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第10章 女神の修行・・・。

10-3 無限に現れるオーク!

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  それで50階層で約半日休憩した後は、すぐに51階層に下りて戦闘を行なって次々と階層を下りていたのだが、結局のところ50階層の件から俺が手を出す事はなく大人しく後を付いて行く事になったであった。
・ 


 そんでもって、現在59階層の直線に続く長い廊下みたいな通路である。そこには通路一杯のオークの大群が迫ってきているが、10m先からこちらに近付いてこれない。
 まあ、大群と言っても狭い廊下の通路なので、オークの大きさでは精々こちらに向かってきても横には2体がやっとで、縦に並んでも30体がやっとである。それにそこまでギュウギュウに詰めて襲ってこないので、この場で見える数は、精々20体以上は向かって来ないし見えない。
 それにどうやら奥の方にある階段の横の角から、次々とオークが湧いて出てくるのである。

「しっかし、どれだけいるんだろうねぇぇ・・・あの、オーク達?でも、以前見た事のあるオークとあきらかに違う様な?」
 この場で現れているオークは、以前ユウマがあった事のあるオークとは全く別のようなモノであり、安全に欲望にまみれた餓鬼のような感じで、何かに飢えたような感じであった。

「そうですね。まあ、あの時はユウマ様が助けてくれましたし・・・それに、確か操られてましたから。もう、ほんとに、このオーク達は・・・いい加減諦めたらいいと思うのですが?・・・えい!えい!・・・」
 シルフィーは俺と初めてあった時の事を思い出したが、いい加減次々と湧いてくるオークに、うんざりしたように答えてくれて、10m先にいる5体以上のオークを1回の攻撃魔法で消滅させていた。

「もう、ホントなんなの、なんでそんなにムキになって、こっちに向かってくるのかな?ああ、いやだ!・・・セイクリットランス!」
 フィーナ様は半分引きぎみで、オークに大群に向けて神聖魔法である神聖槍セイクリットランスを放ち、次々と出てくるオーク達を一掃した。

「はぁぁっ、やだやだ!なんていやらしい顔で向かってくるの。私達にはちゃんと素敵な旦那様が居るのに・・・。流石にあんなのが相手は嫌だよ。こっちくんなぁぁ・・・でも、なんで、ここまで飢えてるの?」
 リンカに関しては最初から引きぎみで、嫌な顔をして自身の武器である銃剣ハンドレットバッハ(改)で、オークの顔目掛けて、シルフィーとフィーナ様が魔法攻撃で倒し損ねたオーク達を、1匹づつ確実的に狙いをつけて倒している。

「・・・でも、なんで顔だけ狙ってるの?」
「だって、顔が生理的に嫌だし・・・それに豚だし・・・、ねえ」
 いや、『ねえ』と言われてもなぁぁ、しかも、3人共口をそろえて『なんで、私達の方をいやらしい目で見て、あんないやらしい顔で向かってくるの。ホントに・・・いやぁぁぁ!』と喚いていも・・・。

 3人は視線を逸らし、ユウマの方を見ながら器用にも、オーク共を次々と葬っている。

 どうやらあのいやらしい顔を見るのも嫌らしい。リンカなんて狙いもつけず完璧にオークの顔だけを吹き飛ばしてるいる。
 みんな、時たまチラッとは見るのだが、そのたんびに嫌な顔をして言葉を漏らしている。

 その都度『いやぁぁ、なんでいやらしい顔で、そのうえ血走った目で向かってくるのぉぉぉ』と3人共同じ様な事を喚いている。

 まあ、そらぁ、そうでしょう。こんだけ美人ぞろい・・・いや、はっきり言って超絶な美女ぞろいで、しかも神秘的でとても可愛い女性が目の前に3人もいたら、オークじゃなくても・・・でも、あいつら、そこまで?
 それに殆ど気が狂う程・・・っていうより、ちょっと異常な感じで襲い掛かってくるな・・・なんか鬼気迫るような感じ?・・・まあ、何せ本来のオークはこんな感じのはずだし、確か話しによると美人や可愛い女性がいたら、有無を言わず捕らえて犯すか・・・でも、これは・・・。

 この時点で襲ってくるオークは、間違いなくフィーナ様達3人を、目掛けて襲い掛かってきている。しかも・・・そいつらは、何故か飢えた感じで血走った目で、さらにいやらしい顔でヨダレを垂らしながら近付いてくるのだ。
『『『『Gugomomomo、WomanOkas、Haramasu・・・!!』』』』
『『『Gumou!!Okas、Okasasero!・・・・』』』
 気が狂ったように呻き強引に進みながら、近付いて来るのである。しかも、前方の仲間が次々とやられているのにお構い無しに、それに恐怖することなく突っ込んで向かって来ているのだ。

 ただ、おかしいのはその数であると共に、同じ様な個体・・・いや、殆どが同じ奴だった。既に100体以上は撃退しているのに、まだ現れているのであった。
「しかし、ホントにどうなってんだ?てっ、言うよりあいつら飢え過ぎだろうに、目が血走ってヨダレまみれじゃん。それに・・・あれ?」
 おやおや?あれだけ倒してる筈なのに、魔石どころか素材がまったく地面に落ちてない。どうしてだ?・・・ん、それどころか泥水・・・あれ、地面に吸い込まれた・・・なんだありゃ?

