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第13章 新たなる冒険の始まり?・・・そして。

13-38 騎士達の報告を受け・・・?

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 まあ振り返り屋根の上で、騎士達の様子を見ていたユウマを見て・・・先程の光景を思い出し5人は一斉に騎士隊長や指揮官、それに街の貴族達が会議をしている筈の建物に駆け出して行ったのだ。



 騎士達5人が駆け込んだ先は、今なお正門に攻め込んできている10人程の悪魔族を、どう対処するかを決める事を話しており、全然危機感が無い状態だった。

 そこへ先程の光景を目にした5人の騎士が、会議が行なわれているであろう部屋へ慌しく向かって行き、皆に聞こえる様に大声で第一声を上げて扉を開放した。もちろん2人の騎士が扉を開放し、代表して1人の騎士が声をあげた。
「しっ、失礼いたしまします!」

 会議中という事もあり、その部屋にいた者達は話し合いを一旦止め、一斉に扉の方に視線を向けた。その場に居た皆は、騎士達に無言のプレッシャーを与え睨みつけていたが・・・意を決して騎士達は息を飲み自分達が見た光景に関しての話をする事に決意した。

 それで最初に扉と第一声をあげた騎士とは別の騎士が声を震わせて声を発した。
「たっ、大変です!直ぐに報告いたしたい事が・・・」
 一瞬周囲の視線に若干怖気づいた感じではあったが、その声を出した騎士と他の騎士達の目が、真剣そのものだった為・・・全騎士団の総隊長が代表してその場に来ていた騎士達に声をかけた。

 「・・・ん?どうした。お前達!そこまで重大な事か?もし急ぎで無いなら、後にしろ・・・そうでないなら直ちに報告しろ!」
 その総隊長の言葉を聞き、姿勢を正し先頭に立っていた騎士が意を決して報告し出した。
「報告いたします!正門前で敵対行動を取り戦闘体制を整えている悪魔族は10名であらず。・・・・その数はおよそ千以上・・・」
 騎士達は先程自分達の行なっていた事(姫様達の勝手な行動の止めに入った事から正門の屋根から見た光景)を一から報告したのだ。

 流石に1人では語りきれないので、騎士達は代わる代わる自分達の見た光景と、その周囲にいた敵の種類が悪魔族だけであらず魔物の集団、それに多種多様の種族がいる事を報告したのだ。
 それでその場所に天使族の天敵とも言える、殺戮デスマシーンが数十体存在している事と、この場所にいるはずの無い邪神デスハーケンの姿を、目視して確認した事を隠さず報告したのだ。

 するとその会議室に、踏ん反り返っていた1人の男が、如何にも自分が確認したかの様に、変な事を語り出した。
「ばっ、馬鹿を言え!最初に確認して然程、時は経っておらんのだぞ。それに状況は変わっておらんはずだ!我の予想では・・・な。それに何故その様な者までいる・・・」
 自信ありそうに答えたのは、今回先頭に立ち悪魔族を一掃したら自分の手柄だという事を、うえに報告するつもりであった総合指揮者の欲深そうな天使族の貴族みたいな男性だった。・・・まあ、天使族に貴族がいるかは解らないが、欲深そうないでたちで豪華な貴金属のアクセサリーを着けたでっぷりと太った感じの男性である。

 ・・・まあどこに行ってもこの様な腐った人物はいるようだ。しかし、大体その様な人物は・・・どこに行っても長続きはしないし、最終的には自滅する。
 この総合指揮官の男も、自分では自信があるような事を言ったが・・・騎士達の言葉を聞き少し不安になりこの会議室をトイレと言いつつ一旦離れどこかに消えていった。

 そして、その人物が消えてからホンの少し経って・・・何故か顔を青ざめさせ慌てて戻って来たのだった。
「たっ、大変な事に早く逃げなくては・・・いっ、いや!なんでもないぞ!」
 口ごもりその様な言葉を小声で吐いたが、慌てて言葉を訂正した。しかし数人は最初に言っていた事を聞き逃さなかったが、とりあえず平常心でいる事にしたのだ。

 実はこの時この総合指揮者の男は、正門に有る重役専用の隠し通路の一角から外の様子を覗き見たのだ。悪魔族が正門の前に攻めてきている事を聞き、自分の手柄にしようとこそっとこの場所で状況を確認して戦略を考えていたのだ。

 それでホントの事を言うと、最初にこの場に来ていた悪魔族は実は10名ではなく、2人の悪魔族と緑色人種3人、それに魔物が5匹いた程度だった。それを大げさに悪魔族が10名で攻めて来たので対策と応援の要請を出していたのだ。それで応援の騎士達が近づいて来たと同時に、自分のところの私兵騎士団を先行させ正門を解放、そして、悪魔族より弱い緑色人種3人と魔物を倒し、悪魔族の2人を圧倒的な戦力で叩きのめすつもりでいた。
 だが既にその計画は、自身の欲望と戦力増強、それに応援が近づいて来るまでの、ホンの少しの間に変化していたのだった。既にどうにもならない状態で、もし報告に来た5人の騎士が来なければ無条件で正門前にいる敵を招きいれる結果になっていたのだ。

 その事も踏まえ、顔を青ざめさせていた総合指揮官は、声を震わせて先程声に出した事とは別の言葉を、この会議室にいる全員に話しだした。
「どっ、どうやら大変な事態になっておる。これより・・・騎士団は正門を閉じた状態で鉄壁の護りを・・・決して敵の侵入を許してはならん。全騎士団は直ちに行動に移れ!これは絶対命令である」
 この命令には騎士団の隊長達は頷き、早急に動き出した。



 流石は騎士と言ったところだが、問題はここからだった。


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