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第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-52 温泉のお湯、源泉がでた。しかし?

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 やはり最初から専門の妖精と契約しているシャナに頼めば良かったと、その話を聞いた時に後悔したのだった。



 結局は空洞を見つけたまでは良かったのだが、エリーゼの話ではその場所があまりにも深い場所だと言う事が発覚して、もしその場で加熱したお湯をこの地上に湧き出させると、恐らくではあるがこの場所に到達した時点で、かなりの温度が下り・・・下手をすると今湖に湧き出てる湧き水と同じ感じの冷水になる事が予測されるそうだ。
 何故ならこの神聖霊の森がある地下深くには、湖に注ぎ込んでいる神聖なる水の他にも色々な水脈があり、一番厄介なのが俺が見つけた空洞の上付近にある水脈で、空気に触れると凍ってしまうような水質のとても不思議な水脈が数本通っているそうなのだ。
 しかもそれだけでなく、実は途中で氷と同じような地層があるそうなのだ。その部分を通る時には、極端に水の温度が下るらしく、今湖に注がれている水もそこを流れて、ここに湧き水として流れ出している事もエリーゼに教えて貰ったのである。

 ただこの時に解ったのだが・・・俺が苦労して見つけた空洞もだが、その側を通る水脈関係をいとも簡単にエリーゼが調べ上げたのである。ここは悔しいがちゃんとシャナに事情を話、素直に手伝って貰う事にした。
「うがぁぁ!やっぱり付け焼き刃での作業を行なわないで、エリーゼのいう事を聞いてシャナに頼むんだった。はぁっ、魔力も久々に尽きるところだった・・・」
 実際のところ俺の魔力は、あと数秒ほど同じ事をしていたら尽きていたと思う。ただその地下深くの空洞?調査を完了して、その行為を止めた時点では既に3分の1ほど魔力を回復しているのだ。

 それで結局はシャナに詳しく説明したうえで、手伝ってもらう様に相談しお願いしたのだ。
「・・・と言う訳で、ここの地下深くに空洞・・・でいいのかな?それを見つけて貰いたいんだ!もちろん安全に俺が考えた事が出来る様にだけど出来るかな?シャナ!」

「なんでもっと早く相談してくれなかったんですか?ユウマ様!私ならいつでも手伝いましたのに・・・」
 とりあえずはちゃんと最初に手伝いを申し出なかった事を説明した後に、シャナは若干腹を立てていたが・・・俺が詳しく説明するうちに、あまりにも無謀な事をやっていた俺を見て呆れられてしまった。それでその事はちゃんと謝り許して貰い、直ぐに作業に入ってもらったらモノの数分で、条件にあった場所をシャナが見つけたのであった。
 しかも俺が見つけた空洞と然程変わらない程の強度で、かなり広い空間だ。そのうえ条件も最適の場所で俺が見つけた場所よりも浅くこの場所より近い場所だった。

 唯一違う事といえばこの神聖霊の森のある場所の地下ではなく、暗黒の森の側のある海域、ちょうどイルミナ大陸側の海の底から下の地中にある場所だった。しかし、それ以外は条件に適した場所で、尚且つ安全に作業できる。しかも、もし失敗しても周囲に被害がおよぶ事もない地底にある空洞であり、ちゃんと空気がある場所を見つけたのだ。

 その場所をシャナは、俺に近付き自分が見つけた場所の映像を、シャナの契約妖精を通し詳しく見せてくれ説明してくれた。
「ユウマ様!安全を考えるなら、こちらの方がいいですよ。それに普通の場所と違い土壌にも特有な効果が付与されているみたいですし、直接その場所の確認も出来ますから、ただそこに行くにはユウマ様の力が必要だと思います。以前私とエリーゼを転移させてくれた力で・・・」

 どうやら俺は勘違いをしていた部分もあったようだ。実は単純に地下深くでいいと考えていたが、それは大きな間違いだった。
 確かに俺が最初に見つけた地下空洞は、ただの空洞で俺達自身は手を加えた状況は確認出来ない。もし何かあっても地上には影響がないが、もし何かあるとその空洞の近くにある水脈を傷付け大変な事になりかけないとか・・・。
 それでシャナの見つけた洞窟の近くには、実は水脈が2本程度通っているが、殆ど地上に関係無い水脈らしいので、もし何かあっても問題ないそうだ。その部分も説明してくれながら映像で教えてくれたのである。
「うん、最初からシャナに頼めば良かった。俺はそこまで考えてなかったぞ!ただ地下深くだったらいいと思ってたし、まさかその場所に行く事とかも考えなかったよ」

