小さな怪獸

枝浬菰

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この世を正すもの

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「おい、油目あの言い方はないだろ!」

二人は意外と席が近く東條は二つ前の席だった
一人の生徒を挟みながら会話をしているまぁ当たり前に先生が

「東條!お前は!!沢辺と一緒で人に迷惑かけて役に立たないやつだな」
と担任が言った瞬間、東條が担任の胸ぐらを掴んだ

「俺のことは別に構わないが若のことを貶す奴は俺が許さね」
クラスは静まりかえる、東條もかなりのやり手

殴ろうとしたその時、東條の腕は第三者に寄って止められた
担任は第三者の方を見ながら安堵をつく

「油目てめぇ、やっぱり学校の犬か…!?」


東條は良の行動に目を大きく開いた
「先生、今の発言、録音機に収めました」

良は片手に録音機を持ち再生ボタンを押す

「それをどうする気だね?」
おどおどする
「俺がこの学校に来た理由は二つ
・大和静香の更生
・学校の更生
に来ました。言っている意味お分かりですか?」

「お…お前ただの副会長じゃないな!?何者だ?」
東條は既に担任の胸ぐらから手を離していた。

「まぁ簡単に言えば生徒、難しく言えばこの世を正すものとでも言っておきましょ」
(正すもの、なんて大それたことだけど、バカ共にはちょうどいいだろ)


東條は口元に手をおき
「後で職員室に生徒会として行きますがこれからは先生方の暴言も罰に含まれますのでそこんとこ宜しくお願いします、そして東條君すぐに手を出す癖なおしてね」


とこの場は終わった。

隣のクラスでは
(あっやっぱクラスにいない…)
虎が静香を探していた

静香と虎は同じクラス



屋上

「あちーい蒸し風呂だ」
静香は熱いコンクリの上に寝転ぶ

普通なら絶対に熱すぎて寝っ転がったりしないけど静香はなれているから…

「てかなんで油目良いるんだよ…まじ意味わかんねーわ。とにかく今日はもう帰るか…あっバイト行くかすっきりしないし…」

とそこに数人の男子が屋上に上がってきてはしゃぐ
「あちっ上履き履いてても熱いわww」

「こりゃもう夏来たよな、てかやっぱプールの方行かね?」
「でもさっきあそこに小さな怪獸見かけたんだけど」


「まじかよ…あいつって本当に強いわけ?」
「そりゃ強いんじゃないか?学校1って言われてんだし」


「うーんでも俺なら勝てそうww」

「へぇーんじゃやってみるか?」
男2人は水道タンクの方を見上げた
「い…いえ今のは言葉の誤りっていうか…」
「俺は暇だから相手してもいいけどね」

「すんませんでした」と階段をダッシュで降りていくような音が聞こえた


「雑魚、んじゃ行くか」
とドアノブを回したら開かなかった


「はぁ?」

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