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4:その場所は森と湖?そして目を覚まして?

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 その事でこの世界を創ったある存在の神様より、彼、一条いちじょう ヒビキに特別な力を授けてくれていたのである。しかし ヒビキがそれに気が付くのはずっと後になるのだった。

ー☆ー☆ー

 それから時空の彼方に飛ばされた一条いちじょう ヒビキは・・・その時間から数時間後?いや過去に戻っているので正確な時間は、解らないが意識が覚醒して目を覚ますと、地面の柔らかい感触とジメッとした感触が背中付近にあった。
「うっ、う~ん、目が回る・・・それに、背中が・・・!?」
 背中からお尻の辺りまでグッチョリと濡れている感触があった。

「まっ、まさか・・・こんな歳になってオネショをしまったのか・・・」
 一瞬、顔を青ざめさせて、俺、一条いちじょう ヒビキはすぐに飛び起きた。するといつも以上に俊敏に動けたような感じがしたがそんな事よりも驚くことがあった。

 それに何故か肥満体形だった自分の身体に違和感を覚え、視線の高さが妙に低く感じたのである。

「あれ?なんか妙に視線が低い感じがする?それに無駄に出ていたお腹が・・・なくなってる?・・・!?うぇ、お尻が・・・」

 確かに、無駄に大きかったお腹がスッキリとした体形に変わっていて、視線が若干低いような感じがしたが、それよりも背中からお尻までがずぶ濡れ状態になっているのが、すごく気になったのである。というより気持ちが悪い状態になっている。

 しかし、背中とお尻を気にしながらも、その周囲と自分が寝ていた箇所を確認して安堵の溜息を吐いた。
「ふぅぅっ、よっ、よかったん。お漏らしじゃなかった・・・しかし、ここはどこだ?・・・それになんだか、この辺りは・・・」

 ちょうど自分が寝ていた付近は、湖の中心部で島みたいな箇所であり、その中間部には恐ろしくでかい樹が生えていたのである。それにちょうど俺が倒れていた場所にはコケのような物が生えており、全体的に水が染み出していたのであった。
 それにここは危険とは程遠く、とても安らぎを感じていて、清々しい気分の場所であった。

「でも、どうしてこんなとこで寝てたんだ?確か・・・非現実的な生物にあった様な・・・?ああ、そうだそうだドラゴンとフェニックス・・・あっ、そうだ古神竜エンシェントドラゴンのエナジー様と鳳凰神エルダーフェニックスのフレイヤ様だったかな?・・・それに何かを頼まれたような・・・!?あっ、そうだそうだ、女の子を2人見つけて護らないといけなかったんだ。忘れるところだった」
 とても大切なお願いされていた事を、一旦忘れていたが、ふと思い出した。恐らくこれは時空の彼方を通って時間をさかのぼった時に起こった、一種の記憶の混乱であったのであるが、強い身体と若返った事によりちょっとした事にすぐに記憶を取り戻したと思われる。

 確かこの森のどこかに、今から約一年後のこの場所に、古神竜エンシェントドラゴンのエナジー様と鳳凰神エルダーフェニックスのフレイヤ様の力と加護を持った2人の女の子が、召喚されて来る事になっていた事を思い出した。

「うん、思い出したぞ!ただなんで一年後?てっ、解ったかが良く解らん。とにかく2人がこの場所にやってくる事になってる。問題はこの場所が物騒で危険って・・・?」

 エナジーの話しでは、危険で問題のある場所に、落ちてくるって言っていたのだが・・・。
 しかし、今、自分が居る場所は危険とは、かけ離れた場所でどちらかと言うと自然が豊かで過ごし易い場所に思えたのだ。
「どうなってんだ?・・・ここがそんなに物騒で危険なような感じはしないが・・・それに・・・!?」
 そんな風に思っていると、何かの気配を感じたので振り返った。

 そこには小さな女の子がいて、髪はロングの水色で瞳は緑色の可愛らしい少女が水色のレースのような服を着て、そこに立っていた。
「おりょ?なんで、こんな所に小さな女の子が?」
 その少女はこちらに視線を送りながら、どうも警戒をしているようだった。

「でも、どうしてこんな所に・・・しかもこんな湖の真ん中にある島みたいなところに女の子が1人だけでいるんだ?よう解らんが・・・なあ、お嬢ちゃんさぁ、なんでこんなとこいるの?」
 とりあえずその女の子に話し掛けてみたが、やはり警戒しているのか、視線を向けてくるだけで近付くどころかどこか身を隠されて返事もしてくれなかったのである。
 やっぱり別に俺には子供に好かれる能力なんて無いんじゃ無いか?まあ、あれは恐らく冗談だったんだろう。

 まあ、解らんでもないが、こんなおっさんに声を掛けられて、近付く奴なんて普通いないか?まあ、そのうち興味をなくすだろう。

 今だ背中に視線を感じていたがそれどころではなかった。話しに聞いていた場所の雰囲気と異なり、自分の周囲はどう考えても危険とはかけ離れていた。だからその事を考えていると、先程少女の視線は別にたいした事は無かったのだ。

 それから背中とお尻が濡れているのは、我慢することにして今から何か行動する前に、自分の身なりを確認する事にした。
「おっ、ちょうどいい岩がある。ここに腰掛けて確認しよう」

 服装は青っぽい少し大きめのシャツに茶色いベスト、黒のズボンそれと茶色いブーツを履いていた。それとズボンのポケットの中に指輪と腕輪が入っていた。
「なんだこの指輪と腕輪は?よく解らん。まあ、俺のポケットに入っていたという事は俺の物かな?」

 その指輪と腕輪を確認していると、自分の手首に刺青みたいな痣があるのに気が付いた。

 右側は俺をここに送ったエンシェントドラゴンのエナジーのような姿の痣と、左腕にはエルダーフェニックスのフレイヤのような姿の痣があったのだ。

「もしかして、これが・・・まあ、いいや。それよりも他には何か無いかな?」
 先程の指輪と腕輪をポケットに戻し、他のポケットを探ったが別に何も出て来なかった。

「さて、どうしたものかな・・・持ち物があんまり無い。というよりどうやって、ここで待つかな・・・いや、ここで待たなくてもいいのか?」
 そう思い湖のほとり方まで歩いていき、向こう側の岸に見える森を見てみたのだ。
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