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第10章 女神の修行・・・。

10-31 ユアの行動とシルクの早めの出発?

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 このミナとアリア予感はずばり的中する事になり、ユアとユイカ、それにメイリーの考えていた事が現実になるのだった。



 ただ、アリアに関しては・・・今回の話が気になりすぎて、マリエル様の修行に同行していたのであるが、本来の力が出せずに戦闘には雑念が乗っていた。まあ、それでもユウマ達と一緒にかなり能力をアップしていたので、今回同行するメンバーと同等の力であったのである。

 それで、また先程の話に戻るのだが、ユアは5人で話している間に、いよいよ我慢できなくなりユウマの部屋に抜け駆けして、この場(5人が集まっていた部屋)にみんなに気が付かれない様に自分の座っていたところには、ぬいぐるみを置いて隠密のスキルを使いその場より姿を消したのであった。

 この時点で誰もユアがいなくなっている事に気付かず、話を続けていたのであるがそれは長く続かなかった。と言うより、すぐに発見される事になった。
 それは、ホントにたまたまであるが、魔法騎士学校で出された宿題を終らせ、ミーアが聖魔狼ホーリーフェンリルのランと5人が雑談していた部屋の入って来たのである。
「あっ、なに話してるの?ミーアも混ぜてなのっ!・・・あれ、ユアお姉ちゃんは?」
「「「「えっ?そこに・・・!?」」」」
 ミーアのその声に反応して、ここにいた少女達はユアが座っていた場所に視線を向けた。

 するとそこにはユアが着ていた着ぐるみのパジャマを、着せられたぬいぐるみが置かれており、ユア自身がいなかったのであった。それにミーアから指摘されて気付いたのである。
「「「「あっ!ああっ!?」」」」

「ユッ、ユアちゃんまさかユウ兄様のところに言ったのでは!」
「そうだよ、きっとあの馬鹿暴走しちゃってるよ。このままじゃユウ兄の貞操が・・・」
 みんなが声をあげて、ユイカとミナが最悪な事を考えていたのである。

「えっ、どう言う事よ。ミナ?ユアが暴走って?それにユウ兄の貞操がって大袈裟なっ」
「そっ、そうですよ。まさかユアちゃんが、そこまで馬鹿な事をするなんて思えませんわ?」
 アリアとメイリーがミナの言葉を聞きまさかと思っていたが、ミナとユイカの真剣な顔をしていたので、これは本気だと理解したのである。

 そしてこの後のミナの言葉で、ここにいる全員が慌てる事になってしまったのである。それでミナがぬいぐるみからユアの着ぐるみパジャマを脱がすと、そこにはあってはならない物があった。
「あああっ!あの馬鹿ユア、自分の服や下着を脱ぎ捨てていってる。これじゃユウ兄がぁぁ!」

 ばたばたと慌てて、みんなでユアの元を追いかけて、ユウマの部屋に向かって駆けていったのである。

 その頃ユアは、まんまとユウマの部屋に忍び込むのに成功していたのであった。そしてまず最初にユウマがベッドに居るのを膨らみで確認した。

「・・・ふふふっ、今日こそはユウ兄に、私の全てをもらってもらうんだ。駄目だと言っても強引に、ふふふっですぅぅ。ん、あっ!?あれは・・・」
 ユウは小声でユウマのベッドに忍び込もうとしたが、ベッドの側にあるテーブルの上にある物、カバンに視線が行きそれを確認した。

「これって、もしかしてユウ兄の・・・よし、この中にこれを入れといてとっ、うししっこれでユウ兄の元にいつでもいけるよ。この簡易転移門出口専用君を入れておけばばっちりだよ。うっししっ」
 声を潜めた状態でそのカバンの中身を確認して、これは間違いなくユウマの物と判明した後に、以前ユアが自分の固有スキルである【創造魔法クリエーションマジック】で作っていた転移アイテムを、そのカバンにそっと入れておいたのである。

 実際このユアが作った簡易転移門出口専用君は、一種の転移門であるがどうやら偶然出来た産物らしく、これをどこかに置いておくか、誰かに持ってもらうとその場に転移出来るという、とても便利なアイテムである。ただしこれを使うには、ここの神殿にあるユウマが作った転移門を通らないと、この簡易転移門出口専用君に転移出来ないし、これには絶対入口君が必要となるのであった。

