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第一章:神の暇つぶし

78話ー【殺人事件の謎】七月二十六日

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 五人は俊夫の部屋の前に立っていた。
 等々最後の探索エリアである事実に、唾を飲む。
 ガチャり、ドアの開く音が聞こえた。
 少しずつ明らかになってくる景色。
 そこは、何の変哲もない、ただの部屋だった。
 ──ベッド。
 ──七月を示しているカレンダー。
 ──タンス。
 ──クローゼット。
 ──パソコン。
 ──本棚。
 ──新聞紙の置いてある机。
 血の一滴すら無く、部屋は清潔そのものである。

「何か普通って感じだね」

「「「それな~」」」

「てかさ、机の上にある新聞紙、これと一緒か?」

 ポケットの中に閉まってあった新聞紙を取り出すと、机の上にある新聞紙をさす。
 それが気になったので、見てみることにする。
 見てみた。
 見てみた結果分かったのは一つ。
 この新聞紙が、七月二十六日のものであることだ。
 ちなみに、談話室で見つけたやつは七月二十七日。

「なあ冬華。新聞紙って、毎日二枚ずつ買ってんの?」

「そうですね。旦那様用と、談話室に通すお客様用です」
 
 新聞紙は毎日、二枚ずつ買っているらしい。

「俊夫ってさ、自分の読む分は自分で取ってく人?」

「はい、そうですね。自分で取っていきます」

 俊夫は自分で新聞紙を取っていくらしい。
 恐らくだが、今日は七月二十七日だ。
 そして、一日前の新聞紙が残っている、ということは。

「……てことはさ、昨日亡くなったってことだよね」

「俺もそうだと思うわ。でもこれ別に使わないんだよな」

「だね、死因と凶器、殺人の動機と犯人を見つけないといけないからね」

「よし、じゃあ早速!って、いきたいのだけど、一つ考えていたことがあるのよ」

「ん?」

「皆も薄々気づいているでしょ?この探索、まだ一つも答えを導き出せていないのよ」

「まぁ……確かにそうだね」

「でしょ?だからこそ、ここの部屋に大きなヒントがあるんじゃないかしら?それも、答えに導くような何かがね」

「つまり綾華は、ここの部屋は一つずつ皆で探索しようって言いたいの?」

「まぁ、そんなところよ。そもそも私達が別れなかったのって、それが目的だったじゃない」

「「「そーだっけ? そーかも……」」」

「はー……先が思いやられるわね…………」

―――
 
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり

【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は
〇パソコンと本が入っている本棚がある

【登場人物】
〇西園寺 奈津子(30歳)
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺 俊夫(32歳)
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条 由紀子(38歳)
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条 冬華(18歳)
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘

 
【探索エリア】
 
『外』
 
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ(赤黄青)やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
(愛がボロボロだから?)
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料

『一階』
 
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁(錆なし)
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子(左奥だけ無い)
▶︎豪華な時計(6時45分13秒で止まっている)
▶︎シャンデリア
○談話室
▶︎カレンダー(7月)
▶︎本棚
・7月27日の新聞紙が見つかる
▶︎枯れたラベンダーの花瓶
(俊夫への愛が枯れた?)
○由紀子の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・メイド服
・私服
▶︎二つの写真立て
・冬華とのツーショット写真
・奈津子とのツーショット写真
(仲の良い人との写真?)
▶︎黄色いユリの花瓶と黄色いバラの花瓶
(俊夫への憎悪と、冬華か奈津子への思いやり?)
▶︎本棚(花図鑑)
・赤いバラは情熱や愛情
・黄色いバラは幸福や思いやり、嫉妬
・青いバラは可能性
・ラベンダーは幸せや期待、貴方を待っています
・黄色いユリは憎悪
○冬華の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・私服
・メイド服
▶︎本棚
・お料理系統の本
▶︎ぬいぐるみ
(由紀子から貰ったプレゼント)
▶︎由紀子とツーショットの写真立て
▶︎青いバラの花瓶

『二階』

○奈津子の部屋
▶︎ベッド
▶︎机の上
・遺書がある
▶︎机の引き出し
・紙が見つかる
 赤―黄ー青
  ❌
▶︎黄色のバラの花瓶
▶︎クローゼット
・私服
▶︎タンス
・下着
▶︎俊夫とのツーショット写真の写真立て
・写真立ての裏には「22歳の誕生日おめでとう、奈津子。12/21」と書かれている
▶︎由紀子とのツーショット写真

『遺書』
愛する家族達へ。
私は過ちを犯してしまった。
それはもう、償うことが出来ないほど大きくて。
自ら命を絶つ以外に他ない。
まだ若い妻を置いて先に逝くことを許しておくれ。
私の遺産は皆で分けてくれると嬉しい。
由紀子達は家族も同然なのだから。
西園寺俊夫。
 
○俊夫の部屋
▶︎ ベッド
▶︎七月を示しているカレンダー
▶︎タンス
▶︎クローゼット
▶︎パソコン
▶︎本棚
▶︎机の上
・7月26日の新聞紙
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