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第7章 冒険の始まりかもしれない。

7-41 とりあえず完成?・・そして

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 えっ、なら俺が作った【異物除去魔導釜】は・・・・・。いや、考えるのはやめよう。それに下手をすればあれは・・・。うん、黙ってこう。



「あれ、どうしましたユウマさん?顔色がすぐれないようですが?」
「あっ、いっ、いえ、ちょっと考え事をしていて・・・」
 いっ、いかん、つい顔にでてしまった。それはさておき・・・どうしよう。とりあえず正直に話すか、それにお願いも聞かないといけないみたいだしな。

 このときは、とりあえず話を流したが実は俺の作った【異物除去魔導釜】は、フィーナ様が壊してしまった神具以上の能力であり、ついでにその性能は、はっきり言って優秀すぎて馬鹿すぎる性能だった事がいずれ発覚するのであった。

 それはさておき先程の話しの続きで俺は、ある事を話すことにした。
「えっと、さっきの話の続きなんですけど、ちなみに神光玉が、実はもうありますっていったら驚きます」
「はっ、なに言ってますか? あれは、もう・・・えっ、冗談ですよね?」
 俺の言葉を聞きミアちゃんが、またまたと言う風にこちらに返したが、目を見て「はっ」としてまさかと言う風な顔つきになった。

「いえ、実は・・・」
 そう言ってこの部屋を一旦出て、言われていた材料を持ってきて見せた。

 すると、ミアちゃんは呆気に取られその場で固まってしまった。

 その時フィーナ様は腕を組んで「さすがは、私が見込んだ人ねっ」と、何故か自分の事のように誇らしげにしていた。

 まあ、確かに目の前に、製作できるかどうか解らないと言っていた品物があるからそりゃあビックリするだろう。しかも、鉱石類は純粋な物ばかりだったから特に。
「ゆっ、ゆっ、ユウマさん。これらは、あなたが・・・」

「はい、俺が作りました。ただ、偶然であろうと思いますけど・・・」
 そう答えたが、今の段階で材料さえあればいくつでも作れると思う。ちなみにその材料も技術も、ここにと言うより俺は持っている。
 そして、そこから話しは早かった。フィーナ様とミアちゃんは俺の作った神殿内で例の御神体用の宝珠と最初は簡易転移門を造ると言っていたが、材料を見て簡易でない本格的な転移門を造る事になり、材料の追加を言われた。
 幸い追加分の材料も所持していたので問題はなかった。

 問題といえば、この神殿に女神様とそのおつきの守護天使がいると言う事ぐらいだった。

 最初のうちは隠せると思っていたのだが、実際むりだよな。なにせ、フィーナ様はこの領域の女神だし、その正体も知ってる人は多いからな。
 しかも、直接会った者がここにはいっぱいいるからな、と考えていたら・・・・事実、作業に入ってから即効で、ギルドの依頼を終らした子達が戻ってきて、俺の様子を見に来た。その時点でフィーナ様達の事が見つかってしまった。
「なっ、なっ、なんで、ここに女神様がいるのですか?」
「えっ・・・・!?」
「「あっ、フィーナ様だ」」
 最初に戻ってきたシルフィーさんとレーネさん、それとリンカちゃん達に見つかってしまった。

 それから、次々と依頼をこなした子達が、何故か帰ってきて直ぐに俺の元に会いに来るので隠す暇も無く全員に知られてしまった。
 でも流石に、この場所に本物の女神様がいるなんて事は、世間には教えられないので屋敷にいるみんなには黙っている様に言い聞かせた。だが、その必要は無かった以前と同じように黙っていてくれるみたいだ、というより俺のやる事なので諦めているし、ここの仕事は給金も待遇も良いので、それを逆に知られて無くなってしまうのが困るそうだ。

 そんなこんなで、そんな事があって約5日間と言う短い間に、すべての物が出来上がってしまった。

 まず、転移門は・・・ハッキリ言ってとんでもない物が出来たそうだ。まあ、実際に俺はここシルフォードの転移門を見た事ないので区別のつけようがないが、転移門を知っている人は、その場で呆気にとられていた。

