上 下
370 / 557
第10章 女神の修行・・・。

10-18 代理の女神候補達?

しおりを挟む



 それで、いつもの様にミアちゃん達守護天使の自己紹介が終了して、今度は女神候補の娘達がティナに言われて、1人ずつ自己紹介をしだした。



 ちなみに女神候補の娘達も、まだ女神としての真名マナが無いので、愛称だけみたいだった。
「そうですわね。わたくしの名は、セイラですわ。今回ここに来たのは、あくまで上からの命令と、バカンス気分のお遊びできましたの。私の手を煩わせないでくださいね。成績悪くなる可能性がありますから、それにこの世界のゴタゴタに巻き込まないで下さい」
 金髪の縦ロールの髪型の、見たまんま高飛車なこが、自己紹介を最初にした。
 おいおい、あんな我が儘な事言ってる娘が、女神候補かよ。大丈夫かよあんな娘が治める世界は・・・。

「えっと、えっと、セイラちゃんそんな事言ったら、いけないですよ。一応女神になる為の試練なんだから、そりゃ創造神様と私達を指導してくれた神様が気楽にバカンス気分って言ったけど、あれは言葉のあやだから・・・」
 黒髪で 三つ編みオサゲの大人しそうな娘が、先程娘に注意をした。

 おいおい、創造神のじい様とその指導した神様はなんて事を言ってんだ?しかも女神になるかどうかの候補の娘達に・・・。
 この時点でユウマは、溜息を吐いてどんだけ緩い感じで代理を選んでいるのやらと考えていたのであった。

 するとユウマがそんな事を考えていると、先程の高飛車な娘が、自身を注意した娘に向けて声をあげた。
「御黙りなさい。マナさん!あなたそんなんだから、他の娘達に馬鹿にされるんですよ。ほら、シャンと自己紹介しないと、あなたは実力はあるんですから」
「アワアワ、ごめんなさい。マナですよろしくなのです。頑張りますセイラちゃん共々お願いします」
 そのマナって娘が自己紹介した事には、文句をつける事無く、『もう、ホントに仕方無いですわね』といいつつも一緒に頭を下げ、再度『よろしくお願いしますわ』と言っていた。

 あれ?・・・ああ、なるほど、さっきのセイラって娘は、今、自己紹介したマナって娘の事を、すごく気にしてるようだな、それにちゃんとお互いをフォローしている様に見えるな。

「はいはーい、次はぼくで~す。ぼくはユリカって言いま~す。短い間ですけどよろしくでぇぇす」
 つきに両手を万歳してピョンピョン跳ねている元気な娘が自己紹介した。その娘は茶髪のショートヘヤーのハキハキとした明るい少女だった。しかも胸がマリエル様並みにデカイ・・・それが上下に揺れて大変な事になっている。(ここはご想像にお任せします・・・)

 今度の娘は、ぼくっ娘かよ。しかも非常に明るい娘で、何となく昔のリンカみたいだな。しかし、あの胸は反則だろう・・・まあ、俺としたらラッキーなんだが・・・。
 しかも男の子の守護天使の子で数人が、顔を赤くして目を伏せていたのであった。

 それで、その異様な光景を、殆ど気にしない様に次の娘が、うな垂れてヤル気の無い声をあげた。
「ウチは、出来る事ならもう帰りたいんだけど、それに自己紹介しても無駄じゃない。ここの子達とは、この先一緒に仕事する訳ないんだから、それにウチはここの仕事する気ないし、所詮他の女神の領地じゃん」

 紅い髪のストレートロングヘヤーの娘が、既にうんざりしたような感じで自己紹介もしないでいると、緑色の髪でポニーテールの娘が注意した。
「レイカさん、そんな事だからいつも怒られて、最終的に誰も声を掛けなくなるんですよ。今回だってせっかく創造神様に貰ったチャンスなんですから、真面目にしてください。貴方がこの中で一番、能力が高いで女神の素質があるんですから、まあ、その性格が問題なんですけど」
「解ったわよ、もうホントにお節介なんだからサーシャは、レイカ・・・以上!」
「ホントにもう、すみません。私はサーシャと申します。レイカさん共々頑張りますのでよろしくお願いします」

 そして、最後に残ったのが青髪ショートヘヤーの娘が周りを見て声をだした。
「レイ、よろしく・・・」

 ・・・!?それだけか、しかもあの中で一番ヤル気がなさそうと言うより、何かタブレット端末をしきりに覗いてる?
 最後の娘は一番短い自己紹介だったが、何故かしきりに俺の方に視線を向けているようだが・・・まあ、気のせいだろう。

