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シーズン1/第一章

ロームルスの秘剣⑥(アルトラセイバー vs. 魔人兄弟)

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【マルス街道――剛太郎とミア、魔人の兄弟と対峙する】


「お前が、兵士三人を追い返したっていう青い服の男だな」

 魔人兄弟の兄・セドーが、抜き身の二本の剣をつきつけるようにして言う。彼は腰に二本の剣を差しているわけだが、今手に持っているのはその鞘から抜いたものではない。


 ――セドーは、ここへ来る道中その剣を拾ったのだ。

 それは、剛太郎が追い返した兵士たちが持っていたもの。剛太郎はあの三人の兵士のうち、一人の剣を折り、それを見て呆然としていた他二人の剣を奪っていた。
 兵士はそのまま一目散に逃げていったので、剛太郎は残った剣を仕方なく道の端に突き立てて来てしまった。

 どうやら、魔人は路傍に残されたその二本の剣を拾い、ここまで持ってきたらしい。

 ――拾って来てくれたのか。いいやつだな。
 そんなことを思った剛太郎に対し、すかさず《なに呑気なこと言ってんのよ》と突っ込むミュウ。


「お前、エルディーンの屋敷の人間じゃねえよな。何者だ? そこの小娘の肩を持つってことは……小娘に雇われたのか?」
「いや、雇われたわけじゃない。でもこの子の護衛だ」

「……は? 護衛だっていうんなら、雇われたってことじゃねえのか」
「金はもらってないから、雇われたとは違うな」

「報酬もなしに護衛を? なんだそりゃァ。お前、お人好か、物好きか何かかよ?」
「まあそうだな。その辺の何かだ」

 魔人は、傭兵である。
 相応の報酬を受けて戦闘を行う。したがって、報酬など関係なくミアを助けるのだ、という剛太郎の意思はセドーには不可解なのである。


 兄の横から、弟・キシュがしびれを切らしたように口を出す。

「おい兄者。なに敵とだらだら話してんだよ。さっさとあいつをぶっ飛ばして、あの魔剣とかいうのを持って帰ろうぜ」

「いや、落ち着け弟よ。そう焦っては節操がない。戦士の理念に反する」

「ったくよ、兄者は。なーにが戦士の理念だ。俺たちはフリーの傭兵だぜ。今はもう戦士じゃねえんだよ。……ま、いいや。もう面倒くせえ、正面切ってぶん殴ってやるよ。どれだけ反射神経が良かろうと、ただの人間。それで終いだ」


 そう言って、弟キシュが地面を蹴りつけて駆け出した。
 隣にいた兄セドーが「おま、ちょ、待て」と制止するも、そんな言葉は弟の耳には届かない。――すでに、キシュは剛太郎の間近にまで迫っていて、右拳をぐっと振りかぶっている状態だ。
 あとはもう、その拳を彼のこめかみに向けて放つだけ。

「ハッハ! 頭蓋骨、粉砕だぜッ」
 魔人が笑う。


「――――、ゴ」
 ウタロウ!

 ……と、ミアが叫ぼうとしたのだ。しかし、その名を呼びきる前に、すでに魔人の拳は放たれていた。

 すぐ近くでそれを見る少女には、ぶおん、と風を切る音がはっきりと聞こえた。
 ……聞こえたのは、風を切る音だ。人間の頭蓋骨が粉砕される音ではない。


 ギリギリで、剛太郎は身を引いてキシュの拳を避けていた。

「あっぶねえ!」
 そう言いながら、すぐに体制を立て直して、魔人と距離を取る剛太郎。

「ミア、こっちへ!」
「う、うん!」

「俺より後ろにいろ。……なるべく、距離を取って」
「わかったわ……!」


 少女は剛太郎の背に回り、そこから三歩ほど下がる。
 剛太郎は、その手に持っていたローブとリュックを近くの木の根元に向けて投げ捨てる。そして空いた手を、少女を庇うようにして広げる。