 そして、問題は御神体の方だ、実際は何でも良いそうなのだが、ここは実物の女神様と守護天使がいるので、その二人の像を造る事にした。
 材料はミスリル鉱石やクレリア鉱石を使用して2人を模写して錬金術で作ってしまった。このときフィーナ様とミアちゃんはすごく喜んでくれたが、実情を知るこの世界の人達に取ったらとてつもない事をやってしまったらしく、そこでも驚かれてしまった。せめて銅像とか木造にしてもらいたかったと言われた。

 まあ、それは置いといてその像だけでは味気ないので、以前拾った世界樹の苗も植えてみることにした。すると、何故だろうか一気に育ってしまい大変な事になってしまった。

「なっ、なんでここに世界樹が・・・こっ、これは今、神界にある1本しか存在してないはずですよ?それにここ最近やっと、どこかに小さな苗木が育つ見込みがあったのですが、その行方が不明になっていたんですかなり前より」
「あっ、そう言えばそんな事があったわよね。確かユウマさん達がこちらに来る前だったかしら」
「そうですよ、あの後大変だったですから、それでも結局見つからないで神界のみなさん意気消沈して諦めていたのですから、それを何故ユウマさんが?」
 このことに関しては、こちらに転移されたときの事をユウマは説明して話した。しかし、今までその事を忘れていて先程何か良いものが無いかなと思い。それで先程の像のそばに植えたらこんな事になったと説明した。

 すると天使ミアちゃん曰く、この場所は世界樹が育つ環境に適しているらしく、そのうえ今、現在女神がこの場所にいることと俺の作った二人の像が関係しているらしい。
 その事と今までアイテムボックス内で俺の魔力を糧に見た目は変わらずそのまま成長をしていたらしい。

 普通なら生きているものや成長するものはアイテムボックスには入れないのだが、この世界樹は別だったらしく俺のアイテムボックス内に自ら仮死状態になりアイテムボックスの空間に入ったみたいだそうだ。それを出して地面に植えたのとフィーナ様のだす加護の光に反応して、一気に目覚め成長して大きくなったらしい。

 なので、今はこの神殿の祭壇付近に二人の像と世界樹の木がある状態になっている。
 それで仕方なく神殿の形を若干変えた。祭壇の上部は吹き抜けにして日の光が入るように改造を施し世界樹の成長の妨げにならないようにした。それと、念のためフィーナ様達が不可視化の結界を神殿の周りに張ってくれた。
 ちなみにこの不可視化の結界は、屋敷にいる全員と心の清い人にしか見えないそうだ。

 すべての作業を終わらして、ついでに俺のスキルも封印して、フィーナ様とミアちゃんは天界に帰っていった。

 ちなみに、俺の封印されたスキルは、【神光気】、【運命変換】、【能力覚醒】そして、自分からお願いして頂いた【状況理解/対策】、それと【状況理解・分析】。
 それと職業スキルの【薬剤師】、【聖騎士】、【神官騎士】これらをすべて封印された。

 あと、俺の能力を半分にするアイテムと言うより、呪具に近い物をもらった。ただしこれは能力を半分にする代わり運気は倍以上になるようである。

 月日が流れて、ここの暮らしにも慣れてきた。

 それに、時々フィーナ様も神界での仕事のスキを見ては、この神殿にやってきていた。さらにはシルフィーに会いに王様や王妃様が御忍びでやって来ては長期にわたり滞在していた。
 ウソかまことか解らないが、王様は隠居したらここに住むとまで言い出した。そして仕舞いには孫の顔は、まだかまで言っていた。その事は完全に無視してスルーしておいた。

 さらには、ギルドの使いでヨーコさんが何故かちょくちょく来るようになった思うと、今度ギルマスであるフィリアさんまで来るようになり、神殿を見てまた説教をされたし呆れられた。しかし、これをきっかけにちょくちょく厄介事の依頼を持ってくるようになっていた。それからはギルドには行かず指名依頼をここにもって来るのでそれをこなすようになっていた。

 そしてある日ギルドからのある依頼をこなす為に、ユウマ達はまた魔境にある地下迷宮ダンジョンの洞窟に潜り調査をすることになったのであった。
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