 あれだけの魔獣モンスターであるオークを倒しているのに、魔石どころか素材を地面に落ちていなかった。それどころか泥水がその場に落ちて消滅すると、その分のオークが奥の階段の横の角からその倒された分だけ現れているのである。
 事実、この廊下の通路に現れているオークの数は・・・やっぱりどう数えても最大20体だけであったのだが、それ以上は増える事はなかった。

「なあ、おかしくない?倒してるのに、魔石もないし、良く見ると20体以上姿が現れないし、それ以上は向かって来てないんだけど?」
「えっ、そうなの?全然気付かなかったんだけど・・・あれ、ホントだ!うっ、また嫌な顔見た」
 リンカは俺の言葉を聞き、その事を確認する為にオークの方を見て、それで嫌な顔をまたした。

「フィーナ様、あれでしたら未来視を使ってみたらどうでしょう。何か解るかもしれませんよ」
 それでシルフィーは、フィーナ様にオークを倒しながら未来視の行使をお願いしたのである。

「ん~ん・・・解ったわ。リンカちゃん、シルフィーちゃん少しの間だけお願いね。あっ、ユウマさんは手を出したら駄目だよ」
 ・・・えっ、ここでも俺の出番は無し、なんか最近俺の出番がまったくないような気が・・・。

 事実ここ最近ユウマは、出番どころか殆どが後処理と食事係であり、後は夜のお供だけになっている。しかも3人はこれだけ起きている間(昼間)も暴れ回ってるのに、長時間休憩(夜間)で寝る前も元気なのであった。

 なんとなく最近のユウマは、ヒモみたいな生活状態になっている。良く働く女性に養って貰ってる男性みたいな感じであったのである。
 まあ、実際はそんな事は無いのだが、とりあえずユウマは最近ずっと暇なのでフィーナ達の戦闘を行なってる間や、移動の間は周囲に気を付けて、創造魔法や創生魔法で色々創ったり、他の子の新たな武器を考えていたりしていたのである。

 ああっ、そういやミナ、ユイカに武器を急いで作るように頼まれてたよな。でも、なんでユアに創って貰わないんだ?ユアならすぐに創れるだろうに、俺と違って殆ど素材無しで創れるのにな?・・・まあ、いいや、頼まれてるからな。
 それで、フィーナ様が横で未来視を行使している間に、ミナとユイカに頼まれた事を思い出し考え事をしていて、どうやら考え事が声に出ていたようであった。

 それで俺のその考え事で漏れた言葉を聞き、不思議そうに尋ねてきた。
「ん?・・・何か言いましたかユウマさん?」
「えっ、ああ、別になんでもないですよ・・フィーナ様」
「へっ、そんなんですか?まあ、いいですけど・・・そろそろ私も様付けじゃなくて・・・ごにょごにょフィーナって呼んで欲しいなっ・・・」
 ん?なんか最後の方が聞え辛かったが・・・なんて言ったんだろう?

「フィーナ様!それよりも早く今の状況を打開しないと、永遠と続きますよ?」
「あっ、そうですね。でも・・・・」
 それでフィーナ様は、何故か納得いか無い様でまだごにょごにょ言いながら、今だ襲い掛かってくるオークの状態を未来視と未来予見の能力を行使して確認しだした。

 それで何かが、見えたのか考え事をしているユウマに尋ねた。
「ねえ、ユウマさん・・・あれってどう思う?」
「ふぇ?」
 ユウマはミナ達の武器の構造を考えていたので、ちょっと間抜けな返事をしてしまった。

 それに気付いたフィーナが頬を膨らませて、もう一度ユウマに声を掛けて尋ねた。
「もう、ユウマさんたらぁ・・・えっとですね。あの同じ様なオーク達の行動と何故20体しか現れないかですよ。私の未来視では、どうも永遠に続くみたいなのですけど?あれってどう思う?」
 どうやらフィーナ様の未来視では、この先何も行動を起さないでいると、永遠にこの状態が続く未来が見えたようである。ただ、おかしいと感じたのは同じオークが20体しか現れない、それにその行動の殆どが同じ感じであった事に気が付いたようだ。

「あっ、はいはい、えっと、あいつらね。うーん・・・恐らく、あの現れる角の両側が怪しいじゃないかな?片方の角からは何にも現れてないんですよ。それでフィーナ様の未来視では、ずっとこの場所で遠距離攻撃してる未来なんでしょう。ならリンカとシルフィーに、今の位置から前進して貰ったら、なんか変わるじゃないかな」
 まあ、単純に片方から出てくるオーク達を遮断して、その先の階段を下りれば一番早いのだけど、自分達で攻略すると言ってたし、それにこれはフィーナ様の修行だから、ここではこれくらいのアドバイスだけで・・・。

 俺がそんな事を考えていると、すぐにフィーナ様はリンカ達に少しづつ前進するように、話し掛けていた。
「リンカちゃん、シルフィーちゃんお願いがあるんだけど、余裕があるなら前進して貰えるかな。今の状態の未来視じゃ、全然変化しないみたいだから」

 その言葉を聞き、一旦首を傾げて不思議に思ったが、すぐに返事をした。
「そうなの?・・・オッケー、解ったよフィーナちゃん」
「ええ、了解しましたわ。フィーナ様!」



 2人はフィーナ様の話を素直に聞き、徐々に前進しだしたのだった。


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