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第一章:第一節

8:結局4人共お持ちかえりです。

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 エリザは、仕方無いと思いせっかく助けたのだから、最後までこの子達の面倒をみようと考え。

 それで城に連れて帰る事にした。
「しょうが無いわね。せっかく助けた命だから、最後まで私が面倒を見ましょう」
「エリザ様、そんな事言ってますが、ホントはその子の事が一番気に入ってるんでしょう。ずっと抱いたまま離そうともしませんし、それにその子も満更でもないみたいですから・・・でも、不思議ですよね。エリザ様の体質が変わった訳でもないですし、それに先程も・・・」

「まあ、ね。この子は私の波動にも平気みたいだし・・・それに、感じる。マリー」
「えっ、これって・・・まさか、この子?」
 エリザも実を言うと先程気が付いたのであるが、エルザの抱いている赤ん坊からエリザと同じ波動を、僅かではあるが感じていた。最初は気のせいだと思っていたが、マリーにも確認して貰い、それで間違いないと感じたのである。

 その間、シスターの少女をセシリーが介抱したかいがあり、意識を取り戻した。
「うっ、うう・・・?」
「あっ、目を覚ましましたね。エリザちゃん。先程の子が目を覚ましましたよ」

 セシリーの声を聞き、エリザはマリーとの話を一旦終らせ、馬車の中に入って行った。
「どうその子の様子は?」
「今から確認します。大丈夫ですか?ここがどこかわかりますか?」
「えっ、・・・あれ?ここはどこですか?あのう、私は誰でしょうか?」
 この少女の言葉を聞き3人共お互いを見て確認した。

「もしかして、これって・・・」
「そうみたいですね。恐らくは・・・」
「はぁ、これはどうしようも無いわね」
 3人が、考えたとおりその少女は自身の記憶がなくなっており、自分が何者か何処の出身かを完全に忘れていた。ただ、なぜかシスターである事だけは理解していたのであった。

 これはどうしようもないので、このシスターの少女も城に連れて行く事にした。どの道、この焼け払われた村に置いて行く訳にも行かないし、それに他の子達も連れて行くので問題はない。

 この時、エリザはある事を思い出していた。当たり前の様にシスターの少女と話しているいる事に、それはここにいる子達もそうなのだが、このシスターの少女も当たり前のように自分と話していたのに驚いていた。
「ねえ、マリーもしかして私の体質って治ってるのかしら、この子達私と一緒にいて平然としてるから」
「そんな事ないでしょう。私と姉様ならまだしもこんだけ近くでエリザ様の波動を?・・・あれ、そうですよね。なんですかこの子達は」

 そう今ここにいる子達は人族であって魔族ではないからである。しかも普通なら気絶するか泡を吹いて倒れるはずなのに、そのシスターの少女は平然とエリザと話していたからであった。

 それらの事があったが、とりあえず全員馬車に乗せ、城に連れ帰る事にした。

 今回の件については後日、調査隊を派遣する事にして、今回助けた不思議な赤ん坊の男の子と女の子、それと小さな女の子とシスターの少女は城に連れて帰る事にした。

 赤ん坊2人と小さな少女は、何故か城に向う間もエリザにべったりの状態であり、そして、シスターの少女も先程は、一旦目を覚ましていたがその後安心しきってまた意識を失い、今は静に寝息を立てていたのである。

 次の日の昼ごろには、大魔王城には着き直ぐに調査隊を派遣した。もちろん2人の赤ん坊に名が無いのは困る為、エリザ自身が2人の赤ん坊に名を与えた男の子をアレス、女の子の方にはセリカと名付けた。 それでもう1人の小さな女の子の方は、実は自分の名前を覚えていてレイカと名乗っていたのでそのままレイカと呼ぶ事にしたのだ。

 それから数年後、3人は大魔王エリザの元で元気に、すくすくと育っていたのであった。

 それとあと、あの時のシスターの少女は、結局自分の名も何もかも思い出さず、セシリーよりマリアと名づけられてマリーと同じ様に、セシリーの妹として育てていたのである。もちろんマリーも大体同じ様な年齢だったので一緒に稽古をしたり、勉強もしていたのである。

 そのマリアは、今ではアレス達3人のお世話係と大魔王の付き人みたいな事をやっているのであった。しかも人族でありながら、いつの間にかマリーと肩を並べるほど強くなっていたのである。
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