 それで6人共、はっきり言って個性が強いような感じがした。

 時の女神であるティナなどは、今の自己紹介を聞いて完全に呆気に取られているし、ミアちゃんなんて何故かこっちに助けてと言わんばかりの視線を送ってきている。

 いや、ミアちゃんよ、そんな視線をこっちに向けても俺にはどうする事も出来ないよ。まあ、出来たとしてもする気はないけど・・・。

 ユウマがそんな事を思っていると、守護天使の筆頭であるレミちゃんは、流石に冷静でちゃんと対処して今回の担当する箇所の説明をしている。
「それでは説明させていただきます。まず、今回代理をして頂きます大陸は・・・・」

 レミちゃんは今回の代理が必要な区域であるマリエル様の加護するイルミナ大陸の説明と現状を、そして俺がまとめた大量の資料を読み上げた。それに続きシルク様の加護するレールファ大陸の現状を説明した。
 まあ、シルク様の加護していた大地は、比較的大きなモノはすべて先手を打って解決しているので、細々した内容しか残ってなかった。実際それも資料にまとめて渡している。

「それで、ですね。その大陸を担当している女神様、えっと、シルク様の専属であります守護天使のルアとマリエル様の専属であります守護天使のエミに詳しい事は聞いてください。それでは2人共・・・あれ?」
 レミちゃんが2人に話を振ったが、肝心のその代理をお願いしたルアちゃんとエミちゃんは・・・完全に魂が抜けた状態になっていた。

「えっ、どうしちゃたんですか2人とも?ちょっ、ちょっと待ってください」
 レミは、魂を抜かれたような感じのルアとエミの手を引き、ついでにミアをみんなに見えないところに連れて行った。

 そして俺の方はというと、その間に例の双子ちゃんの守護天使と、その他の守護天使達と状況をその後で見ていた。それで俺は思った事を口に出した。
「しかし、大丈夫かあの娘達は・・・。なあ、双子ちゃんよ。あの娘達のプロフィールみたいなのあるの?」
「「あっ、はい、ちょっと待っててください。持ってきますから・・・」」
 俺が双子ちゃんに頼んだら2人で、資料を探しに行ってくれた。

 それから数分後・・・双子ちゃんは色々な種類の資料とマジックタブレットを持って来てくれた。

 それで6人の女神候補の娘達のプロフィールを見て驚いたのが、実は全員確かにすごく優秀な成績なのだが、我が強いので、現状女神の適正が最悪みたいだったのだ。

 まず、最初に自己紹介をしたセイラ、この娘は間違いなく成績は上位で優秀らしいなのだが、ある一定の人物しか心を許さないときている。

 次にマナ、この娘は気が弱すぎるのが、いけなさ過ぎる。ただ、何故かセイラはこの娘を信頼してよく一緒にいるらしい、しかもマナが落ち込んでいると常に一緒にいるし、その逆もあるみたいだ。

 その次にユカリだが、この娘が一番マトモと思ったら・・・実はすごいドジッ娘らしい。下手をするとマリエル様以上のドジッ娘かもしれない。

 それでレイカは、先程思ったとおりヤル気が無いうえに、どこぞの不良?見たいな感じであり、ついでに言うとサーシャは、真面目すぎて要領が悪すぎるみたいだ。

 唯一マトモなのは、意外ではあるがレイと来た。ただ、コミュニケーションが最悪らしいのと、何を考えているか解らないじょうたいであった。しかもこの中で一番成績が優秀ときている。

 ただこの資料を見せてもらっている時に、俺は見たらいけないモノを見てしまった。それは、4、5日の女神代理を行なった後に、この場にいる者で合否を決めて、新たな女神とその補佐役の女神として選出する内容と、それまでの間に、フィーナ様とシルク様、そしてマリエル様とティナの元で新たな教育を要請すると書かれた資料が同封されてあったのである。

 流石に、これは気の毒と思ったが、みせない訳には行かないので、双子ちゃんにその資料を渡し、その事を教えておいたのであった。
「なあ、これをティナに渡しておいてくれる。特にこれをどうやら重要な事を書いてるっぽいから、それに後でフィーナ様にも見せて、シルク様とマリエル様も戻ってきたらみせてやって・・・」

 それだけを伝えると双子の守護天使は、ユウマからその資料を受け取り、物凄く驚いていた事は言うまでもない。それをそのまま呆れ顔をしたままのティナの元に向かい、その資料を双子はティナに渡した。

