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26:指輪と腕輪?
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そう答えながら、指輪と腕輪をアクアにはめてやったのである。すると突然指輪と腕輪が光輝き出したのであった。
-☆-☆-
その腕輪と指輪が光輝く時にアクアが、独り言で何かに向かって答えていた。しかし、光輝く腕輪と指輪の方が気になってアクアがなんと言っていたか解らなかった。
だいたいそれと同時くらいに、頭の中で何やら音声が鳴り響いた。
『聖霊の腕輪によるコンダクションを確認しました。お互いの魔力と能力を共有できるパイプが出来ました。よってこれからは意思疎通が簡単にでき、今迄できなかった事ができるようになります』
はっ、なんだ・・・これ?魔力と能力の供給と意思疎通だって・・・どう言うことだ?
「ヒビキ、なんなのこれ?よく解んないの」
どうやらアクアにもこの音声が、聞こえているようだ。不安そうに俺に抱き付いてきたので抱き上げた。すると首に腕を伸ばし抱きついた。
それで周囲をよく見てみると・・・景色が全て変貌して、先程まで居た祠の場所では無く、白い空間・・・いや、部屋の中みたいな所にいたのである。
ん?どこだ・・・ここ、さっきまで祠の前にいた筈だ。それにシーちゃんも・・・いない。
「ヒビキ!ここどこなの?シーちゃんがいないの。どうなってんの?」
アクアが不安そうに俺の方に視線を向けて話し掛けてきた。
しかし、実の所ここがどこ何かも検討が付かない。それどころかどうやってここにやって来たのか、解らないのである。
「ああ、ごめん。俺にもさっぱり解らんが・・・どこだろうな。ここは?でも・・・ここはどこかに似てるような?」
この空間は何となく見覚えがあるがこの部屋は見た事がない。それに周りには誰かがいる訳でもない。そんな感じで周囲を見渡していると、また、音声が頭の中で聞こえて来た。
『続いて聖婚の指輪によるエンゲージを確認しました。これによりお互いの絆が結ばれるともに縁も結ばれました。この指輪を持つ者が危険にさらされた時は双方共に助け合う事が出来る。離れていたとしても何らかの理由と方法で窮地を助ける事ができます。ただし強い力を持つ者が上位となるので、下位の者が危機の時にしか起動はしません』
なっ、なんですと?いやいや、さっきの腕輪もそうなんだが、指輪は殆ど結婚てか婚約指輪みたいなもんじゃないのか・・・いや、そんな生易しいモノじゃないような気がする。
それにそういうのは、お互いの同意が無いと駄目なんじゃ・・・あっ、さっきアクアがなんか言ってたような気がする。もしかして・・・。
「なあ、アクアさん、ちょっと聞きたいが、もしかしてだけどその指輪をはめた時に、なんか無かったか?それになんか言ってたよな」
なんとなくだが、嫌な予感が少しだけした。もし俺の考えが間違ってなければ・・・。
「ん、うん、指輪をはめてもらった時に、ヒビキと家族になりますかって聞かれたから、はいって答えたよ。あと・・・その前と後になんか言ってたけど忘れちゃった。えへへっ」
はははっ、嫌な予感が的中した。
恐らくあの指輪をはめた時に、家族と聞かれただけでなく、たぶん例の結婚の誓いのような言葉か何かを聞かれたんだと思う、それでその後の言葉の中で家族という言葉だけに、アクアは反応したのだろう。現状は確認のしようが無いのでどうしようもない。
まあ、アクアも気にしてないし、解って無いのだろうここは解って無い不利をしておこう。
それはそうとこの部屋はいったい何なんだろう?今迄の感じなら何かがあると思うけど・・・。
俺がアクアを抱き上げたまま、周囲を確認していると、この部屋みたいな空間に、突然金色の光の玉が飛んできて、俺とアクアの前で浮遊しだした。すると、次の瞬間『ポン』と弾けたような音と共に、その光の玉の中より小さな羽の生えた女の子が飛び出してきたのだ。
その女の子は、すごく小さくて髪の色はアクアと同じ水色なのだが、瞳の色も水色であり、それと羽根もアクアと同じ様な羽なのだが、アクアと違ってその羽は出しっぱなしである。
服装は白いワンピースみたいなモノを着ていた。ただ身体の大きさは30cm程であった。
それで響とその響の首に抱き付いているアクアが、その小さな少女に驚いていると、羽の生えているその小さな少女が話し掛けてきた。
