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第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-13 追いかけて来た部隊は?

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 それを使い一瞬のウチに、中心部のある拠点にしている簡易ログハウスの前へと転移したのであった。



 それでユウマの方はというと・・・先程、気配と姿を完全に消した後は実はその場を動かず、ミナ達が転移するのを最後まで確認して見ていたのである。何故そんな事をしたかと言うと、誰かに見られていた様な感覚がありそれが何かを確認するつもりであった。

「何だ、あの虫は?・・・なんか嫌な感じがするな!とりあえず捕まえよう・・・」
「・・・ん?・・・ユウ兄?・・・まっ、いっか」
 転移の為のゲートを、ユアが最後に潜ろうとした時に、変な虫がその転移ゲート飛び込もうとしていたので、その変な虫を捕まえた。まあ、その時の風圧でユアは、一旦何かに気付き姿の見えない俺に名を呼んだが、気にせずすぐにゲートを潜って行った。

「・・・それよりも、なんだこの虫?まあ、いいやっ」《プチッ・・・》
 捕まえた虫を地面に投げ付け、最終的には踏みつけ処分した。

「よし!まずは気になる。こちらに向かって来ていた2つの部隊のうちの1つの方を確認するかな」
 こちらに向かって来ていた2つの部隊の内、近くへ来ていた部隊の元へと、ここに来る時のユアと同じ様に木々の枝を飛び移りその場所へ向った。

 すると案の定、ミナ達がシャナ姫達と共に転移して、転移ゲートを閉じたと同時くらいに・・・また、迷走をしだしたのである。
「はははっ、いきなり探してる人物達の気配が目標地点から無くなったモノだから、方向が急に解らなくなったようだな。それにいつの間にか上空にあった霧も晴れてるし・・・」

 今のところ少し離れた木の上から見ているが、先程まで俺達がいた丘の上からは誰もいなくなった事により、目標をなくしたのだろうとは思う。その向っていた目標がなくなった瞬間、同じ場所をグルグルと回り出したようなのであるが、ただそれだけではないようだ。
 いつの間にか少し離れて移動していたもう一つの部隊は、反対側へと消えて行ったのであった。それに同じところグルグルと廻っているのに、誰一人声を出していないし、数人は目が虚ろの状態だった。

「おいおい、この森ってそこまですごいのか?目の前にいた部隊を無視して普通反対側に行くのか・・・?あれぇぇ、それにこいつらって鬼人なのか?確かに部隊の大半の見た目は・・・ガイやゴウに似てるし、エルフっぽい奴もいるけど・・・あきらかに違うよな?なんていうか・・・出来損ない?失敗作?」
 迷走している奴等は全部で28人?程いる。ただ、5人以外は間違いなく魔獣モンスターが擬態しているのだ。

「・・・やっぱり、どうなってんだこれは?パッと身は鬼人とエルフなんだが、大半はモンスターって?」
 どうやって擬態しているのかは解らないが、俺の目は誤魔化されない。かなり前から【神の眼】が使えるので【鑑定眼】とは違い、あらゆる偽装を見抜く事ができる。
 なので俺が見ている部隊の大半の奴等は魔獣モンスターであるオーガとデミゴッドゴブリンである事も解っている。ただ5名に関しては鬼人とエルフなのだが完全に意識を乗っ取られた状態になっていた。

 ・・・あれ?シルク様は【神の眼】とか色々と打破する能力か、見抜く力は使えないのか?フィーナ様は使えたけど?こいつらがもし相手してたら・・・あっ、でも数人は本物みたいだから、それでか?
 この時点である疑問が浮かんできたが、それに関してはシルク様本人に聞いてみないと解らないし、もしかしたら実際に目視しないと解らないかもしれないからである。実際俺も直視しないと確認出来なかったからである。