 この時ユアがユウマの部屋で見つけたカバンは、実は今度フィーナさん達と行く時限の森に必要なモノが入っているのであった。基本ユウマは無限に入るアイテムボックスを持っているので、必要は無いのだが今回は時限の森で必要なモノをリンカとシルフィーに頼まれたので、それを揃えてカバンに入れて明日みせるつもりでいたのである。
 それをたまたまユアが見つけて、その中に先程のアイテムを入れたのであった。

 その作業を終えて、先程の続きと言わんばかりに今度は我慢せず声を出し、ユウマの寝ているであろうベッドに飛び込んだ。
「とうっ!・・・えへへっ、ユウ兄!もう、我慢はやめたのよ!今日こそはユウ兄と・・・」

 そして、ユウマの寝ている筈のベッドに、素っ裸で潜り込んだのであった。
「ユウ兄!愛してるぅぅっ。今日こそは一緒に寝てっ・・・!?」
 ・・・が、そのユアの願いはかなう事はなかった。何故ならユウマは既にベッドにはいなくて、出かけた後だったからであった。

「そっ、そんなぁぁ、ユウ兄ぃぃぃ、どこいったのぉぉぉ!・・・せっかく意を決して突撃したのにぃぃぃ」
 そう残念がっているユアの元に、5人の少女達が現れた。

「こらぁぁっ馬鹿ユアっ!あんたは、今度と言う今度は・・・あれ?どうしたのあんた??」
 ミナがユウマの部屋のドアを壊れんばかりの勢いで開け放ち、鬼の形相で踏み込んだが何故かそこには素っ裸のまま涙を大量に流しているユアの姿を見てしまったからである。

「どっ、どうしたのユアちゃん?そんなに涙を流して?もしかして・・・」
「うっ、うじゅじゅっ、ユッ、ユウ兄が、ユウ兄が、寝てた筈のユウ兄がきえじゃっだぁぁぁっ!うううううっ」
 余りにもその姿がかわいそうで、みんな文句を言うつもりでいたが一瞬躊躇ってしまったのである。

「えっ、でもユウ兄はどこにも行ってないはずだよ。確か明日は早いから今日は早く休むって言ってた筈だけど?」
「あっ、確かに私も聴いたよ。明日は確かシルク様の見送りを朝早くするって、確かアリアちゃんもその後に出発するんだったよね。確か?」
「うん、でも、私の場合は少し遅く出発するから問題ないけど・・・どこいったんだろう?」
 4人の少女達が不思議に思っていると、ミーアが何かを思い出して言葉をかけた。

「あれっ?確かお兄ちゃん出かけるって言ってなかったっけ。ユアお姉ちゃん?」
「えっ・・・?いつ?」
「えっと、確かミーアが勉強してる時に、ちょうどユアお姉ちゃんが飲み物取りに来たのと、同じタイミングでお兄ちゃんが慌てて出て行く時にユアお姉ちゃんに説明してたと思うけど?」
「・・・あっ!あの時だ」
 この時ユアは、ちょうどみんなと集まって話をしている時に、飲み物が少なくなったのでそれを追加で取りに行ったのだ。その時に慌てて神殿に向かうユウマと鉢合わせして理由を聞いたのだが、みんなの元に戻って話をしていてすっかりその事を忘れていたのであった。

「あっ!そうだった。ユウ兄は確か神界に行って来るからみんなに知らせといてって、お願いされてたんだった。てへっ♪」
 このあとユアは、ユウマに会えないばかりか、ユウマの頼まれていた事も全て忘れており、止めにはユウマが居なかったとはいえベッドに素っ裸の状態で潜り込んだ事を、みんなから追及されてお仕置きされていたのであった。

 そんな事が起きているとはユウマは知らず、神界にやって来ていた。
 その理由とはユウマが今日は早めに就寝に付こうとした時に、フィーナ様から念話で連絡があったのである。それは今から神殿に来て欲しいという連絡であった。

 まあ、その時は簡単な説明を聞いて、ちょうどユアとミーアが食堂の横にある談話室いたので、その時にちょっと神界に行く事を伝えたのである。

 そして、神殿に訪れフィーナ様とミアちゃんの3人で神界に向かったのであった。神界に到着したのと同時にルアちゃんが慌てて知らせてくれたのである。
「すいませんフィーナ様、ミアちゃん。あっ!それとユウマさんもご一緒でしたか、ありがとうございます。助かります。それでですね、突然シルク様がもう出発するとか言い出して困ってたんですよ。それでミアに急いで連絡を・・・」
 実際に今回の事を知らせてくれたのはシルクさまの専属守護天使であるルアであって、その連絡をフィーナ様の専属であるミアちゃんが受けたのであった。

