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第10章 女神の修行・・・。

10-35 時空の森の遺跡迷宮内?

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  それでとりあえずは、今日はこの場で野営をして明日より本格的に中に入り、今迄以上に未来予見の能力の向上に励む予定であった。



 それで次の日の朝早くマリエル様達は、その遺跡迷宮ダンジョンの中に入って行ったのである。

 実際に時空の森の中心部、遺跡迷宮ダンジョンに来るまでの森の中も・・・事実、時空の森なのであるが、この遺跡迷宮ダンジョンの中にある森こそが本来の時空の森なのである。

 そして、その時空の森の奥に行くに連れて、マリエル様達に森自体が牙を向けて来ていたのであった。それに気付かず数日経ったある日の事・・・。

 ついにそのおかしな現象にマリエル様とメグミさんが気付いたのであった。

 それはレオとそれを追って行ったユータが行方不明にになり、迷子となってしまった。
「ホンマにおかしいなぁ?この森におるんは解るんやけどなぁ・・・どないなっとるんよろう?」
 実は遺跡迷宮ダンジョンの中に入った時には、こんな事は無かった。それにどこに誰がいるかは、それぞれの能力であるスキルの気配察知や位置把握で解っていたが、奥に進むにつれてその感覚が鈍くなってきたのであった。

「しかし、これじゃ困りましたねマリエル様?2人を如何にかして探さないと・・・でも、これってどこにいるんでしょうかね?」
 メグミにしてもこの状態ははっきり言って困った状態なのである。今迄は出来るだけ2人一組ないしは、3人のグループで探索と調査の行動をしていた。それで残っている人数でマリエル様の能力の向上に関する修行も行なっていたのである。

「あのうマリエル様!ここって時空の森って言う、時間の経過が遅い場所なんですよね。でも、この遺跡の中の森っておかしくないですか、魔物にしてもなんか最初に比べたら強い感じがするんですけどぉぉ」
「そうだニャ!そうだニャ!!今迄辛うじて戦えたけど・・・ニャー達では限界なんだニャ!そろそろ助けて欲しいんだニャァ!」
 マリエルとメグミが話している間も、実はユリーファとエルによる戦闘が行なわれていた。その間アリアはと言うとその2人が戦闘を行なってるところに、余計な敵が近付いて来ないように1人で周囲に現れていた敵を倒していた。
 しかもユリーファとエルが2人で苦戦している魔物、サーベルタンクウルフを殆どが一撃で倒されていたのである。

 そんな事とは知らずユリーファとエルの相手している敵の数は2体だけで、ある程度まで2体にダメージを与えていたのだが、2人ともダメージは無いのだが体力的に問題があったのである。しかし、マリエルとメグミは現状迷子状態になっているユータとレオの心配をしていたのであった。

「ニャニャニャッ!?助けてニャのう!!メグミ様ァァッ!うぇぇん」
 そのエルにその声でメグミとマリエルは2人がピンチになっている事に気付き、アッと言う間にその2体のサーベルタンクウルフを倒したのであった。

「ほら、2人ともこんなんに苦戦してるようじゃ、まだまだやで!ほら、回復してぇな!!今はそれどころじゃ、なくなったからぁ・・・」
 マリエル様今は迷子になってしまっているユータとレオが心配なようであり、すぐに探さないといけないと考えたようだが、いつの間にか1人で戦闘をしていたアリアの姿が見えなくなっていたのである。

「あれ?ねえ、メグミちゃん、アリアちゃんはどこいったん?」
「えっ、先程まであそこで・・・!?あれ・・・どこにいったんだろう?まっ、まさかアリアちゃんも・・・」
 しかし、その心配は無かったのである・・・何故ならユータとレオの2人を連れて来たのである。

「もう、ユータったら!あんたがついてながら、なにレオ君に無理させてるのよ。ちゃんと面倒見てやらないでどうするのよ!!」
「てっよぉ!みんながどこにいるか解らなかったから、しょうがないだろうが!」
「いや、2人とも今回は僕が悪いので、どうか気を静めて下さい。無闇に突っ込んで行った僕が悪いのですし・・・」
 アリアがユータを怒りそれを止めようとするレオが戻って来たのであった。

 実はこの遺跡迷宮ダンジョンの中にある森は、今迄のようにのんびりとは攻略できない上に、真っ直ぐ進める道がある訳でもなかった。普通の迷宮ダンジョンと同じ様な感じで、ちゃんとした道を進まないと迷ってしまうのであった。
 しかも、奥の方に行くにつれて、みんな一緒に行動していないと迷子になってしまうという、変な構造になっていたのである。
 それを気付かなかったレオが先走って行動した為に、迷子になったという事になっていたのだ。まあ、それにすぐ気付いたユータが追いかけたのでレオ自体は魔物に襲われる事がなかったのであった。