『始めまして、私は精霊王様より使わされました。水の妖精のメルと申します。このたびは無事に婚姻の契約を結ばれた水の精霊で私達の上位の存在であるアクア様の、新しい従者としてここに使わされました。なので今後は一緒に行動させていただきます。それに色々な能力が使える様になりますし、私が色々とアドバイスもさせていただきます。それで、アクア様お相手の精霊の方は?物凄い力をお持ちのようですが』
この子は何を言っている?今、間違いなく婚姻とか言ってたような気がするが・・・。それになにやら気になるワードを複数言っていたぞ、どうなってんだ。
「ん、ヒビキ、この子なに言ってるの?アクアよく解んないの」
『えっ、アクア様。なんでその様な低俗な人族?の者といるのですか?下僕ですか?それとも奴隷ですか』
なっ、なんて失礼な子なんだ。このメルって妖精の娘は・・・・。
「う~うっ、こいつ嫌い!ヒビキの事を馬鹿にした。ヒビキはアクアの家族だもん。ヒビキ!早くシーちゃんのところに戻ろう。プンプンなの」
アクアは目の前の妖精の少女に対して、ご立腹のようである。俺の事を低俗な者などと、色々言われたのが余程許せなかったようである。
しかし、アクアが言うように、ここから出るにしても出口が解らんぞ・・・というよりどうやって俺達は連れて来られたんだ?
「いや、アクア。戻ろうって言うけど・・・どうやって戻るんだ。ここから?それに第一どうやってここに来たんだ?」
俺がどうやって戻ればいいのかを、不思議に思い考えていると、アクアがある場所を指さした。
「ヒビキ、あっちに出口があるの」
へっ?
アクアにそういわれたので、そちらに視線を向けて確認すると・・・。
おっ、どうやらホントに出口みたいなドアがある・・・ん?なんで、アクアはあのドアが解ったんだ。
「なあ、アクア、なんであんなところにドアがあるのが解ったんだ?」
事実、それが一番不思議なのである。
「ん、シーちゃんの声がしたの。こっちだって、それになんとなく解ったの。あと、いろいろ解るの。不思議なの」
まあ、アクアが言う事だし間違いが無いだろう。ならさっさとこんな訳の解らない空間?・・・いや、部屋か、ここから出て行こう。
そのままこの白い空間にある部屋の中から出て行く事にした。
良く考えたら世界樹の精であり、アクアの母親のマナと話した時もこの様な白い空間だった事を先程思い出した。まあ、あの時は部屋ではなかったし、あれは実際夢の中だったが、同じ様な感じである事は薄々感ずいて解っていた。
それで俺が扉に手を掛けて、その部屋から出ようとすると、俺が抱いているアクアの目の前まで、先程の妖精の少女メルが慌てて飛んできて、宙に浮いた状態でアクアに土下座をしてきた。
『申し訳ありません。アクア様!なにとぞ、なにとぞ、お許し下さい。もう先程のようにこの低俗な者に下僕など申しません。なにとぞ。お許し下さい』
相当必死に土下座して誤っているが、どうやらそれでもアクアは許せないらしく、その妖精の事を無視して俺に話し掛けてきた。
「ヒビキ!いいの。いくの。またヒビキの事馬鹿にしたから絶対に許さないの」
どうやら妖精のメルは、またアクアを怒らせたようである。それで今の言葉でアクアは、この妖精の娘をいよいよ許せないようである。
それにそのアクアは可愛らしい顔の頬を膨らました状態で、その土下座している妖精のメルから視線をそらしてしまった。
余りこの場所にいたら、アリアが発狂しそうなので、とりあえず元いた祠の場所に戻ろう。
そう思いそっとアクアの教えてくれたドアを開けて潜ると、そこは先程までいた祠の前でシーちゃんも俺達が心配だったのだろうか、俺達の出てきたドアの前で待っていた。もちろん先程祠で手に入れた卵を大事そうに抱えて持っていてくれたのであった。
-☆-☆-
その腕輪と指輪が光輝く時にアクアが、独り言で何かに向かって答えていた。しかし、光輝く腕輪と指輪の方が気になってアクアがなんと言っていたか解らなかった。
だいたいそれと同時くらいに、頭の中で何やら音声が鳴り響いた。
『聖霊の腕輪によるコンダクションを確認しました。お互いの魔力と能力を共有できるパイプが出来ました。よってこれからは意思疎通が簡単にでき、今迄できなかった事ができるようになります』
はっ、なんだ・・・これ?魔力と能力の供給と意思疎通だって・・・どう言うことだ?