 シャナが見つけてくれた地下空洞へは、その場所までの映像と具体的な状態まで確認出来たので、単純に俺のスキルを使用する事でその場所へ転移する事は可能であるが、念の為俺だけが【瞬間移動テレポート】で移動して、簡易転移門を設置してそれからみんなで移動する事にした。

 先程の話に戻るがなまじ土属性が使えるからと言っても、その地層や地中に関しては専属である土属性の妖精や聖霊の方が詳しい簡単に見つけ出す事が出来ると言う事がこの時解った。まあ早い話、俺やファルが土属性の魔法が使えても、その本質が解ってないので無闇に力を行使すると、今回みたいにキツイ思いをするし、ただ単にその力を無理やり使っているので、殆ど意味がないらしいのである。

 それでもこの後行なう予定のサポート等は出来るので、引き続き俺とファルはシャナとシャナが契約している妖精と共に見つけた空洞に赴き、その空洞の地表部分を更なる強化を行なう事にしたのだ。
 もちろんこの場所にはフレイ、月姫、雪姫、エリーゼとエリーゼの契約妖精も一緒に来ている状態だ。しかもこの空洞はここで生活するのに十分な空気があり、そのうえ明るい・・・どうやら光ゴケが繁殖しているし、どこかに繋がっているようなのだが、まあ恐らく入口は海の中のどこかだろうと考えられる。だが今更調べようとは考えてないし、探す気にもならない。

 そんな事を考えているとフレイとファルが、俺に近付いて来て話しかけてきた。
「ねえねえ、ユウマ!ここに神殿置けないかな?そしたら私だけじゃなくて、他の妖精や聖霊を呼べそうなんだよね。ここって結構澄んだ気が漂ってるし魔素も十分にあるのよ。だから・・・」
「そうだよね!ここって結構いい場所だよ」
 何気に地下空洞の様子を見ていると、フレイとファルがこの場に神殿を建てられないかと相談してきた。

「そうだな・・・確かにここは色々な意味で重要なところになりそうだし・・・あっ、ならついでに何時でも行き来できる様にもしようかな」
 そんな事を考えて・・・あっという間に、高温でドロドロのマグマの池を製作した後に、陸地部分にはその熱さが伝わらない様に結界を張り、その陸地にフレイとファルのお願いどおり聖霊神殿を建てた。
 この神殿に関しては、以前大量に神殿を製作していたのでその一部だ。それで後日フレイ達は、聖霊界にも片割れの神殿を設置した。
 もちろんそれだけではなく、俺達も簡単に行き来できる様に転移門を備え付けた建屋を備え付けた。

 そして、予定どおりのお湯をこの魔改造の洞窟の横を通っている水脈から、見事に俺達のいる神聖霊の森へと引く事に成功したのだ。
 まあちょうど俺達が造ったマグマ池のある洞窟の場所の近くを通っていた水脈が、ちょうど何もしなくても神聖霊の森のかなり深い地層を通っており、その流れを俺の考えている新たに作った薬草畑の近くからお湯が出るように、エリーゼとその契約妖精に変更して貰いお湯がその場に出るようにして貰ったのだ。

 それで結果的に温泉の源泉ではあるが、少し熱めだがそれでもちょうどいい感じのお湯がでるうえに、聖霊の森にある温泉以上の効能がある事が確認出来たのだ。
「しかし、改めて思ったんだが、このお湯の効能おかしく無いか?俺が確認出来るだけで、状態異常の回復はもちろんなんだけど・・・条件蘇生の効果に寿命の延命長寿の効能、しかも体力強化と能力向上等の効果が付与される変な効能まであるんだけど、これって・・・あそこで育ててる薬草類のせいかな?」
 確かに源泉が出ている場所の薬草類は、フィーナに頼まれてエリクサーの原料になるモノを栽培しているが、まさか温泉に変な効能を発生させたようである。しかもそのまま飲料する事で美容にも良く、下手な回復薬よりも効果がすごい事も判明したのだ。
 聖霊の森の源泉は高温状態なら効果はとんでもないが、冷えてしまうとその効能が無くなってしまう。しかし、この神聖霊の森に湧き出る源泉は、ある程度飲める温度であるし、完全に冷めるまではその効能を維持する事もわかったのだ。はっきり言ってとんでもない温泉水となってしまっていたのであった。



 まあその事はおいおい考えるとして、この源泉が出ている近くに建物を建てる事にした。


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