だった。
「あの……」
「大丈夫だよ」
といい男は服を出してくれた。
「これに着替えようか」
「……はい」
こんなのただで貰えるわけない。
ガタガタと震える。
こわい。
男が服に手をかけ脱がしていくと先ほど殴られた青あざをなぞる。
「うっ……」
「可哀想だ」
腕を引かれ耳元で
「お風呂に入ろうか」
ごくり……。
きっとなにかされる。
全部脱がされ風呂に一緒につかりぎゅっと後ろから覆い被さってきた、体を洗われる。
隅々まで触られたくない場所まで
「あっ……」
「どうした?」
「……なんでもありま……せん」
蕾みに指が入っていくぞわぞわと感覚を感じる。
「さてと出ようか」
いつの間にか綺麗になっていた。
そして服を着せられ主人の元に連れて行かれる。
「失礼いたします、アベルを連れて参りました」
「ご苦労」
といい男は部屋からでて主人と2人きりになる。
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