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男児混浴拒否オバサンを息子がスカッと成敗!!

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 私の名前は高橋たかはし綾子あやこ、六歳の息子をもつシングルマザーです。
 シングルマザーになった理由はあまり言いたくは無いですけど、強いて言えば夫の浮気が原因でした。
 ……と、そんなことは関係なくて。
 今回の話は六歳の息子と銭湯に行った時に居た、男児混浴拒否オバサンを息子が成敗した、スカッとした話です。

◆◆◆

 私と息子の健太けんたはその日、日曜日だったこともあって遠くまで遊びに出かけました。
 シングルマザーなこともあり、日頃から息子と一緒に遊んでやれなくて、寂しい思いをさせていたんです。
 そんなこともあって一緒に公園で遊んだときの息子は、とても楽しそうにしていました。
 公園で遊び私達は少し汚れてしまったこともあり、帰る前に銭湯に寄ることにしたのです。
 私はシングルマザーで今は夫が居らず、息子もまだ六歳ということもあり、女湯の暖簾を一緒に潜りました。
 最初に自分の服を脱ぐと息子の脱衣を手伝い、私達は浴場へと入ったのです。
 
「滑らないように気をつけてね?」

「うん!だいじょーぶ!!」

「ふふっ、そっか」

 手を繋いで洗い場へと向かったとき、身体を洗い終わったオバサンが突如、銭湯中に響くような甲高い声で叫んだのです。

「きゃあああああああああ!!!」

 何故か叫んでいることに私達と他のお客さんが困惑していると、そのオバサンは息子を指さして言います。

「なんで男が入って来ているよ!!信じられない!!」

 男……? は? 何言ってんのコイツ。
 みんながそんな視線をオバサンに向けました。
 ほとんどの人がオバサンに呆れ、遠くから私達を哀れんだ目で見ます。

「男って……息子はまだ六歳ですよ?」

「六歳でも男は男よ!あぁ穢らわしい!!」

「ちょっとアナタ、相手は六歳よ?別に良いじゃない」

 ギロッと息子を睨みつけたオバサンを、近くで身体を洗っていたお姉さんが落ち着かせようと、割って入って来てくれたのです。
 そのことに立ち尽くしてた私が心の中で感謝すると、息子がオバサンを指差して言います。

「ママ……あのオバサン、なにごをしゃべっているの?」

「健太、オバサンって言っちゃダメでしょ?それに、あの人が言っているのは日本語よ」

「へぇ……そうなんだ…………」

「キィイイイイイイイイ!!!まだまだピチピチよクソオスガキが!!!!」

「ちょっ!アナタ何て乱暴な言葉を子どもに使うの!?」

「はっ!オバサンの方が酷いでしょーが!!クソオスガキで充分よこんなの!!!」

 宥めてくれているお姉さんと、溶岩の如く沸騰していくオバサン。
 お姉さんに感謝しつつオバサンに頭を悩ませていると、なんと息子が、このオバサンを成敗したのです!!

「ねぇオバサン。としがとしだからね、ボクはガキっていわれてもいいよ? オバサンはとしがいってるのに、オバサンって言われたくないの?」

「当たり前でしょ!!このクソオスガキが!!!」

「オバサンはボクのことを、オスだって、おとこだっていうけどね。オバサンみたいなひとに、ボクはせいてきこうふんをおぼえないよ?」

「…………っ!?」

「それにね、オバサン。ボクにみられてはずかしいのかもしれないけどね、ボクみたいなこどもをオスとしてみるひとのことをね、小児性愛障害ペドフィリアっていうんだって。オバサンびょうきだから、びょういんにいったほうがいいよ」

 その言葉に周りの人が笑いだしました。

「ハァハァハァハァハァハァハァハァ………………キイイイイイイイイイイイイ!覚えてなさいよクソガキがあ!!」

 後ろ指を刺されて俯いたオバサンは拳を握ると、捨て台詞を吐きながら走り去ってしまいました。

「いっちゃったね、ママ……」

「そ、そうね……」

「いでっ!!!」

 私達が滑って転んだオバサンの後ろ姿を見ていると、先程助けてくれたお姉さんが笑っていました。

「その子、凄いですねWWW」

「はい、どこであんな言葉を覚えたのやら……先程は割って入ってくださり、ありがとうございました」

「いえいえ、あーゆーの信じられませんから。ボクも、今度からは思ってもオバサンなんて、言っちゃダメよ?」

「はい、おねえさん!!」

「うんうん、良い子だ!」

「うへへ……そうだママ、ボクのかみのけあらって~」

「はいはい。それじゃあ、本当にありがとうございました」
 
 そう言って私達が一礼すると、お姉さんはニコリと微笑んでお風呂の方へと向かいました。

「それじゃあ、身体洗おっか!」

「うん!!」

 そうして私達は身体を洗って、銭湯で汚れと疲れを取ることが出来たのです。
 そんな、男児混浴拒否オバサンと、難しい言葉を知っている息子のスカッと劇場でした。

―――

オバサンって言われたくないなら、ガキって言わなければ良いのに……
ペドフィリアって言われたくないなら、思春期前のこども位気にしなければ良いのに……
 
ぺドフィリア(小児性愛障害)
▶︎小児に対して性的興奮をもたらす空想をしたり、衝動に駆られたり、行動を繰り返したりする人

混浴制限年齢
▶︎男女共に、7歳以上禁止。
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