「しかし・・・ちゃんとした鬼人とエルフ達の目が虚ろすぎる。操られてるなあれは・・・ん?そうか、これは恐らくあの時と同じ感じで、アクセサリーか何かで操られてるのか?・・・あっ!?多分、あの首飾りとイヤリングだな。同じ物を全員着けてる。さて、どうするかな・・・」
 現状では倒すこと自体は簡単で、どうって事無いが・・・問題は操られている鬼人とエルフである。以前のリフィーラであった一件に関しては、操られる前の初期の状態だったので簡単に、アクセサリーに付いていたモノを浄化や排除ができたが、今回のは少しばかり厄介である。
 それはというと、前回の時はブローチタイプかネックレスのようなモノで、そこから触手が寄生してその宿主の自由を奪い操る類だったと思う。なので別に意識を奪われるような状態でもなかった。
 しかし今回はネックレスの部分は、まあ問題ないと思うが、問題はイヤリングの方である。これはちょっと厄介だ恐らく頭・・・脳に直接寄生していると考えられる。
 何故ならば耳の穴に細い触手が数本入っているのが、【遠視】によるスキルで遠くからでも解るからであった。

「参ったな。無理やり外すと脳に障害を与えそうだし、かと言ってこのままほっとけ無いしな・・・まあ、一旦眠らせて対処方法を考えるかな・・・」
 ユウマはそう言葉に出し、すぐに創生魔法で創っていた【睡眠霧スリープミスト】の魔法を唱えた。すると周囲が霧に覆われ次々とその霧の中にいる者達が倒れていくのであった。

 ホンの数秒でユウマの側にいた生き物達は、その場で全て眠りに落ちてしまい。誰一人として動く事はなく寝息を立てていたのであった。
「・・・これって、ちょっと効き過ぎかな?周りの生き物全てが睡眠状態になってしまったな。まあ、とりあえず範囲は広くないが、これなら邪魔も入らないだろう・・・」
 実際には霧が発生した周囲にいた生き物という生き物が、全てが眠りについてしまったのである。

 その為邪魔は恐らくされないと思うが、一応・・・念の為に周囲に結界を張り、まずは寄生されて操られていた鬼人とエルフの人達を助ける事にした。
「ふうっ、とりあえずは・・・以前と同じ様に聖光気をぶっ放して見ますか・・・ふんっ!」

 そう言いながら既に聖光気を一箇所に集めた5人に向けて放つと、アクセサリー自体が消滅したのである。それで5人の状態を確認してみると、現状は5人全ての状態が昏睡状態となっていたのである。

「う~ん、やっぱり脳へのダメージが残った状態なのかな?・・・まあ、とりあえずこの人達は拠点に連れて帰るとして、残りのやつらはどうしようかな?」
 ユウマ的にはこのまま魔獣モンスター達は倒して問題ないと思うのだが、あえて鬼人とエルフに擬態したオーガとデミゴッドゴブリンの1体ずつの計2体程連れ帰って調査と説明をするという面倒くさい事をするか、それともこのまま放置するかを迷っていたのである。

 何故迷っていたかと言うと・・・もし、連れ帰った場合位置を把握されかねないという理由であった。まあ、それに関しては結界さえ張ればその心配は無いが・・・ただ、面倒臭いと思うのと、結界を維持するのがしんどいと言う事だけなのだ。
 まあ、中心部にちゃんとした結界用の聖碑や防護壁を、後で造ればいいのだが・・・現状、まだそこまでのモノが必要な段階ではないし、あの場所で出現して来るモノや魔物モンスターの種類も調べている状態だ。

「まあ、いいか!とりあえず擬態しているオーガとデミゴッドゴブリンは2体だけ残して、後は始末しよう!そうしよう」
 そして、ユウマは次々と眠っている魔獣モンスター達を、有無を言わさないまま、次々と止めを刺し、全ての魔石を抜き取って行った。すると魔石を抜き取った事によりすべて消滅していった。

 もちろんオーガの討伐部位である角と、ついでに素材である爪と目玉は取り除いている。それにデミゴッドゴブリンの討伐部位の角の部分、それと核の部分も回収した。
「こりゃ、間違いなくモンスターだな?でも、何でこんな事になってるんだ?」



 これでとりあえずは、現状の鬼人とエルフ達に起こっている事に関しては解った。


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