どうせβだから……（悩み中）

社長①

「はぁーやっべ、可愛い子いるじゃん」

酒が美味しいBarがあると勧められたから来たんだけど、そこはなんとΩBarだった。


今時まだこういうのあるんだ、Ω的にも番が成立することが目的なのか、それは俺も知らない。
というかΩと番なんて面倒くさい。



でも一目見た瞬間に分かった。
このΩは絶対に俺のものにしてやると


入り口で遠目に見たし表には出てこない子なんだろーななんて呑気に考えていたら酒が進みすぎて少しずつふわふわな気分になった。


「お兄さん、一人で飲んでて寂しくない？」
俺は視線を上げる前に、バニーガールだ。黒タイツ、男なのにご苦労様だこと。
しかし顔を上げると目の前にいたのはさきほどロックオンした相手だった。


首を傾げるたびにうさ耳は揺れていた。


「ん？　君は……」
やはりΩか、ならさっさと番になって俺のにしちゃうのも手だろ、この子がどんな思いで働いているなんか知らない。


「こんなに飲んでどうしたの？」
「あー仕事で失敗しちゃって、ここのBarおすすめって聞いたから」
適当な嘘をつく、仕事は順調だ、むしろ1日稼ぎが1000万なんて普通になってきた。


「そうなんだ、発散とかしたくないの？」
発散？　まぁ別にやれるときにやれる人は多くいる。
セフレでもなんでもない、ただ俺と縁を持ちたいやつとか。簡単に足を開くから。