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第9章 戦いの中で真実を?

9-7 工房が奪われました?

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 その話の内容は、ちょうど1月前に遡るのであった。



 この日はちょうどカフェレストランや色々な店舗を開店させ数日がたったある日、凄い賑わいからある程度落ち着き店の運営も機動に乗り上手く行きだし、元々ウチの屋敷に居た選りすぐりの使用人達だけで運用できる様になった。

 そんな訳でカフェでは、既にもうユウマ自身が手伝う事が少なくなり、たまにはのほほんと錬金術の研究でもしながら一日を過ごそうと考えた。
 それから程なくして神殿にある工房に向かい、中に入ると・・・・そこはもう俺の知る自分専用の工房と言える状態で無く、メグミさんと数人の使用人の娘達が、鬼気迫る勢いで何かを一生懸命製作していた。

「何、このカオスみたいな状態は?それに俺の工房と荷物類は?・・・・・ねぇ、きみ・・・」
「すみませんユウマ様。今非常に忙しいので」
 事実何が起きたかが解らず、近くにいた娘に訪ねたら、忙しいという事で相手をしてくれなかった。

 うん、わかった!ここは・・・とりあえずそっとしておこう・・・。

 そう思い修羅場となっているその場所を離れ、フィーナ様に事情を聞くために部屋を訪ねた。
「フィーナ様。いますか?」
「・・・・・!?」
 部屋の扉をノックしてみたが、返事が無い?・・・確かに中に誰かいるとは思う。何故かと言うと気配がするからである。

 ちなみに何故フィーナ様を訪ねたかと言うと、基本的この神殿内の管理は、俺とフィーナ様でしているからなので、俺が知らない事ならおそらくフィーナ様が知っているからである。

 しかし、部屋を訪ねたがどうも居留守を決め込むみたいだ。
 それでどうしようかとフィーナ様の部屋の前で、考え事をしていると神界に行っていたのか神殿の転移門を使いミアちゃんがこの場に戻ってきた。
「あれ?ユウマさん・・・フィーナ様の部屋の前でどうかしたんですか?」
 ミアちゃんにその様に尋ねられたので事情を説明すると・・・突然何を思ったのかフィーナ様の部屋の扉を開け放った。

 えっ?鍵が掛かってた筈だけど・・・どうやって開けたのやら?
「フィーナ様居るの解ってますよ!ユウマさんが困ってますよ、ちゃんと事情を説明したんじゃなかったんですか」
 ミアちゃんがお構い無しに、フィーナ様の部屋へ声を掛けながら入って行った。
 しかし、パッと見た感じどこにも姿が見えなかったが・・・ミアちゃんがある場所の前に立ち勢い良くその扉を開け放った。
 するとその中から大量の服や何かのぬいぐるみと共に、フィーナ様が転がり出てきた。しかもあられもない姿であった。
 俺はその姿に釘付けになっていると、少し目を回していたフィーナ様がミナちゃんと俺の存在に気が付き。それで俺達に笑顔を向けてきた。
 
だが、どうやら俺がある一点を見つめていたのに気が付き、自分の状態を確認して一瞬思考が停止して、呆けた顔をしていたが次の瞬間、可愛らしい顔を真っ赤にして、なんとも言えない悲鳴をあげた。
「うっ、うにゃぁぁぁ~~~・・・・!!!」

 それであの可愛らしい姿を目に焼き付けた状態で、俺は慌てて部屋から出て行った。
「ふっ、にゃぁぁぁ、見られちゃったよ。どうしようーーー。ミヤも何でユウマさんと一緒に部屋に入ってくるかなぁぁぁ」
「そんなのフィーナ様が悪いんじゃないですかぁ!・・・」
 なんとも言えない悲鳴と共に部屋の中では、凄い騒動と文句の言い争いが始まり暴れ回っているようだった。
 ちなみにその騒動が始まり出したので、そっと部屋の中を覗き込んだら、まだちゃんと服を着ていないフィーナ様と目が合い、また凄い事になってしまったのだった。

 そして、今はフィーナ様の部屋の中で話をしようと思うのだが、フィーナ様が顔を真っ赤にして耳を塞ぎこちらと視線を合わせてくれない。しかし、俺としては工房の事を確認をしたいので顔を赤らめて耳を塞いでいた手を強引に手を握り外し語りかけた。
 すると今度は赤くさせていた顔を青ざめさせて、答えてくれた。

 それで結果的には・・・・、俺の工房の部屋はフィーナ様の権限で作業場に変えられて、奪われてしまったという事であったのである。
「でっ、何でまた俺は自分の工房部屋を奪われないと、いけないんでしょうか?・・まったく」
「ごめんね。ごめんねユウマさん。どうしてもあの部屋がちょうどよかったのよ。それに肝心な時にいないのがいけないと思うの」
「いや、それは仕方が無いでしょう忙しかったんだから、それにこんな事だったら連絡してくれればそれだけでも済んだでしょう。ホントにもう」
 ユウマが文句を言うのは当たり前だった。

 工房を奪われる前にも、フィーナ様にどうしてもと頼まれて、ドデカイクローゼットとその服を作るための作業場を神殿内に以前作った。それに部屋も数箇所製作した。
 それなのに、今度は資料かなんかを作る作業場を、ユウマに作って貰おうと工房に訪ねていたらしい。

 まあ、そこに俺は居らず、その工房が今回の作業を行なうのに丁度いいと思い メグミさん達にそこを確認させたらしい。
 それから最初の頃は俺にばれない様、その場所を利用していたようだが、次第に錬金術の道具や調薬等に使う道具が邪魔になりだし、仕舞いには必要のない荷物を退かして、その工房を奪っていたのである。

 しかもご丁寧に神殿内の空き部屋になっていた部屋に、それらの退かした道具類と必要ない荷物を運んでいたのだ。その部屋は既に物置状態になっていた。

 何故、ユウマがその事に気が付かなかったかと言うと、以前ユータとロンに約束させられていた討伐依頼と迷宮ダンジョン探索に約一週間ほど出かけていた。
 それにカフェレストランの忙しい時期は、色々と手伝っていたのでここのところ工房には来ていなかったのある。

 それでユウマが居ないのをいい事に、いつの間にか部屋が乗っ取られていたのであった。



 その事をフィーナ様の部屋で愚痴っていると、何故かまた泣きながらマリエル様がやってきたのである。



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