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第9章 戦いの中で真実を?

9-2 状況を把握してみた?

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 しかし、この戦闘が行なわれている場所で、ユウマとはまったく関わりの無い、一般の冒険者達はたまったものじゃないはずだ。



 実はこの場所で戦っていた者の殆どは、誰の守護も加護も受けて無い状態であり、唯一加護を受けているパーティが数グループと数人の冒険者が残っているぐらいだった。

 後のパーティは既に全滅してこの世にもういないか、撤退して後方の街に避難して、この戦闘を行なっている場所にはいない。

 何故加護を受けていなかったかの理由は、この戦闘を行なっている大陸が、実は女神マリエル様の守護する大陸であり、以前の雪山、アイスストーン山脈で起こった厄災で協力しなかった者や、今だマリエル様を崇める事をせず、自分達の力でどうにかできると勘違いした人物達であった。

 実際はそういう者達は、加護がなくなった後に、今回みたいな危機的な状況には陥ってなかった。 なので、今回の件で物凄く後悔して死んでいく者や、すぐさま泣き叫びこの場を逃げ出してしまっている。

 今かろうじて残っている者は、マリエル様の加護を唯一受けている者と他の者の加護を受けている者だけだった。そのマリエル様以外の加護を受けている者は、実は他に強力な聖霊もしくは他の女神、フィーナ様とシルク様の守護を受けていた。
 その加護を受けている者でも、軽傷ではあるが数名存在していた。それでも既に数名は最終防衛ラインの場所まで戻って、数多く迫ってくる雑魚魔獣モンスターと戦闘を行い、辛うじて防衛している状態だ。
 ただもうこの場所、ここにいる最大の敵のところには戻って来る事はないと思われる。それほど巨大で最悪の敵なのである、殆どか余りの強さに恐怖して撤退したようなものだったからである。

 そして、周りをよく見ると戦闘を開始する前は20チームほどのグループと、個人で戦っていた冒険者達が百人近くいたのだが、今現在辛うじて残っているのは4つ程のグループと、数人の冒険者しか残っていない。その殆どがユウマ達《白銀翼の翼》に助力を受け、辛うじて助かっているがそれほど相手が協力な状態であった。

 その前線で戦闘を行なってるグループは、ユウマ達以外で残っているグループが1つと冒険者3人だけで他は後方に下り必死に街を守っているのだ。

 そのうちの1つのグループは前線と最終防衛ラインである街の前の建てられた防壁の間、ちょうど中間部ではあるが、そこで必死に戦闘を行ない後方にある程度強い魔獣モンスターを行かせないように戦っていた。

 先程までいた他のグループは後方に下り、他の冒険者は逃げ出したか、その場で息絶えて姿を消すかゾンビとなって街を襲ってきているのであった。

 唯一のファミリーであり、チームを組んでいるなかで全員が生存して残っているのは、ユウマ達《白銀翼の翼》だけである。それでも今はかなりの負傷者を出している。まあ負傷者と言ってもユウマ以外は殆どかすり傷程度の軽傷である。
 それ以外の者は魔法を使いすぎて、魔力が枯渇しているか、ただ単に気絶している程度なのである。

 今現在まともに動け戦えるのは、リンカとシルフィー、それにユータとメグミだけだったのである。

 その他のメンバーで、まずミナとユアは後方で負傷している他の冒険者や、街の住民達に回復魔法を掛け使いすぎて魔力が枯渇して、今は意識を失っているユウマの側に来て魔法を使わずユウマの治療をしている。

 次にロンとアリア、そしてミーアは負傷していたが、現在ある程度回復しているがまだ目を覚ましていない。
レーネとキュリカに関しては、今はこの場から離れ混乱している後方の支援に向かっている。

 最後にリンカ達同様にまともに動け、魔力も枯渇していないユイカとメイリーが必死に深手を負ったユウマの側で回復魔法やユウマの造った回復薬等を使い、ミナとユアと一緒に治療を行なっている。

 それと今回はこの緊急事態に同行していたフィリアさとヨーコではあるが、その2人は今現在後方に戻り混乱して統率の取れていない冒険者達を、この街の冒険者ギルドのギルマスと職員達と共に連携して負傷者の治療と防衛に専念している。そこに先程説明したレーネとキュリカが合流している。

 それでユウマを含む先程説明したように、殆どのメンバーが前線で戦って敵を食い止めている。そのために、この場所から動けないような状態になっていた。 特に一番負傷が激しいのはユウマで、今は動かせない状態になっていた。

 しかもユウマは、先程まで気絶していたがユイカとメイリー、それとミナとユアの必死の看病で意識だけは回復していて、その状態のまま魔法を行使して戦闘を行ないだしたのである。
「ユウ兄!それ以上無理したらほんとに死んじゃうよ。やめて!」
「ユウ兄様!無理しないで・・・」
 ユアとユイカの必死の説得も聞かず、その場で魔法を使用して攻撃を加えつつ、近くで負傷している人達にも回復魔法を使用していた。

「ユウ兄様・・・どうしても戦うのをおやめにならないのですね。それなら・・・」
「ユウ兄・・・。そっか、これは私達を守る為なんだね」
 メイリーは2人と同じ様に止めようとしたが覚悟を決め力の限り手伝おうと決心をし、ミナに関してはユウマの瞳を見て何かを悟り止めること事態しなかった。そして、悲しい表情をみんなに解らないように隠してその場を離れた。

 何故ミナがその様な行動を取ったのかは、今のところ解らないがそれでもユウマから何かを感じ取って、その行動を止めるのを諦めたのだろう。

 それでそのユウマは、実は意識を取り戻した訳でなく、本能のまま身体が動いていただけだった。それにユウマの横に寝かされている3人も今だ意識が戻らない状態だった。

 特にミーアに関しては傷と言うほどの怪我がないし、それを護るようにフェンリルのランも今だ目を覚まさない状態であった。だがこの時点で不思議な事が起こっていた。
 それは先程までミーアより大きかったランの身体が、いつの間にか以前と同じような大きさになっていたのである。
 その小さくなる前までは、ミーアより大きくユウマ達と余り変わらない大きさであり、そのランの潜在能力に以前に比べて数十倍にも跳ね上がっていたのだ。
 当然ミーアの能力もユウマ達と行動を共のする様になり、一般的なミーアぐらいの年齢では考えられない程、強くなっていたのであった。

 それに今だ気絶してピクリとも動かない、ロンとアリアも以前よりも数段強くなり、最初は余裕で今戦っている相手と戦闘をしていた。しかし相手の攻撃を直接受けた訳ではないのに何故か3人と1匹は目を覚まさないのであった。

 あと他のメンバーも、以前とは比べ物にならないほど強い筈なのに、それでも今目の前にいる敵は物凄く強いのであった。



 そう以前戦った魔人族等とは、比べ物にならないほど目の前の敵は強かった。その敵の正体は・・・!?


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