「……俺を倒すまで、このコには手を出すなよ。ホラ、その……、『戦士の理念』だ」

 剛太郎は少女を庇いつつ魔人に言った。


「言ったろ。兄者と違って、別に俺はそんなもん気にしない。……だが、まあ、小娘をいたぶりたいわけでもない。別にいいぜ、あんたが先だ、そのコには手を出さねえさ」

 そう言い、今度は背に装備していた弓矢を手にしようとするキシュ。そこへ……、

「おい、キシュ! なに勝手に一人でおっ始めてんだ! 兄貴をほったらかしにするんじゃねえ」
「そうは言ってもよ、兄者。俺たち魔人で二人がかりじゃ、人間一人なんざ瞬殺しちまう。それじゃ愉しめねえだろ。せめて一対一でやらねえと」

「じゃあお前は引っ込んでろや。弟のくせに出しゃばるんじゃない、俺に任せとけ」
「なんだよ兄者。兄者はいつもそうやって……」


「…………」
 なにやら言い合いを始めた魔人。兄やら弟やらと言っているので、どうやら二人は兄弟であるようだと剛太郎も察した。

((おいおい、なんだあれ。兄弟喧嘩か))
《いっそ、この隙に殴りかかったら?》

((いや、それは卑怯だろ、ホラ、戦士の理念が……))
《なに感化されてんのよ》
((いや感化とかじゃねえよ。俺は元からそういうタイプだ。ズルはキライなんだ))

《今更私に生真面目アピールなんかしても意味ないわよ。いっつもスーパーの総菜コーナーで半額シール張られるのを待つような卑しい男のくせに》
((別にそれとこれとは関係ねえだろ! ていうかそれは仕方ねえんだ、生活がギリギミアんだから))


 剛太郎の方もまた、脳内でミュウと言い合いをする。ただし、外から見れば黙したまま突っ立っている状態だ。

 黙ったままの剛太郎と、言い合いする魔人兄弟……離れた位置からそれぞれを見比べる少女は、ただただ困惑するのみだった。


 魔人の方は、なにやらジャンケンのような勝負を始めた。
 剛太郎のよく知るものではなく、なにやらお互い両手を使っている。「言っとくけど『裏の手』を使うのはナシだからな」と、セドーの方が弟に釘を刺しているが何のことか分からない。

「っしゃ! ハッハ、だから始めから俺に任せとけばよかったのさ、兄者」

 ジャンケン的ななにかの勝敗が決したらしい。弟の方が、憎らしそうな表情の兄を後目に愉快そうに笑う。そして、仕切りなおすように剛太郎に対峙する。


「…………」
 剛太郎の方も、キリッ、と表情を引き締める。

「さて。……とはいえ、その気になれば俺一人でも、瞬殺だな」
 そう言って、キシュは背負っていた弓に手を伸ばし、手際よく矢を取り出して、そして構える。
 予備だろうか、弓はもう一つ背負っている。

 黄金色の瞳で剛太郎を見据え、キリキリ、と弦を引く。


「せめて『裏の手』は使わないでやるよ。……それでも、俺の弓の連射力は人間の比じゃねえがな」

 そう言った次の瞬間には、すでに矢が放たれていた。
 まっすぐ、剛太郎の眉間に向けて飛ぶ矢。通常、放たれた矢など、人間の目で捉えられるスピードではない。

 ――しかし、剛太郎の目には視える。

 わずかに体を右へ逸らし、矢を躱す。チッ、と、かすかに毛先を掠めていくのを感じた。後少しでも遅れていれば死んでいたことを思い、ふっ、と息をつく。
 ――が、文字通り息をつく暇などなかった。
 そのときにはもうすでに次の矢が構えられていて、ハッと剛太郎がそれを察すると同時、矢羽を挟むキシュの指が開かれた。――たちまち飛来する矢。またギリギリで躱すが、さらに次がまた来る。

 これでは、一瞬、一瞬が命の危機だ。


((くっ、くそ……。これぐらいならなんとか躱せる……が、後ろにミアがいるから、あまり躱すばかりじゃ危ないな))
《ええ。反撃しないと》

((……でも、どうすればいいんだ? ミアの話によれば、魔人の体は特別で、普通の攻撃は全く効かないらしいじゃないか。魔力を伴った攻撃じゃなければ、すぐに治っちゃうとか言ってただろ))
《……そのことなんだけどさ、剛太郎。ちょっと私、思うことがあってね》