 それで、現在神界にある転移魔法陣の部屋を占領して事情を聞こうとしていると、ちょうどそこへ、シルク様が小さなリュックみたいなカバンを片手にこの場所に現れた。

 「「「・・・えっ!?何その姿・・・」」」
 流石の俺達もその姿を見たら、ルアちゃんではないがすぐにでも考えを改めさせたいと感じてしまう。

 そうその姿は、今から旅立つような格好でなく、余りにも修行に適してない格好であった。どちらかと言うと今からショッピングでも行くような格好であったのである。
 それでルアちゃんは危機感を覚え、慌ててエミちゃんに即時連絡してからフィーナ様に説得してもらいたかった理由らしい。
 それでフィーナ様は、俺もシルク様に用事がある事思い出し俺を呼んでくれたのであったのだが、これは余りにも酷すぎるというより、修行に行くのに楽観的過ぎる格好であったのである。

「しっ、シルク!あっ、あんた何考えてるの?どこぞにショッピングに行くつもりなの・・・」
「えっ、なに言ってるのよ。ちゃんと考えてるわよ。私は後ろで・・・」
 どうやらシルク様の考えは、今回一緒に同行するシルク様のお気に入りで、女神シルク様の使徒であるヒミコさんと他5名の子達を連れて行くらしいのだが、その子達の後ろで支援と指示を出す事に専念すると教えてくれたのである。
 しかも、本来の目的を完全に忘れている様な感じで、胸を張って詳しく俺達に説明してくれたのであった。

 その説明を聞いたフィーナ様は溜息をついて呆れてシルク様に話かけたのである。
「はぁぁっ!シルクぅぅ、あんたさぁ、今回の目的って自身の能力アップと未来予見の能力取得なんだよ。あんたのその考えってあんたが居ても意味ないじゃん。それじゃ能力の改善どころかあんたの修行じゃなくて、その娘達の修行じゃないの。意味がさっぱり解んないし、ヤル気も見えないんだけど?まあ、後悔するのはあんただけどねっ・・・」

 いやいや、フィーナ様それを止めるのも、友達だと思うぞ。それに・・・あっ!
 俺がその様に思っていると、流石のシルク様も目に涙を溜めて黙り込んでしまったのである。

「しょんなの・・・解ってるわよ。ぐすっ、だって私前線で闘った事とかないし、どちらかと言えば後衛で支援しか出来ないもん。ぐすっ、うううっ、フィーナだって知ってるでしょ、私が戦闘が苦手だって事を、それに・・・」
「あっ、そうだったわね。でも、その格好はどうかと思うわよ。・・・あっ!そうだ。ユウマさんあれ出してくれるかな?」
 フィーナ様にお願いされた物は、着替え一式とフィーナ様達が作った衣装それに必要な装備品の入った衣装ケー・・いや、もうあれは衣装ケースじゃなく衣装室、いや殆ど部屋である。
 とりあえずこの魔法陣の部屋では出す事が出来ないので、少し大きな部屋でそうフィーナ様の居住区にしていた部屋の一室に出す事にした。まあ、大きさにして2m四方のボックスだが、中身は全然違う広さで高さは同じ2mなのだが広さは10m以上あるのであった。

「ほらっ、シルク私の装備品と衣装をあげるから一緒に選ぶわよ。あっ、それとユウマさんシルクにミナちゃんとメイリーちゃんに創ってあげてたロッドと外套があったじゃない。あれと同じ物創ってあげられないかな?」
「へっ?ああ、あれか・・・でも、あれってあくまで今創ってるモノの代用品で創ってあげてるモノだよ。ホントに渡す品はまだ完成してないんだけど、あれと同じでいいならその中にあるはずだけど・・・」
「あっ、ならいいわ!ありがとうユウマさん」
 フィーナ様は、以前俺がミナとメイリーに渡した白銀のロッドと聖女のマントの事を尋ねてきたので、俺が出した衣装部屋ケースの中にある事を教えた。