 そして、案の定それを見たティナと先程その場に戻ってきていた関係のある守護天使(レミ、ルア、エミ、ミア)達は、何故か一斉に俺の方に悲しい視線を向けたので、女神候補の娘達も不思議に思いながら、こちらの方をみたのである。

 おいおい、何故、俺の方を見る。しかも全員!流石に神様達の事情に、俺が首を突っ込む訳にはいかないだろう。

 するといち早く、俺の存在が不思議に思ったセイラが、ティナの方に向き直り事情を聞きだした。
「そういえば、あの方は誰ですの?ただならない雰囲気がありますの。メルティナ様」

「うんうん、そうそう、誰なのあのお兄さんは?」
 それに同意するように、ユカリが確認して、同じ様にマナがきいてきた。
「あっ、私も、それは思いました」

「ここって一応、このアーストリアの世界の神界だよな?なんで神でも無い奴が?」
 流石にレイカも不思議に思い尋ねるが、サーシャはユウマの放つ気の感じを不思議に思いながら感じ取っていた。
「あれ?ホントに神様じゃ、ないのかな・・・でも、この感じって神気じゃ?」

 ただ、レイに関しては、今回の興味が全く無かったようだが、ユウマだけには反応を示していた。まあ、最初からユウマの存在に気付き、気にしていたようではあるが、そこはどうでもいいことである・
「・・・・ううん?なんか、安らぐ感じがするの?」

 6人の女神候補の娘達に言い寄られ、時の女神であるティナは、説明するのが面倒らしく後ずさりをしだした。

 実は、ユウマがティナの兄である事は、事情を知っている者以外に、伝えるのはいけないのである。まあ、実際殆どの神は知っているし、ここにいる守護天使達は知っているが、自分から女神候補達には、説明と詳しく言う訳にもいかないのであった。
「えっと、それは・・・」
 ティナが言いよどんでいると、ここでミアちゃんがとんでも無い事を口走った。

「あっ、あの方は、ユウマさんと言って、女神フィーナ様の旦那様になる人だから、ここに居ていいのですよ!」
「あっ、ミアちゃんそれを言っちゃ・・・」
 ティナが慌ててミアちゃんに注意をしたが、時既に遅い状態であった。

「はわわっ、えっと、今のは無しです。聞かなかった事にしてください。お願いします」
 ミアちゃんが慌てて、手をフリフリして否定している。・・・が、もう既に遅いのだ。

 ・・・ハテ、今何か聞いてはならないような事を言っていたようだが?俺がフィーナ様の旦那だと・・・なんかいよいよ訳が解らん事に?



 ただ、この事の意味がこの後に判明する事になったのであった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!

猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」 無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。 色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。 注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします! 2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。 2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました! ☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。 ☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!) ☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。 ★小説家になろう様でも公開しています。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! ★恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 連載希望のコメントをいただきましたので、 連載に向け準備中です。 *他サイトでも公開中 日間総合ランキング2位に入りました!

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

断罪された商才令嬢は隣国を満喫中

水空 葵
ファンタジー
 伯爵令嬢で王国一の商会の長でもあるルシアナ・アストライアはある日のパーティーで王太子の婚約者──聖女候補を虐めたという冤罪で国外追放を言い渡されてしまう。  そんな王太子と聖女候補はルシアナが絶望感する様子を楽しみにしている様子。  けれども、今いるグレール王国には未来が無いと考えていたルシアナは追放を喜んだ。 「国外追放になって悔しいか?」 「いいえ、感謝していますわ。国外追放に処してくださってありがとうございます!」  悔しがる王太子達とは違って、ルシアナは隣国での商人生活に期待を膨らませていて、隣国を拠点に人々の役に立つ魔道具を作って広めることを決意する。  その一方で、彼女が去った後の王国は破滅へと向かっていて……。  断罪された令嬢が皆から愛され、幸せになるお話。 ※他サイトでも連載中です。  毎日18時頃の更新を予定しています。

愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁
ファンタジー
 前世では、愛されることなく死を迎える主人公。実の父親、皇帝陛下を殺害未遂の濡れ衣を着せられ死んでしまう。死を迎え、これで人生が終わりかと思ったら公爵家に転生をしてしまった主人公。前世で愛を知らずに育ったために人を信頼する事が出来なくなってしまい。しばらくは距離を置くが、だんだんと愛を受け入れるお話。

【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜

よどら文鳥
恋愛
 フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。  フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。  だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。  侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。  金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。  父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。  だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。  いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。  さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。  お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。

処理中です...