神とゲームと青春を！～高校生プロゲーマー四人が神様に誘拐されて謎解きする～

第一章：神の暇つぶし

67話ー【殺人事件の謎】四人と三つの椅子

　調理室の探索を終えた四人は、直ぐ近くにあったダイニングボールへと足を踏み入れていた。

「流石に驚き過ぎるのも天丼だからな、驚くまいて」

「「「「はえー………………」」」」

「ふふっ。結局、驚いてるじゃないですか」

「だって、ねえ？」

「テーブルが大き過ぎるのよ……」

　そう、四人の目を引いたのはテーブルなのだ。
　横が長く、縦が短い長方形の部屋。
　そんな部屋の半分を占める大きなテーブルが、他にあるシャンデリアや豪華な時計等の存在を霞ませていた。
　しかし四人……いや五人は、この部屋からとある違和感を感じ取ったのだ。

「あのさ、この部屋……なんか変じゃない？」

「あぁ……俺も、何か変だと思う…………」

　五人は部屋の全体像を見てみる。
　──まずは大きなテーブル。
　──次に豪華な時計。
　──その次にシャンデリア。
　そして、三つしか無い椅子。

「ねぇ、冬華さん。ここってさ……もともと椅子、三つしか無いの…………？」

「いえ、そんなことは…………」

　冬華に問いかけたのは樹であった。
　樹のその言葉を聞くと、他の四人はテーブルの周りにある椅子に注目し始める。

「え、嘘…………なんで？」

「うわ、ホントね……他のが存在感あり過ぎて、椅子が全然見えてなかったわ…………」

　手前の左右と、右奥に一つ。
　目を擦って見ても、一、二、三つ。
　この事実に、五人は驚きを隠せないでいた。
　何故ならそれは……

「なぁ、冬華。ここに住んでたの、被害者を含めて四人だったんじゃないのか…………？」

「はい……。私とお母さん、奥様に、旦那様。この、計四人で暮らしていました…………」

　そうだ、この屋敷には元々、亡くなった俊夫を含めた四人が住んで居たのだ。
　それなのに左奥の椅子だけが無く、計三つしか無い。
　これは由々しきことであり、四人はこれが、何かのヒントなのでは無いかとアタリをつけた。

「そう、だよね………………ねぇ、ここから推測が出来ることって何かある？」

「何かしらのヒントだとは思うのだけど…………」

「んーーー…………多分……いや、冬華さん」

「はい、何でしょうか？」

「直球に聞くね。無くなってる椅子ってさ、今回の事件の被害者、俊夫さんの椅子だよね？」

　顎に手を当てながら真剣な眼差しの樹がズバリ聞くと、冬華はコクりと頷く。
　それ見た三人は「やはりそうか……」とでも言いたげな樹の方を見ると、軽く質問をする。

「うわ、マジか……樹、何で分かったんだ？」

「あたしも気になる」

「私も気になるわね。誰の椅子が無くなったかなんて、普通はわからないと思うもの」

「んーそうだなあ……簡単に言うと、椅子の位置かな？」

「「「椅子の位置？」」」

―――

【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり

【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺・麗・だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある

【登場人物】
〇西園寺　奈津子（30歳）
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺　俊夫（32歳）
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条　由紀子（38歳）
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条　冬華（18歳）
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘

　
【探索エリア】
　
『外』
　
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ（赤黄青）やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料

『一階』
　
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁（錆なし）
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子（左奥だけ無い）
▶︎豪華な時計
▶︎シャンデリア
○談話室
○由紀子の部屋
○冬華の部屋

『二階』

○奈津子の部屋
○俊夫の部屋
▶︎パソコン
▶︎本棚