 ちなみに白銀のロッドは、攻撃魔法の能力がなくても攻撃魔法が全属性使える馬鹿げたしなのもである。ただし持ち主の登録が必要であるし、悪意のある者が触っても単なるロッドでしかない優れ物であった。それに聖女のマントはあらゆる攻撃を防御できる反則のような品物であった。
 しかし、両方とも魔力がすごく必要なので、基本魔力が豊富に無いと使用できる品物ではなかった。

 まあ、ミナとメイリーは、はっきり言ってその心配は無いし、シルク様も女神なのでその心配は無いはずである。

 数分後・・・衣装選びと防具の選定も終ったらしく2人が衣装部屋ケースから出てきたのである。
「さぁ、これならば問題ないはずよ。どお、ユウマさん。完璧でしょうこれならシルクもちゃんと戦えるわよ♪」

 確かに今度の格好は先程の近所に遊びに行くような格好でも、その辺にいるなっちゃって冒険者のような姿でもない。そう女神である事を隠していても女性僧侶か神官、はたまた聖女に間違われる可能性の姿となった。
「そう?私的にはもっと煌びやかでヒラヒラしたのがいんだけど・・・ちょっと地味じゃない?」

 おいおい、この女神様は何しに行こうと思ってらっしゃるのかな?まだ、自分の愚かさを解ってないような。まあ、とりあえずこのままじゃやっぱり心配だから準備していたモノを渡しておこう。

「えっと、シルク様。これは今回の修行で必要になると思う品物と・・・とりあえず食料関連を入れてますから持って行って下さい」
 そう言ってシルク様に色々な品物が入ったカバン・・・リュックを渡した。

 ちなみに中身は大量の回復薬数種類と大量の食料を入れている。それと簡易ログハウス10人用も入れておいた。
 まあ、簡易ログハウスの中にも、それなりの薬品や武器等を整備する為の物や錬金術なので使用できる機材も置いてある。それに食料も相当な量が入っているので、1、2年間は何もしないでも生活できる様にはしている。

 それをシルク様に渡した。まあ、マリエル様のチームには、メグミさんに全て渡しているので問題ない。

「でもなんで、一緒の時間帯に出発しないのですか?マリエル様達と一緒に出発した方が見送りする方には簡単だったのに?それにわざわざ急いで出発なんて?」
「そうよ、シルク!しかもわざわざ私達に知らせないで・・・まあ、あの格好で行くのは無謀すぎるから、ヒミコちゃんにも文句を言われてただろうけど・・・」
 フィーナ様も意地悪を言う訳ではないが、最初のシルク様の格好の事を思い出しながら笑みをこぼしていた。

 まあ、確かにあの格好なら解っている者が見れば、文句を言いたくなると思う。それを自分の事を信仰しているこで、お気に入りの娘に言われたら流石に・・・。

「うっ、うう、だっ、だってしょうが無いじゃない。今回の事は私的には乗り気じゃないけど、御爺様が言うから早く能力を手に入れたいし・・・ちょっと、私・・・今回のは自信がないのよ。未来予見の能力を取得するのが・・・」
 シルク様は今回の修行に関する事が余程自信が無いのか、不安げに自分達に告白してきたのであった。

 それで結局のところ、ある程度俺とフィーナ様、それにルアちゃんとミアちゃんの4人でその愚痴を聞き、もしもの時は多少の延長はこちらでフォローする事を約束した後、シルク様は多少不安な様子をみせたが無事出発をしたのであった。

 それで結局のところ真夜中に、屋敷に戻ってきたのであるが俺の部屋が大変な事になっていたのであった。

「・・・何故?俺の部屋のドアは破壊されているうえに、ベッドは滅茶苦茶になってるんだ。ちょっといない間に何があったのやら・・・。まあいいや、神殿の工房の方で寝よ・・・」
 ユウマは自分の部屋に戻ってくると、部屋に入口ドアは完全に破壊されとそこには張り紙に『ごめんなさい。明日、修理します』と書かれていた。しかもベッドは、何があったのか解らないが、粉々に吹き飛び布団は疎か枕事態が全て破かれていたのであった。
 ユウマは戻ってきてすぐに自分の部屋を覗いた時は『新手のいじめか?』と一瞬考えたがすぐに張り紙を見つけたので、恐らく誰かが俺の部屋に忍び込んだのを、誰かがお仕置きをしたのだろうと考えたのであった。



 それで結局のところ工房で朝を向かえ、今度はマリエル様を見送る為に神界へ向かったのであった。


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