「ヒビキ、なんなのこれ?よく解んないの」
どうやらアクアにもこの音声が、聞こえているようだ。不安そうに俺に抱き付いてきたので抱き上げた。すると首に腕を伸ばし抱きついた。
それで周囲をよく見てみると・・・景色が全て変貌して、先程まで居た祠の場所では無く、白い空間・・・いや、部屋の中みたいな所にいたのである。
ん?どこだ・・・ここ、さっきまで祠の前にいた筈だ。それにシーちゃんも・・・いない。
「ヒビキ!ここどこなの?シーちゃんがいないの。どうなってんの?」
アクアが不安そうに俺の方に視線を向けて話し掛けてきた。
しかし、実の所ここがどこ何かも検討が付かない。それどころかどうやってここにやって来たのか、解らないのである。
「ああ、ごめん。俺にもさっぱり解らんが・・・どこだろうな。ここは?でも・・・ここはどこかに似てるような?」
この空間は何となく見覚えがあるがこの部屋は見た事がない。それに周りには誰かがいる訳でもない。そんな感じで周囲を見渡していると、また、音声が頭の中で聞こえて来た。
『続いて聖婚の指輪によるエンゲージを確認しました。これによりお互いの絆が結ばれるともに縁も結ばれました。この指輪を持つ者が危険にさらされた時は双方共に助け合う事が出来る。離れていたとしても何らかの理由と方法で窮地を助ける事ができます。ただし強い力を持つ者が上位となるので、下位の者が危機の時にしか起動はしません』
なっ、なんですと?いやいや、さっきの腕輪もそうなんだが、指輪は殆ど結婚てか婚約指輪みたいなもんじゃないのか・・・いや、そんな生易しいモノじゃないような気がする。
それにそういうのは、お互いの同意が無いと駄目なんじゃ・・・あっ、さっきアクアがなんか言ってたような気がする。もしかして・・・。
「なあ、アクアさん、ちょっと聞きたいが、もしかしてだけどその指輪をはめた時に、なんか無かったか?それになんか言ってたよな」
なんとなくだが、嫌な予感が少しだけした。もし俺の考えが間違ってなければ・・・。
「ん、うん、指輪をはめてもらった時に、ヒビキと家族になりますかって聞かれたから、はいって答えたよ。あと・・・その前と後になんか言ってたけど忘れちゃった。えへへっ」
はははっ、嫌な予感が的中した。
恐らくあの指輪をはめた時に、家族と聞かれただけでなく、たぶん例の結婚の誓いのような言葉か何かを聞かれたんだと思う、それでその後の言葉の中で家族という言葉だけに、アクアは反応したのだろう。現状は確認のしようが無いのでどうしようもない。
まあ、アクアも気にしてないし、解って無いのだろうここは解って無い不利をしておこう。
それはそうとこの部屋はいったい何なんだろう?今迄の感じなら何かがあると思うけど・・・。
俺がアクアを抱き上げたまま、周囲を確認していると、この部屋みたいな空間に、突然金色の光の玉が飛んできて、俺とアクアの前で浮遊しだした。すると、次の瞬間『ポン』と弾けたような音と共に、その光の玉の中より小さな羽の生えた女の子が飛び出してきたのだ。
その女の子は、すごく小さくて髪の色はアクアと同じ水色なのだが、瞳の色も水色であり、それと羽根もアクアと同じ様な羽なのだが、アクアと違ってその羽は出しっぱなしである。
服装は白いワンピースみたいなモノを着ていた。ただ身体の大きさは30cm程であった。
それで響とその響の首に抱き付いているアクアが、その小さな少女に驚いていると、羽の生えているその小さな少女が話し掛けてきた。