((なんだ?))
 ひゅん、ひゅん、と次々に放たれる矢を、ひゅん、ひゅん、と躱し続けながら……剛太郎は脳内に棲みつくエネルギー生命体の声を聞く。


「――確かに」

 ミュウの話を聞いたのち、その返事は、つい声に出た。


 直後、意識を切り替えるようにキッ、と敵の方へまっすぐ視線を向ける剛太郎。魔人――キシュと目が合う。鋭い、黄金色の瞳だ。

 剛太郎は、そのまま勢いよく地を蹴って駆け出した。


 弓使いに直線で向かって来るとは、あいつヤケになったか――と、キシュはニヤリと笑う。そして容赦なく、突進してくる人間の頭に向けて矢を放った。
 …………、が、

「ふっ」
 短く息を吐き、剛太郎は自らの頭に突き刺さらんとするその矢を、掴み取った。


「なんだとっ!?」
 敵の予想外の行動に驚愕しつつも、しっかりと次の弓を構えるのだからさすが歴戦の傭兵といったところだ。

 ――が、やはり次の矢を放っても剛太郎は掴み取って見せた。
 そしてキシュがさらにその次の矢を構えるよりも先に、すでに剛太郎は魔人の眼前にまで迫っていた。ハッ、とキシュが剛太郎の接近に気付くが、遅い。

 剛太郎はもうその右拳を深く振りかぶっている。


《エネルギー供給、かんりょー》
((了解――、っと))

 彼の拳に、黒い渦のようにエネルギーが溢れた。


 それは、『ダークエネルギー』。ミュウの持つエネルギー総量の内、彼の拳に込められているのはほんのごく一部だけ。だが、それでもすさまじいエネルギーなのである。

「おらあああああ」

 野太い声を張り上げて、剛太郎はその拳を撃ち抜いた。
 放たれた矢さえも掴み取ってみせた彼の拳は、すなわちそれと同等以上の速度だ。魔人は、それを躱すことはできなかった。


 魔人の体が、ふわりと宙を舞う。

 剛太郎の拳で思いっきり顔を殴られ、魔人・キシュの体は吹っ飛んだのだ。その光景を見た二人の人物――剛太郎の背後にいた少女ミア、キシュの背後にいた兄セドー―が、ごくり、と息を呑んだ。

 ゆっくり宙を舞い、やがて重力を受けて、どさり、と地面に倒れ込むキシュ。

 剛腕で殴り飛ばされた魔人は……、気を失っていた。


「うそ、魔人を……!」
「な、なんだと……?」

 ミア、セドーは驚愕の顔をする。対して、剛太郎はしたり顔だ。


((……やっぱ、思った通りだったな))

《ええ。魔人には、魔力を伴った攻撃しか効かないってあのコは言っていたけれど。……魔力っていうのは、私の持つダークエネルギーとよく似ているわ》


 そう、ミュウには『魔力』というエネルギーの実態ははっきりとは分からないが、しかし自身の『ダークエネルギー』と酷似しているものだと感じていた。
 しからば、ダークエネルギーを込めた拳――要するに剛太郎のいつも通りの攻撃手段で、敵にダメージを与えられるのではないかと推測したのだ。

 その推測が正しかったと、すっかり伸びてしまっている魔人の醜態が語っている。


 地面に倒れた拍子で、彼の背負っていた弓と矢がそこかしこに散らばっている。――それらを踏まないよう器用に間を縫って、紫肌の男が歩く。
 そいつは、倒れた弟の横を通り過ぎ、剛太郎に向かってゆっくりと歩み寄るのだ。

「――へ、だから言ったろう。初めから俺に任せとけばよかったんだ」

 そう言った魔人の兄は、足を止めて、改めて剛太郎と対峙する。彼はそれまで持っていた兵士の剣を、ぽい、と地面に投げ捨てた。


 ――なんだ、結局捨てるのか。悪いやつだな。
 そんなことを思った剛太郎に対し、ミュウがすかさず《なに呑気なこと言ってんのよ》と突っ込んだ。


「まあ、しかし我が弟を殴り飛ばすとは恐れ入ったよ。敬意を表して、名乗ろう。俺はセドー・ストゥグ・ネルゼル。――あんたは?」

 兵士の剣を投げ捨てたセドーは、――自らの腰の両側に差した剣を、スラリと抜いた。細身で、刀身が黒い剣だ。彼は切っ先を剛太郎に向けて、彼に名乗りを促す。


「…………」
 しばし逡巡するようにしてから、彼は言う。

「名乗るほどの者ではない」

 《空気を読め》と、頭の中の女性にまた突っ込まれた。
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