 ただ、ここでは何故かアリアだけは、その迷子になってしまうという状態にはならなかったうえに、誰がどこにいるかが解っていたのであった。
「なあ、なんでアリアだけは、みんなのいる場所がすぐに解るんだ。スキルって訳じゃないみたいだし、俺のスキルじゃ精々この森に居るってだけで位置まで解んないだけどな。どうしてだ?」
「えぇぇ、ああ、うん、まあ、色々とね。それよりももうすぐまた敵が現れるよ。頑張って・・・」
 アリアは、これまで数度迷子になっていたユータやレオ達を連れ戻したり、今のように敵が接近してくる事をいち早く知らせていたのである。

 まあ、恐らくではあるが、ユータや他のみんなの位置が解るのは、以前魔界の辺境にある森の中で身に付けた気配を探るのと気をコントロールする能力のおかげであったのだが、アリア自身は先程ユータがした質問に対しては、答える気力もなくこの場所に入り、日にちが経つにつれて、ある事とが気になりヤル気がなくなっていたのだ。

 そして、みんながとりあえず揃った事により、一安心してこの場で野営のを行なう事にした。

 いつもの様にログハウスを出し、外で食事を作りみんなで談話をしだした。
「しかし、この中は・・・外の森と違ってモンスターが強いよな!俺達は結構余裕だけど、やっぱりレオ達にはちょっと辛いみたいだな」
「そっ、そうね!ユータ君。でも、モンスターって言うより殆ど獣の類だよ。まあ、それでもレオ君達には、ちょっとキツイだろうね」
 ユータが言ったモンスターと言う事に関してメグミさんが、獣だという事を告げた。確かに魔獣モンスターと違い魔石を持っていない獣ばかりで、しかも魔法を使ってくる事もなく体術のみで襲ってくるばかりであった。

 それに、一応夜の間見張りを交代で行なっているが、実際その心配もなかったのである。それはユウマが渡した簡易ログハウスは基本的魔獣モンスターや獣の類が近付かないように、獣避けの聖石を使っていたので見張り等は必要なかったのだが、ユウマがその説明をしてなかったので、いつも無駄な見張りをしていたにであった。

 ただこれに関してはアリアが知っていたのだが、アリア自身も何故かそれどころではなかったようである。

「でも、確かに僕達では、ちょっとこれ以上先はキツイですね」
「「うん、うん!」」
 レオの言葉に、ユリーファとエルも同意して頷いた。

「確かに俺達もこれ以上相手が増えたら対処に困るし、これ以上は流石に・・・」
「そうだよねぇっ、アリアちゃんも調子が悪いようだしねぇ。ここに来てから、どうやら心ここに有らずって感じだしね。本来の力が出せてないみたいなんよね」
「「えっ!?」」
 ユータがこれからの事を心配して話していたが、マリエルが信じられない事を一言、言ったのでユータとメグミは驚いたのである。どうやら現段階で一番強いはずのアリアが、現状でも本調子でないと言葉を漏らしたからだ。

「えっ、ホントですか?マリエル様。そのアリアちゃんが本来の力が出せてないって・・・」
「えっ、そんなに驚く事?」
「そっ、そうですよ。今迄だってアリアちゃん結構余裕で戦っているようですけど、それでも本調子でないというのですか?」
「そうだよ!今の状態でも俺より少し強いぐらいなのに、それでも本調子でないなんて・・・信じられないんだけど?」
 メグミとユータにとっては、マリエルよりアリアの現状を聞き驚きで一杯であった。

「ええ、そうよ!アリアちゃんは恐らく半分の力も出せてないんじゃないかな。ユウマさんに聞いた感じじゃ、物凄い事になってるって言ってたんだけどね」
 確かのマリエルが言うように、アリアは自身の持つ本来の力の半分も出せていなかったのであった。それは精神面も有るのだが、現状聖霊であるファルもいない状態なのである。
 しかも魔眼に関しても、今回の旅で一回も使用して無いのであった。

 それに今迄の戦闘では、それ程に力がなくても良かったので、殆どアリアは戦闘に参加してなかった。何故ならユータとレオ、それにユリーファが周囲の敵を倒して、その2人の間を抜けてきた敵をエグミとエルがとどめを指していたのである。



 アリア自身は、戦闘の間・・・実はずっと出発前にユア達が言っていた事が気になって、戦闘どころでは無かったのである。ただ、向かってくる敵はうわの空で、殆ど一撃で倒していたので誰も気付いてなかった。


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