『始めまして、私は精霊王様より使わされました。水の妖精のメルと申します。このたびは無事に婚姻の契約を結ばれた水の精霊で私達の上位の存在であるアクア様の、新しい従者としてここに使わされました。なので今後は一緒に行動させていただきます。それに色々な能力が使える様になりますし、私が色々とアドバイスもさせていただきます。それで、アクア様お相手の精霊の方は?物凄い力をお持ちのようですが』
この子は何を言っている?今、間違いなく婚姻とか言ってたような気がするが・・・。それになにやら気になるワードを複数言っていたぞ、どうなってんだ。
「ん、ヒビキ、この子なに言ってるの?アクアよく解んないの」
『えっ、アクア様。なんでその様な低俗な人族?の者といるのですか?下僕ですか?それとも奴隷ですか』
なっ、なんて失礼な子なんだ。このメルって妖精の娘は・・・・。
「う~うっ、こいつ嫌い!ヒビキの事を馬鹿にした。ヒビキはアクアの家族だもん。ヒビキ!早くシーちゃんのところに戻ろう。プンプンなの」
アクアは目の前の妖精の少女に対して、ご立腹のようである。俺の事を低俗な者などと、色々言われたのが余程許せなかったようである。
しかし、アクアが言うように、ここから出るにしても出口が解らんぞ・・・というよりどうやって俺達は連れて来られたんだ?
「いや、アクア。戻ろうって言うけど・・・どうやって戻るんだ。ここから?それに第一どうやってここに来たんだ?」
俺がどうやって戻ればいいのかを、不思議に思い考えていると、アクアがある場所を指さした。
「ヒビキ、あっちに出口があるの」
へっ?
アクアにそういわれたので、そちらに視線を向けて確認すると・・・。
おっ、どうやらホントに出口みたいなドアがある・・・ん?なんで、アクアはあのドアが解ったんだ。
「なあ、アクア、なんであんなところにドアがあるのが解ったんだ?」
事実、それが一番不思議なのである。
「ん、シーちゃんの声がしたの。こっちだって、それになんとなく解ったの。あと、いろいろ解るの。不思議なの」
まあ、アクアが言う事だし間違いが無いだろう。ならさっさとこんな訳の解らない空間?・・・いや、部屋か、ここから出て行こう。
そのままこの白い空間にある部屋の中から出て行く事にした。
良く考えたら世界樹の精であり、アクアの母親のマナと話した時もこの様な白い空間だった事を先程思い出した。まあ、あの時は部屋ではなかったし、あれは実際夢の中だったが、同じ様な感じである事は薄々感ずいて解っていた。
それで俺が扉に手を掛けて、その部屋から出ようとすると、俺が抱いているアクアの目の前まで、先程の妖精の少女メルが慌てて飛んできて、宙に浮いた状態でアクアに土下座をしてきた。
『申し訳ありません。アクア様!なにとぞ、なにとぞ、お許し下さい。もう先程のようにこの低俗な者に下僕など申しません。なにとぞ。お許し下さい』
相当必死に土下座して誤っているが、どうやらそれでもアクアは許せないらしく、その妖精の事を無視して俺に話し掛けてきた。
「ヒビキ!いいの。いくの。またヒビキの事馬鹿にしたから絶対に許さないの」
どうやら妖精のメルは、またアクアを怒らせたようである。それで今の言葉でアクアは、この妖精の娘をいよいよ許せないようである。
それにそのアクアは可愛らしい顔の頬を膨らました状態で、その土下座している妖精のメルから視線をそらしてしまった。
余りこの場所にいたら、アリアが発狂しそうなので、とりあえず元いた祠の場所に戻ろう。
そう思いそっとアクアの教えてくれたドアを開けて潜ると、そこは先程までいた祠の前でシーちゃんも俺達が心配だったのだろうか、俺達の出てきたドアの前で待っていた。もちろん先程祠で手に入れた卵を大事そうに抱えて持っていてくれたのであった。
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